古典鑑賞 (二) 曹全碑[後漢]
月刊書道誌 太源 2023.11月号
今回は、現在随意部参考として掲載されています、曹全碑を紹介します。
曹全碑は、後漢の隷書碑を代表する傑作の一つです。皆さんはこの作品を見たとき、どのような感想を持ったでしょうか。解説書などを読むと、「線が伸びやかでなめらか。優雅で美しさがあり、女性的。」と書かれています。「そんなこと思わなかったわー。書道向いてないのかな。」なんて思った方、心配しなくても大丈夫ですよ。
感想を持つ、なんてことは誰にでも出来そうですが、慣れや練習も必要だと思います。感性の乏しい私が実践してきた方法を、一部ご紹介します。
①比較すること。他の作品と比べると、特徴がより鮮明になります。沢山の古典を知り、見て、書いて、学びましょう。
②恐れないこと。他の人と違う感想を持つのは、勇気がいることです。しかしそれを恐れすぎると、作品を見ても何も感じない、分からないという状態に陥ってしまいます。感想は感想です。解説や論文ではないので、素直に感じましょう。
このようにしてきた結果、私はこの伸びやかで美しい「曹全碑」に魅了されるようになりました。皆さんも臨書・鑑賞を楽しんでください。
※更にもう一段階
以下の隷書と比較してみて、曹全碑がどのような特徴を持つのか鑑賞してみましょう。
礼器碑
張遷碑
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