意外と知らない【処方箋】❷
こんにちは。薬剤師のいしまるです。
本日は【処方箋】の第2段となります。
宜しければ過去記事もご覧ください。
医師・薬剤師はもちろん、その他の医療関係者の方もご存知の内容かも知れませんが、非医療者の方にも広く見ていただき、「そうなんだ!」が少しでも引き出せたらいいなと思います。
記載項目について改めて確認です。
①患者さんの個人情報(氏名・生年月日・性別)
②患者さんの保険情報(負担割合・本人or家族)
③発行した病院・医師の情報(住所・電話・名前)
④発行日(使用期間)
⑤薬の処方内容
⑥ジェネリックなどへの変更可否
⑦その他、備考
⑧薬局使用欄
(⑨分割調剤欄)→ないことも多い
今回は【②患者さんの保険情報】についてです。
前回の記事では①患者さんの個人情報を取り上げたのですが、保険情報も処方箋には欠かせないものとなります。それは日本で行われている殆どの医療が保険を用いて行われているからです。
町の薬局なんて呼ばれることも多い調剤薬局は、法的には保険薬局という業種に当たります。その名の通り保険を扱う薬局であり、保険薬剤師が在籍しております。
ところで、処方箋に保険情報が書いてあることを認識している方はどのくらいいるのでしょうか。
試しに身近な看護師に「処方箋に何書いてあったか思い出してみて?」と紙とペンを渡したところ、そこには保険番号は出てきませんでした。
ここに書いてあります。
保険情報とは?
はじめに保険情報とは何なのか説明します。
保険情報として、みなさんに一番身近なものは負担割合ではないでしょうか。医療保険においては6〜65歳までは一律3割負担となります。保険制度に関しては別途記事を書く予定なので、後日ご参照ください。
「医療保険において」といいましたが、日本の保険制度は医療保険だけではありません。例えば介護保険や生活保護、自立支援など多岐に渡り、これらは医療保険とセットになることもあります。
そのために保険情報の欄は複数箇所設けられているんですね。
支払う医療費のうち、3割負担の方なら残りの7割を支払うのは国や支払い基金などの保険者です。処方箋にはこうした保険者情報も記載されています。多くの方がコチラに記憶がないのは、恐らく英数字等の羅列で暗号のように表記されているからでしょう。
この暗号はみなさんの保険証に記載されています。病院や薬局で保険証の提示を求められるのは、この暗号をカルテや処方箋に記録し、保険者からの支払いを求めるためだったりします。
また保険証には世帯主の情報も載っています。こちらは処方箋において「本人」・「家族(扶養者)」などの表現で記載されています。
保険薬剤師はこれらの情報を基に、患者さんに適正な負担割合でお支払いをいただき、またそれぞれの保険者に対して残りの医療費を請求しています。
保険者によって請求先が異なるため、事務的ではありますが、意外とチェックが必要なポイントだったりしますので、保険証が変わった時には「保険証変わりました」と言ってあげると、ちょっと喜ばれるかもしれません。
仮に保険情報の確認を怠ってしまうと、保険者からの支払いがされなかったり、患者さんに再度会計の修正(返金・追加金徴収)を行う必要が出てきます。薬剤師は薬以外に保険情報も確認していることもご理解いただければ幸いです。
ではまた!