大田 実/(株)丁研

北海道小樽市でレターパックで送られてくる刃物研ぎ通販や、刃物とぎ講習の仕事をしています。 趣味はテニス・SUP・スキー・ギター・読書・旅行と楽しいことが大好きです。 NOTEでは刃物研ぎをやる方に刃物研ぎ歴35年のノウハウをお伝えし、お役に立てればと思います。

大田 実/(株)丁研

北海道小樽市でレターパックで送られてくる刃物研ぎ通販や、刃物とぎ講習の仕事をしています。 趣味はテニス・SUP・スキー・ギター・読書・旅行と楽しいことが大好きです。 NOTEでは刃物研ぎをやる方に刃物研ぎ歴35年のノウハウをお伝えし、お役に立てればと思います。

最近の記事

動かなくなった花鋏直し方

先日、レターパックで届いた依頼品は花鋏でした。中には一枚のメモが同封されており、そこには次のように書かれていました。「YouTubeを見てダメもとで送ってみました。使っていなかった花鋏が再び使えるようになれば嬉しいです。よろしくお願いします。」 研ぎ屋にとっては、固まった花鋏の修理は日常茶飯事と言えるかもしれません。どういうわけか、使おうと思ったときに鋏が動かなくなっていることがあります。サビやヤニが原因で、鋏が固まってしまうことがあるのです。このような体験をされたことが

    • 欠けた包丁直せます。

      研ぎ屋にとって欠けた包丁を研ぐことは、そんなに多くはありません。 一般的に考えると、包丁が欠けてしまった場合、もう直らないから買い替えようと思う人が多いと感じます。そもそも、研ぎ屋さんがいるという事など考える人が少ないと思うのです。 冷凍食品を切ろうとして、刃が欠けてしまった、魚の骨を切ろうとして無理な力が入り欠けてしまったということはありうることです。 大切な人からもらった包丁などは、刃が欠けても直せるということを知っていてほしいという思いでこの記事を書いています。

      • HBCラジオ カーナビラジオ午後一番にちょっとだけ出た。

        HBCラジオの「カーナビラジオ午後一番!」には、「おとなび」というコーナーがあります。このコーナーでは、毎日リスナーに投票してもらい、その結果からベスト5を決定します。今日のお題は「職人といえば何?」で、毎日仕事をしながら番組を聴いている中、自分が取り上げられるなんて思ってもみませんでした。しかし、驚いたことに、包丁研ぎ職人が第5位に選ばれました。その発表を聞いたときは、なんだかソワソワしてきて、パーソナリティのYASUさんが丁研の名前を呼んでくれたときは、とても嬉しかったで

        • 洋鋏の研ぎ方

          洋鋏と一言で言いましたが、ここでの「洋鋏」は文房具として使われる種類の鋏を指します。しかし、洋鋏や和鋏などは単純に二種類に分けられるものではなく、鋏の種類は多岐にわたります。鋏研ぎを依頼してくる方の多くは、自分が使っている鋏のことを単純に「鋏」と思っており、他の種類の鋏についてはあまり知識がありません。また、間違った名前で覚えている方も多くいます。例えば、剪定鋏のことを花鋏と言ったり、刈込鋏のことを剪定鋏と言ったりします。 洋鋏を研ぐ前に、鋏の刃をクリーニングし、汚れやテー

          一円玉の使い道

          キャッシュレス化の進展に伴い、大量の一円玉が手元にあり、その使い道に頭を悩ませていました。そこで、郵便局に持ち込むと手数料無料で災害募金に寄付できることを知り、金額は少なかったですが、少しでも社会に貢献できればとの思いで行動しました。郵便局のスタッフは親切に対応し、送金先の案内もしてくれ、手続きは簡単に完了しました。 With the advancement of cashless transactions, I found myself with a surplus of

          包丁や鋏の曲がり直し

          研ぎ屋さんの道具のひとつに、曲がり直しに使う棒を紹介します。包丁の曲がりの原因は、主に熱です。例えば柳刃包丁などの和包丁のつくりは、柔らかい地金と、硬い鋼の合わせた構造になってますので、気温が下がる、または、上がると金属の収縮度が違うので引っ張る力が働いて曲がります。特に柳刃包丁は細くて長いため、曲がりやすい包丁です。 また、洋包丁では、割込包丁という包丁は鋼の外側にステンレスの地金があり三層構造になっており、切る時にこじったりすると簡単に曲がってしまいます。 裁ち鋏などは、

          包丁や鋏の曲がり直し

          研ぎ屋で起業ノウハウ

          私は22年間勤めていた刃物専門店を辞めて、2008年に刃物研ぎ講師で起業しました。講師業だけでは成り立たなかったため、出張刃物研ぎ屋として活動し始めました。YouTubeなどを見ていると刃物を研ぐことが大好きな人がたくさん研ぎ方を載せてくれていますので、参考にして自分なりの「研ぎ」を見つけて始めることができるいい時代になりました。私は機械研ぎで全てやっていますが、荒研ぎだけ機械とか、仕上げ研ぎだけ機械を使うとか自分なりのやり方で始めてみてはいかがでしょうか。もちろん砥石だけで

          ¥500

          研ぎ屋で起業ノウハウ

          ¥500

          出刃包丁などの和包丁の柄の交換

          和包丁の柄の交換をするときというのは主にヒビが入って割れてきたというのが一番多いのではないでしょうか。ではなぜヒビが入って来たかを説明します。柄の中にささっている部分が錆てその錆が膨らんできて柄に圧力がかかってヒビが入るということです。中には錆がボロボロと落ちてきているような場合は細くなってしまって直すことができない場合もあります。 修理を依頼された場合はその辺を見極めることも重要になってきます。柄を外してしまってから修理不可能の場合もありますから、依頼主にあらかじめ説明して

          出刃包丁などの和包丁の柄の交換

          研ぎ桶の作り方

          包丁を研ぐ際に、研ぎ桶を使用すると便利です。研ぎ桶は研ぐ作業だけでなく、保管にも役立ちます。ホームセンターや他の店で販売されているプラスチック製の箱、バケット、またはコンテナを利用して簡単に作ることができます。 必要なものは、バケット、アルミアングル、木の板、細い木の棒、そしてネジです。特に、ドリルが刃先に付いたネジ、通称「テクスネジ」や「ドリルネジ」と呼ばれるタイプのネジを利用すると便利です。 アルミアングルをバケットにネジで固定し、その上に板を載せます。砥石がずれない

          砥石選びとそれぞれの役割

          砥石は包丁研ぎなどで不可欠な道具ですが、種類は荒砥石、中砥石、仕上げ砥石の3つに分かれます。それぞれが異なる役割と使い方を持つため、しっかりとその違いを理解しておくことが重要です。 荒砥石は初めに使用し、刃こぼれやガタ付きを取り除きます。中砥石は荒砥石でついた傷を取り、表面を滑らかに整えます。最後に仕上げ砥石を使用して、切れ味を更に向上させると同時に、刃先を滑らかに仕上げます。 このように、砥石は包丁の切れ味を保つために欠かせないツールであり、正しい使い方を身につけることが重

          砥石選びとそれぞれの役割