JO1ドキュメンタリー映画『未完成』感想

はじめに

 この文章は、JO1のドキュメンタリー映画『未完成』を観た上で感じたこと、考えたこと、そこに生起した感情、などを書いたものになります。当初は公開してから1週間後くらいに書き上げようと思っていた所だったものの色々あって今頃になってしまいました。なので、2回鑑賞した時の記憶およびその時のメモ、あるいはオタクとの会話の中で浮かび上がってきた像、はたまた色んなものとのリンク?なんかも書いていければと思います。それではどうぞ。

アイドルドキュメンタリーとしての『未完成』

 以前OPEN THE DOORの記事を書いたときにも触れたように、筆者の私自身は地下(ライブ)アイドルから地上(メジャー)アイドルまでそこそこ色んなアイドルが好きなので、観た/観ていないはともかく観測している範囲でもいくつものアイドルグループでドキュメンタリー映画が作られ、それがファン及び世間に受容されていく過程を見てきました。

※過去のOTD記事(↑)

※そういえば5/1の17:00からOTDがAmazon Prime Videoで配信開始だ!!!!ショート・プログラムとか厳選週など含めAmazon Prime Videoには頭が上がりません。感謝。(↑)

 話を戻すと、そうしたアイドルドキュメンタリーが作られる現在の流れの源流にはおそらくAKB48のドキュメンタリー映画第2弾である「DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る」(監督:高橋栄樹)の存在が大きいと感じています。観客動員の面でも当時の世間での需要のされ方も、またライブ舞台裏のあまりに過酷な光景(過呼吸など)という要素も含めて話題となったことも含め、アイドルの「舞台裏」や「真実」みたいなものの需要がより高まったのかなと。

 ちなみに上述の高橋監督は欅坂46のドキュメンタリーである「僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46」の監督でもあります。この映画については同様に過去記事に感想を書いていたので貼っておきます。(こうして振り返るとドキュメンタリーに対してなんか書いている傾向がありますね私)

 そうしたいわゆる「アイドルドキュメンタリー」文脈においては大きくAKB系列、坂道系列、WACK系列あたりが居るイメージで、例を挙げると日向坂46の「3年目のデビュー」がグループ結成時から改名→デビュー→デビュー後の苦悩などを描いている「グループ通史」の紹介になっていたり、欅坂46の「僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46」は如何にして「欅坂46」という像と「平手友梨奈」という存在を生み出し、それがどのように終末を迎えたのかというさながら戦争映画のような様相を呈していたり、WACKは合宿オーディションに密着して徹底的に候補者の姿と感情を映し出したりといったように、それぞれ手法や重視しているポイントなどは異なってはいても、徹底的に「対象がどの様な人たちなのか」を鮮明に描き出すことこそがアイドルドキュメンタリーにおいて通底している部分だと思います。(ドキュメンタリーというフォーマット上当たり前でもあるけれど)

 では、このJO1のドキュメンタリー映画である『未完成』はどのような映画だったか。これは端的に言い表すならば、「JO1のドキュメンタリーでありながらJAMのドキュメンタリーでもあった、究極のファンサービス」であり、「コロナ禍期間におけるアイドルの苦悩をまざまざと記録した資料」であり、「極上の音響で楽しめるライブ映画」だったと思います。もちろんこれまでJO1を知らなかった人には、この映画1本でJO1誕生〜2022年現在までの彼らを知ることができるし好きになってもらえる映画であるのはもちろんなんですけど、単なる「アイドルドキュメンタリー」に上記のような何重もの意味が乗っているという感覚がありました。みんな観てほしい。

 以下の章では具体的に映画の中で出てきた印象的なシーンから感じたことなどを列挙していきます。ラフな感想になっていきます。何卒。

個人的に印象的だったシーン

・JO1結成から間もない時期の動画でのメンバー同士でのソワソワ感
瑠姫くんが話していたようにS1中でも11人の中での関わり方に濃淡はあっただろうから、これからやっていきます!と言われても最初の頃はお互いを信用していくまでが難しかったのだろうなと推察されました。今の11人の関係を知っているからこそ、この壁を乗り越えてきたんだという感慨深さもあるというか。
この感じどっかで覚えがあるなと思い出したのは、サッカーの地域トレセン的なところでチーム組むときのソワソワ感。男11人が1個の目標に向かって団結するのって、めちゃんこ相性もあるし努力もいるし、そういった意味での彼ら同士の関係性について考えたシーンでした。

・「JAM」の由来を語る瑠姫くん、僕たちは「未完成」と語る瑠姫くん
「JAM」は公募だったんでしたっけか、その中でグループ内会議でファンネームを考えるというシーンでしたけど、瑠姫くんの熱量だったりメンバーのリアクションだったり、彼らはプデュを通してファンに「選ばれた」という意識が根底にあり、だからこそファンに対する思い入れがひときわ強いんだなあと改めて実感したシーン。

・ボーカルラインの歌ってるシーン
めちゃくちゃいい歌やん…誰の曲やろ?と思っていたら完全にオリジナルのコンビニの歌でニヤニヤした、あんなハートを込めてめちゃくちゃくだらない事してるの微笑ましいし「終わらないでくれ…!」となった。なんかもう1個あります的な会話を木全くんがしていた記憶があるので、あの歌どっかで披露してほしい(願望)

・トリートメントのシーン
蓮くんのチェックによって都度整えられていく過程が見られるのありがたい。ああいった微調整と重ねられる鍛錬の上にあのパフォーマンスがあるんだよなあ、と感じ入ります。「整える」って表現にしてるのもいいよね。

・蓮くんの車内での言葉
 「2020年を無かったことにしない」という部分、思うように活動できなかったであろう期間でもネガティブを見せずに「今できること」を全力でやってきた人たちの言葉だなあと感じたシーン。

・専用の練習室に喜ぶメンバー
床泳いでたの景瑚くんかな、みんなキラキラした目で練習室に喜んでたし、インタビューの中でJAMへの感謝が出てくるの本当にJO1がJAMを想っているのが伝わってきました。本当にこのシーントップレベルで良くて泣きそうだった。

・OPEN THE DOORの追い込み期間
豆ちゃんが「可能な限り練習詰め込んじゃってください」って言ってたの気迫が漲っていて格好良かった。歌割りとか立ち位置とかの変更もあったり、おそらく皆にかかっていた負荷は相当なものだったろうけど、共通して同じ場所を、同じ目標を見据えている皆の目の鋭さがギラギラしていた。と思いきや円陣で「指輪痛い!!」みたいな掛け合いもあったりして良い。余談だけど景瑚くんが練習の時にマイク代わりにぬいぐるみ?みたいなのを持ってたの可愛い

・映画館のスクリーンと音響で体感するOPEN THE DOOR
OTD記事にも書いたけど1曲目の純喜くんの「ボーントゥビワーーーーーーーーーーーーーーイルド」の出音すごすぎる。そして追い込み期間を映像で見ているからこそ、整えられてきた圧巻のステージに説得力が上乗せされている。ライブパートを体感するためだけでも劇場に足を運ぶ価値はあったと思います。すっごいライブだったな、、生で観られたの幸運だったんだな、、と思うなど。アマプラでまた観よう。

・「JO1がいなかったらコロナ禍乗り越えられなかった」のJAMの方
トップクラスに泣いた箇所でした。作中におけるOTDまでのパートではJAMの方々へのインタビューも挟みながらそれまでの準備を描いていたんですけど、JAMの方々が総じて口にするのはJO1の皆への感謝、JO1に救われてきた話、JO1への想い、「ファンダムとして何ができるか」といった内容で、もうこれはJO1とJAMの恋愛映画と言っても良いんじゃないかという。それくらい双方向に想いがあることを描いていたのがめちゃくちゃ良かったです。なんというかあの規模のアイドルがめちゃくちゃファンネームに愛着を持っているし、本当に事あるごとにJAMの話をするし、「JAMに会いたい」「JAMに恩返しがしたい」とか言ってくれるのは泣いてしまう。
「JO1がいなかったらコロナ禍乗り越えられなかった」がリアルであること、またそれが映画として残ることは彼らにとっても大きな感謝のメッセージだったんじゃないかなと思います。

・OPEN THE DOORの後でメンバーを前に泣くチェ社長
ここもむちゃくちゃ良かったなーーー、、本当にJO1のことが好きなんだなと話し方から目線から話している内容から伝わってくるというか。社長なんだけど親しみやすいおっちゃんだし、愛らしい部分もあるんだけど、この涙で一番泣いた可能性があります。JO1は、こうした初めて続きのプロジェクトや取り組みを色々進めていく中でも周りの大人達がガッチリ親身にサポートしてきたからこそOTDまで辿り着いたし今の姿があると思うので、裏方スタッフ含めて(時々しっかりしてよ〜的な部分は愛嬌程度にあるけど)永くいい関係を築いていって欲しいなと思っています。

・映画の最後に出てくる活動再開後の碧海くん
おかえり!!!!!!!公開するちょっと前のタイミングで活動復帰の報が来た記憶。最後にSee you!やったのみてホロリ。ただただ嬉しい。

JO1とJAMの関係性

 印象的なシーンの部分でも書きましたけど、この映画はJO1のみんながJAMのことを大切に思っているというのがヒシヒシと伝わってくる映画でした。なぜここまでJAMのことを愛してくれるのか、という部分については、結成直後にコロナ禍に突入し顔を合わせる機会がなかったこと、そしてライブそのものもOTDまで殆ど開催できなかったこと、という特殊な状況の中でも、SNSやヨントン、はたまたCD売上や各種JAM主体の生誕系企画など、そんな状況下でも何かを届けたいという気持ちが双方向にあったからこそこの関係性が今あると思っています。結成から約2年も会えずにいるのにずっと信じて待っているJAMの愛の強さを感じていました。

 そうした、JAMというファンダムについて考えてみると源流である韓国アイドルグループのファンダムと近い要素があるというか、SNSハッシュタグ系や再生回数系の企画への参入・盛り上げ度合い、各種スポンサーおよびコラボ商品の購買行動、ファン企画のエクストリームさといった諸要素を内包しているここまで強固なファンダムは日本の市場には出現していなかったように感じています。もちろん昔から存在するジャニーズだったりAKB系列だったりのファン層およびファンの人数は幅広いし数も多いと思うんですけど、群としての意識というかまとまりの質がこれまでとは比にならないくらい高いイメージです。下記の記事のように「肥大化するファンダム」の危険性的な面は今の所顕在していないと思いますし、そのあたりはプデュで「自分たちが選んだ」という意識を持っているファンダムだと思うので大丈夫だとは思っているものの、JAMがどうあるべきか的なところは今後も色々ファンダム内で自然発生的に生まれてくるのかなと思います。

 ともあれ、JO1にJAMは不可欠で、JAMにJO1は不可欠で、相互に「なくてはならない存在」として認識していることが、このドキュメンタリー映画では全編を通して語られていたように思います。私はこの現象およびファンダムとの関係性含めて、これからも興味深く追っていきたいなと思っています。

主題歌『飛べるから』

 いやーーーーー映画の最後にこれは泣いちゃうほんと。MVと歌詞が全てなんですけど、推しメンこと與那城奨さんの歌声は深くて優しくて温かいし、その後に続く鶴房くんの歌声の素晴しさ!!!!!!!!!!!!「一人きりじゃ鳴らせない音が僕を明日へ導いてた」って歌うんすよ…。そこの部分はこちらの方の動画とほぼ同じ様なリアクションしてました。

 全編渡って素晴らしいし今さら色々書くのも野暮なレベルの名曲なので繰り返し噛み締めたいと思います。

おわりに

 3月末頃の記憶を引っ張り出しながらなんとかOTDのアマプラ公開に合わせて(?)公開することができました。この映画を観た色んな界隈のオタクがその後Twitterのスペースで感想戦しているのを聴いたり自分も話してたりしてたんですけど、それぞれに刺さるポイントは違えどもこの映画を観たことでその人をJAMにするくらいの威力があるんだなというのは実感していました。またそのスペースを経て私も最近ようやくFCに入ったりとかも。話してて結構JO1の事好きだなと確信したので。
 最近はANNXが始まったり今後は『KIZUNA』発売が控えていたりと様々な活動が続いていく・拡大していくJO1ですが、引き続きウォッチしていきたいと思います。いつか與那城さんとヨントンしたい。

余談

・上述の日向坂46のドキュメンタリー映画「3年目のデビュー」はぜひJAMの方々にも観てほしい。佐々木久美さんが與那城奨さんなので。(アマプラにあります!)

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B08T6W6NW9/ref=atv_dp_share_cu_r

・11人揃わなかったOTD、、、22人揃わなかった東京ドーム、、、、、
・水曜のANNXにJO1が来たことで水曜日はJO1ANNX→乃木坂46ANN→佐久間宣行ANN0を全て聴く形になった。縦軸の絡みも今後発生するのかな、楽しみ。初回で豆ちゃんが「このあとは乃木坂46のオールナイトニッポン」と発声していたことにクロスオーバーを感じて高まっていたオタク
・乃木坂5期生のスター誕生コンテンツを見るべくSmashに課金したらJO1ANNXのアフタートーク動画もあったので僥倖。
・KIZUNAの情報解禁超ワクワクしてる
・未だにショート・プログラムの拓実くん回の味がする、甘酸っぱい

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