こむら返りの原因・予防・対処法
「こむら返り」は、ふくらはぎの筋肉が突然つって激しい痛みを引き起こす現象です。特に夜間や運動中に起こりやすく、多くの人が一度は経験したことがあるでしょう。突然の痛みに驚き、どう対処すればよいのかわからない方も少なくありません。本記事では、こむら返りの原因、予防法、そして起きたときの対処法について詳しく解説します。
こむら返りとは？
読売新聞オンラインのyomiDr./ヨミドクターに掲載された森本昌宏医師（麻酔科）の解説によると、ふくらはぎの筋肉（下腿三頭筋）が強く縮んで硬くなると、縮んでいる筋肉の線維とそうではない線維との間にズレが生じ、それが筋肉に枝を出している神経の先端を刺激するからなのだそうです。
こむら返りは特に以下のような場面で発生しやすいとされています。
就寝中や起床時の伸びをしたとき
・スポーツ中や運動後
・立ち仕事や長時間同じ姿勢を続けたとき
短時間で収まることが多いものの、強烈な痛みを伴うため、予防や適切な対処法を知っておくことが大切です。
こむら返りの主な原因
水分・電解質不足
水分や電解質（特にマグネシウムやカリウム）が不足すると、筋肉の収縮や弛緩がうまくいかなくなり、こむら返りが起こりやすくなります。特に汗を多くかく夏場や運動後は注意が必要です。
例： 夏の運動中や、アルコールを摂取した後の脱水症状時など
筋肉の疲労
運動や立ち仕事などで筋肉が酷使されると、筋肉の緊張が高まり、けいれんを引き起こします。特に準備運動やストレッチを怠ると発生しやすくなります。血行不良
冷えや長時間同じ姿勢でいることで血行が悪くなり、筋肉に必要な酸素や栄養が届きにくくなります。特に冬場は注意が必要です。加齢や運動不足による筋肉の衰え
加齢とともに筋肉量が減少することで、筋肉が疲れやすくなり、こむら返りが起こりやすくなります。また、運動不足も筋肉の柔軟性を低下させる原因です。
こむら返りを予防するためのポイント
✅ 1. 水分補給をしっかりと
こむら返りの大きな原因である脱水を防ぐために、日常的な水分補給を心がけましょう。特に運動前後は意識的に水分を摂ることが大切です。
ポイント:
・運動前後にコップ1〜2杯の水を飲む
・寝る前にコップ1杯の水を飲む
✅ 2. ミネラルを意識的に摂取
ミネラル不足はこむら返りの大きな要因です。特にカリウムやマグネシウムを含む食品を積極的に取り入れましょう。
おすすめ食品:
・カリウム: バナナ、アボカド、ほうれん草
・マグネシウム: 海藻類、ナッツ類、豆腐
✅ 3. ふくらはぎのストレッチを習慣化
筋肉の柔軟性を高めるため、就寝前や運動後にふくらはぎを中心にストレッチを行うことが効果的です。
簡単なストレッチ例:
・壁に手をついて、片足を後ろに引き、ふくらはぎを伸ばす（30秒ずつ左右）
・床に座ってつま先を手でゆっくり引き寄せる
✅ 4. 足を冷やさない
冷えは血行不良を招き、こむら返りの原因となります。特に冬場は体を温め、血流を良くしましょう。
血行促進のコツ:
・就寝前に足湯をする
・冬は湯船にしっかり浸かる
・冷たい床での素足歩きを避ける
こむら返りが起きたときの対処法
👉 1. あわてずにつま先をゆっくり自分の方に引き寄せる
痛みが出たら、足を伸ばしてつま先を体の方にゆっくり引き寄せます。ふくらはぎが伸び、筋肉のけいれんが和らぎます。
👉 2. ふくらはぎを優しくマッサージする
筋肉の緊張をほぐすために、こむら返りを起こしたふくらはぎを優しく手で揉みます。無理に強く押す必要はありません。
👉 3. 温めて血行を促進する
痛みが治まった後は、ホットタオルやカイロなどで患部を温め、血行を良くします。温めることで回復が早まります。
また、前出の森本昌宏医師によれば、漢方薬の芍薬甘草湯も即効性があり、服用すると１０分程度で痙攣が治まるそうです。
まとめ
こむら返りは多くの人が経験する身近なトラブルですが、日頃の予防や適切な対処を知っていれば怖くありません。特に水分補給やミネラル摂取、ストレッチなどは、すぐに取り組める予防法です。いざというときのために、今回の対処法もぜひ覚えておいてください。