プレゼント
「もうすぐクリスマスね」とあのひとが言うので、「今年のプレゼントは何がいい?」と訊いてみたけれど。
大して高額の物をあげられるわけでもない。
きっと例年通り化粧品をなにか一つ、みたいな感じに落ち着くだろう。
なかなか一緒に出掛ける時間が取れない毎日なので、お互いのために時間をつくること自体が一番のプレゼントで、物はただのお飾りなのだ。
大人になるとみんな、そんなもんなのだろうか。
「あなたこそ、プレゼントは何がいい?」と訊いてくれたけれど。
私の好みを言うと大体の人は、「プレゼントし甲斐がない」と笑う。
まず一番に浮かぶのは本。
これ以上気の利いたプレゼントはないと個人的には思うのだけど、世の中そう思わない人が多いらしい。
ほとんどのものは使ったら価値が減っていくのに、本だけは心身に蓄積されて、ずっと価値が増え続けるんだから、これ以上いいものはないじゃないかと思うんだけどな。
コーヒーやちょっと気の利いたチョコレートも嬉しいけれど、消耗品をプレゼントするのは嫌と言う人もわりとよく居る。
あとは、肌触りのいいタオルとか嬉しいな、、、これも消耗品っぽいか。
誕生日には彼女からは、無印のフライパンをもらった。
炒めるのにも煮るのにも使える、かなり深くて大きめのフライパン。
ほぼ毎日お世話になっているくらいよく使うけれど、これをリクエストした時はだいぶつまらなそうにされた。
希望に応えてくれたけれど、プレゼントの主役はもらう方じゃなくて渡す方だと思っているので、あんまり不本意なものをリクエストするのはなんだか気が退ける。
「エッセンシャルオイルなんかは、、、消耗品だからやっぱりプレゼントする方としては面白くない?」と遠まわしに訊くと、「エッセンシャルオイルは生活に潤いを与えてくれるものだからプレゼントする方も楽しいよ」と言ってくれた。
よかった、せっかく私のために考えてくれているのに、つまらない思いはさせたくないもの。
私の方はと言えば、相手が本当にほしいと思っているものなら、消耗品だろうがギフトカードだろうがなんでもいいけれど。
今年も物入りだけど楽しい季節がやってくる。