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【薬局提案】在宅医療×配置薬

おはようございます。こんにちは。こんばんは。
調剤喫茶の薬剤師いしまるです。

本日は薬剤師の行う個人在宅医療と配置薬についてです。

日本の人口と在宅医療・介護サポート

いま在宅医療の推進が急がれています。
いわゆる団塊世代と言われる1947~1949年(昭和22~24年)生まれの方々は、2020年において全員が70歳を超えました。

その団塊世代を含む70歳以上の人口は2795万人にも及び、総人口の21.5%を占めます。(2019年9月 総務省統計の推計による)
その中には介護を必要とする層も一定数あり、今後介護の需要が高まることは間違いありません。

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(統計局HPより、日本の人口ピラミッド2015)

介護のひとつの方法として、在宅医療・介護があります。
その名の通り、高齢者住宅などの施設に入居するのではなく、多くの時間を自宅で過ごしながら必要なサポートを受けていくスタイルです。

そのサポートとは、医師の「訪問診療(往診)」や看護師による「訪問看護」に代表されるものですが、薬剤師による訪問についてはどの程度認知されているでしょうか。

薬剤師による在宅医療

薬剤師による訪問では、往診医から処方された薬の準備・配達・説明などを行います。その中で利用者さんが、適切にお薬を使用できるようにサポートしていくのが我々薬剤師の役割です。

薬を一包化して間違いや飲み忘れを防いだり、
その一包化した薬に日付を印字したり、
カレンダーにセットしてみたり、
それでも飲み忘れてしまった薬を破棄・再利用したり、、、
そんな情報をほかの訪問スタッフとシェアして協議し、より良いサポートを目指していくのも大切なはたらきです。

認知度こそイマイチですが、最近では利用者さんも増えてきました。

こうした薬剤師やそのほかの在宅サポートを調節することで、利用者さんのお宅にはほぼ毎日誰かが訪れているといった環境を作ることもできるので、日常生活に見守りが必要だが、施設には入らない(入れない)などの方々に適したスタイルといえます。


配置薬

これまたあまり浸透しているイメージのない業態ですが、名前だけは聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?あのCMが有名ですね。

こちらのサービスは「自宅にお薬セットをおいておく」ことからスタートします。配置だけなら無料であることや、期限切れを起こさないように交換してもらえるなど、多数のメリットがあります。(詳しくは下記サイトにて)


とはいえ、私は富士薬品の回し者ではありません。


在宅医療 × 配置薬

ちょうど上のCMを見ていた時、ふと思い立ち、
こんな風に考えました。

「これは訪問薬剤師の仕事にならないだろうか?」

より細かいサービスへ
配置薬の管理をされている担当者さんの訪問は2-3か月に一度程度だそうですが、これを訪問薬剤師が行えばより細かい管理ができないでしょうか?
薬剤師による訪問は、週に1回程度です(利用者による)。せっかく高頻度にお宅に伺っているので、既存の配置薬サービスをより細かい視点で提供できるかもしれません。
まずはセルフケアとして市販薬をすぐ手に取ってもらえれば、その後の悪化も防ぐことができ、結果として早期回復が目指せるかもしれません。

充実した選択肢の提供
配置薬に手が出ない理由として品ぞろえが影響している可能性があります。(たびたび登場させて申し訳ないですが、)例えば富士薬品の配置薬セットは当然富士薬品の製造するオリジナル商品で構成されています。
そのため利用者さんが求める「いつもの薬」が富士薬品の商品でない場合、その薬はセットに入れられません。同じような薬がラインナップされるでしょうが、同じような薬でも、利用者にとっては使いやすい薬とそうでない薬があるということは、薬剤師の方々はジェネリック問題でよく知るところだと思います。
薬局は様々な医薬品メーカーを取り扱う立場だからこそ、患者さんのニーズに合わせた医薬品・サプリメントが提供できるのではないかと考えます。

利用者からすれば名前もよく知るいつもの薬がなじみやすく、使いやすいでしょう。セルフケアを推進する上では特に利用者の使いやすさに焦点を当てる必要がありますので、ここは見逃せません。

医療用医薬品の提供
上のものとかぶりますが、選択肢の一つとして医療用の医薬品を選択肢に挙げることもできるかもしれません。近頃話題の零売や薬局製剤などを選択肢に組み込むことで、最適な薬を届けられないでしょうか。
市販薬は複数の薬効成分が混合されているため、「何にでも効く」とされる一方で「不要な成分」が問題視されます。それが原因で飲めない薬も少なくありません。
その点、医療用医薬品は多くが単一成分で構成されています。症状に応じて必要な薬だけ内服することができます。
またさらに進んで薬局製剤というオリジナル商品を作れば、例えば市販の「○○××配合かぜ薬」から、服用を回避すべき××という成分のみを除いたお薬を調製することも可能かもしれません。
(しかしながら、このブロックで紹介した零売・薬局製剤を取り組んだ配置薬の運用は法的な制限から考えると現状難しいかもしれません。※対面販売の必要性など...)

複数の訪問サポートを巻き込んで
ここまで3つ紹介してきましたが、
実は本題はこちらだったりします。長々とすみません。

私はこの運用が最も現実的で利用価値があると考えています。
それが利用者本人だけでなく、その周囲の「サポートメンバーが活用できる配置薬」です。

それは保健室の棚のように、
病院のナースステーションのように、
救急室の救急カートのように、
医師、看護師、ヘルパー、家族が必要に応じて使用できる配置薬...というより救急箱のような存在を提供できないでしょうか。

例えば訪問看護師さんが訪れたときに、利用者さんがケガをしていたら、軟膏とガーゼを取り出して処置することができる。便秘をしていたら浣腸を適切に使ってあげることができる。床ずれをきれいに保護してあげることができる...など

そこには薬以外にも衛生材料や処置グッズなどあらゆるものをいれておき、配置薬の要領で管理していきます。軟膏や浣腸などは、後から処方箋を出せるように医師に指示書を書いてもらったり、処置用として医療機関に請求する形でもよいかもしれません。
(これは実現に向けて確証を得た提案ではありません。法的な危うさなどもあるかと思うので、ぜひご指摘ください。)


訪問薬剤師・薬局による新しい配置薬・救急箱はいかがでしょうか。私は少しワクワクしています^^

ではまた!

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いしまる
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