閉鎖病棟に入院した話③
2020年5月31日(日)
3日目 体温:37.6℃ 服薬:なし
割と眠れたと思う。
眠前の薬が多いから、それが効いているのもあるだろうが1日過ごしての疲れがひどすぎる。
人と話すことは楽なのだが、それ以外の生活、まだ環境に適応しきれていないためかとても疲れる。
こんなに”疲れた”が出てくる入院に意味があるのか、とさえも思ってしまったくらいだ。
今日の目標は昼寝をしないこと。
いくら入院中とはいえ、全く動かないのにこんなに何時でも寝てばかりいてはダメな気がしてきた。
午前中は絵を描いた。その後腹痛を起こした。
看護師さんに「痛いと思う前の前のタイミングで私たちに言って話を聞いてもらったり薬をもらったりしようね」と言われた。
うーん。難しい。難しいけど、確かにこのままでは入院した意味がないので頑張る。
その時対応してくれた看護師さんのことは今でも覚えている。
通称”赤い服のおじさん”
この人物は数時間後私の心に大きく影響を与える(何かが始まる予感を示してみた)
昼食を済ませ昨日のように1階の売店におやつでも買いに行こうかと、看護師さんに院内同伴を頼もうとすると「今日は日曜だから売店はお休みだよ」と言われてしまった。
売店が休みなのでは仕方ない。今日はおやつはお預けだ。
14:00
ゆうちゃんにナースステーションで色鉛筆や塗り絵を借りることができると聞きナースステーションへ。
この時自分からナースステーションへ赴くことが初めてだったため誰になんと伝えたらよいのか分からなかった。
ましてや今日は日曜、看護師さんたちも人数が少なく、皆中に入ってしまっていてなおさらこちらの要望をどう伝えたらよいのか分からなかった。
ナースステーションの前でどうしたものか、と考え込んでいたらナースステーションの窓が開いた。
これで伝えられる!さぁ色鉛筆と塗り絵を借りよう!!
と思った瞬間、
窓を開けた若い女性の看護師がやや強い口調で「ノックをしなさい!!」
と言ってきた。
私は驚いて泣いてしまった(これは今でもふがいないと思う)
女性の看護師の近くにいた午前中お世話になった赤い服のおじさんがすかさず駆け寄ってくれて
「○○さん(看護師)、この子一昨日入院してきた子だからノックをしないといけないとかがわからないんだよ~」
と助け船を出してくれた。
すると女性の看護師もすぐに謝ってくれて色鉛筆と塗り絵を貸し出してくれた。
しかしそんな出来事があったため私はあまり塗り絵に身が入らず、せっかく借りたのだがすぐにやめてしまった。
色鉛筆を返す時、ちょうど両親が見舞い(と言うよりはこちらの認識は面会に近い)に来てくれた。
ユーハイムのバームクーヘン、私が中学生の時から好きなガレット、新聞を持ってきてくれた。
嬉しかった、すごくおいしかった。
この日はなぜか両親の院内同伴の許可が下りなかったため、両親が持ってきてくれた大量の荷物を赤い服のおじさんと自室へ運んだ。
その際赤い服のおじさんに、「君はすごく優しい子なんだね。」と言われた。
涙があふれた。
色々話してくれて、その内容はもう忘れてしまったけれど、聞いていて、自分の話を丁寧に聞いてくれて心が救われる様で、たくさん泣いた。
晩御飯の後、話しかけてくれた女の子の部屋でほかの患者さんと話していた。
すると夜勤の女性の看護師さんに叱られた。
なるほど、人の部屋に行くこと、物の貸し借り、物の譲渡もダメなのか。
さらにその看護師さんの様子を見ていると、どうやら話している内容も重要らしい。厳しい世界だ。
看護師さんに見つかる前に患者さんたちから聞いた話から分かったことがいくつかある。
・私の担当医は厳しい
・ほかの患者さんは家族がいなかったり、施設で普段生活していたりと自分の生まれ育った環境はすごく恵まれている
・病棟は他に3つあり、それぞれ特徴が異なる、私が今いる3病棟は一番落ち着いている
ゆうちゃんが昨日言っていた”こういう所にいなそう”が昨日よりもう少し分かった気がする。
今日は寝る前の薬を拒んだ。
薬を飲んだからと言ってここにきて腹痛は治らないし、いつも薬に頼って眠り元気に過ごしている自分が嫌になった。
何度も諭されはしたが、案外薬を飲みたくないという要求は受け入れてもらえた。
このまれにある、”薬いやいや期”は自分でもうんざりする。
夜勤の看護師さんに「飲まなくてもいいけど担当医の先生には伝えておくから」と脅された。怖いなぁ。
2021.6.1 chihiro
久々の更新、少し元気が出てきたので書いてみたが以前と口調が変わっているかもしれない。ゆるゆるとやっているので目をつむっていてほしい。
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