受験と資格とときどき私~工業高校から豊橋技術科学大学へ進学しちゃった編~

この記事は裏TUT Advent Calendar 2023 3日目の記事です。
昨日の記事では、今の人生を楽しむ強さを知ることができました。


1.はじめに

みなさま~(清廉潔白)
豊橋技術科学大学 工学部 学部3年
情報・知能工学課程(3系) 所属、ドカ食い気絶部も所属の
セバスチャン(https://twitter.com/chouette__tut)です。

見に来ていただき、ありがとうございます。

この記事では、工業高校からの推薦入試の話と資格の話について書いていこうと思います。

・工業高校から大学受験を考えている方
・資格について知りたい、資格勉強を頑張りたい方
・セバスチャンがどんな人か知りたい方

これらの人にとって有用な記事になっています。
この記事はkondy様の記事と重複しているところもありますが、
ぜひ、最後までご覧ください。

まず、私はアクティブに活動している方ではないので、知らない方のために自己紹介します。

2.自己紹介

私、セバスチャンはとある田舎の工業高校に通っておりました。
進路先に悩んでいた時、進路課の先生から聞き技科大を知りました。
「新幹線が通ってるから都会に行きやすい、いいじゃん、
                 好きなアーティストのライブに行き放題やんけ」
と技科大に進学しようと思いました。(それだけじゃないよ((゚Д゚;)))

そんなふうに考えていた時期が俺にもありました。
結果、一度も行けてません(´;ω;`) まず、チケットが当たらない…

技科大では、世にも珍しい工業高校推薦の1年次入学ですね。
みなさん、仲良くしてください

3.受験について

国公立大学の推薦入試を受けるためには、専願で受験する必要があります。つまり、他の国公立大学を重複して推薦できず、不合格が確定しないと次の受験はできません。また、合格したら辞退することはできません。覚えておきましょう。

3.1 募集人数

令和6年度 第一年次入学者選抜に関する要項
https://www.tut.ac.jp/exam/entrance/docs/R6yoko_b1.pdf

令和6年度 第一年次入学者選抜に関する要項

私が受験した令和3年度の募集人数と変わっています。以前は、各課程3名ずつの募集でしたが(しかし、情報・知能工学課程で受かったのは4名)、令和6年度では建築・都市システム学課程以外の課程は募集人数が増加しています。年によって募集人数が変わる可能性があるので、確認しましょう。

3.2 入試方法

面接が1番配点が高いため、面接を対策するべきです。(面接対策は後述)

また、2番目に配点が高いのは推薦書・調査書なので、学校生活での素行を良くすることやテストの良い点数を取ることで評定を上げましょう。
もし、大学に少しでも行きたい気持ちがあるなら早い段階で評定を気にすることをお勧めします。そして、早めに進路課の先生に相談しましょう。

3.3 入試の内容

素養調査(数学)
数学の試験は数学Ⅰのみの範囲でそこまで難しい問題は出ません。解く速さ正確さが大事です。受験者はこの試験ではかなり高得点を取ってくると予想されるので、ここであまり点数を落としたくありません。見直しはしっかりしましょう。難易度的には白チャートの問題をすぐ解けるようになっていれば大丈夫でしょう。

素養調査(英語)
英語は語句、文法問題が出題されます。特別対策する必要はなく、英単語帳や英文法の参考書を解いていたら大丈夫です。また、英検やTOEICの勉強をしているとそのままの状態でも入試の問題を解くことが出来ます。

私がよく使っていた参考書と単語帳を載せておきます。
Next Stageは、英文法を一通り学んだあとに確認の問題として使うのが良いと思います。

小論文
小論文は、国語の先生に添削をお願いするようにしましょう。
過去問や先生が設定したテーマで小論文を実際の入試時間の60分間で何回も書いてみて、小論文の構成や時間制限に慣れておきましょう。
加えて、ニュースを見て時事問題に触れておくと、賛成・反対の意見やその知識を小出しにすることで書きやすくなります。

ちなみに私が受験した小論文は、
国際的に活躍する技術者となるためには、どのような能力が必要とされるであろうか。あなたの考えを述べなさい。
という問題でした。
私は、まったく書くことが思いつかずに時間を浪費したのですが、最低文字数まで足りないとかなり減点されると思い、長々と私が国際的に活躍したい思いを書き連ねました。
本番は思いつかなくても頑張って、最低文字数を超えるように用紙を文字で埋めましょう。

4.面接対策

面接は一番配点が高いため、最も時間をかけてしっかり対策した方が良いでしょう。
私は、高校3年生の4月から過去に推薦入試の面接で聞かれた計100問の質問の回答を文字に起こしつつそれを添削したり覚えたりし、7月から本格的に面接練習を始めました。最初は担任の先生と進路課の先生に何十回も面接練習をお願いし、指摘されたところを訂正し想定外の質問に慣れていきました。その後は別の先生にもお願いし、感想をいただき最終確認していました。
いろんな先生方と面接練習をすると、様々な質問に対応できるようになります。なるべく、多くの先生と練習を行いましょう。

よく先生方から指摘されたことは、

・緊張で早口になるから、ゆっくり過ぎるぐらいゆっくり話す
・結論から話し、なるべく簡潔に述べる
・志願理由、なぜこの大学に進学したいかの質問の回答が弱い

特に志願理由では他大学でもできることを理由に挙げても、熱意が伝わりません。大学のカリキュラムや大学で行っている研究などについて調べておき、自分がしたいこと・学びたいことはこの大学でしかできないんだということを伝えましょう。

当日、面接は1時間のお昼休憩後、住居が遠い人から始まります。
私は徳島県住みで1番最初でした。
面接官は3人おり、それぞれの質問に答えていく感じです。
まず、志望動機を聞かれます。その後は、提出した面接票に書いてある内容について深堀されるような質問を聞かれました。
志望動機や面接票にある内容を語れるようにしときましょう。

最後に口頭試問があり、私が受験した時は微分の問題が出ました。
私は口頭試問があると知らなかったため、とても戸惑いました。
問題用紙を渡され、背後にあるホワイトボードに問題を解いていきました。
問題は4問あり、関数を微分して極大値と極小値を求め、その関数のグラフを書くような問題でした。
私はちゃんと答えられたのは2問だけでした。焦って計算ミスをしてしまい、グラフを書いている時に止まってしまいました。最後まで自力で解けなくても面接官の方がどうやって解くのかを聞いてくれたため、実際に解けなくても解法を説明できるようであれば大丈夫だと思います。

素養調査では数学Ⅰのみでしたが、数学Ⅱの問題も対策するべきでしょう。

5.資格

私が高校時代に取得した資格・検定は以下の12つです。

 取得した月 資格名 (点数)
高校1年生
・8月 第二種電気工事士 (7) 
・11月 計算技術検定3級 (2)
・1月 第一種電気工事士 (20)
・2月 数検準2級 (2)
・3月 乙種第4類危険物取扱者 (4)
高校2年生
・7月 情報技術検定2級 (4)
・8月 ITパスポート (12)
・12月 第二級デジタル通信(DD第三種)(7)
・2月 数検2級 (4)
・3月 英検準2級 (7)
高校3年生
・7月 情報技術検定1級 (12)
・3月 基本情報技術者試験 (20)

私は、大学進学のためにジュニアマイスターゴールドの称号とその特別賞を目指し、これらの資格を取りました。正直、全然使わない資格ばっかりなのと取りやすい資格をたくさん取った感じです。

ジュニアマイスターとは、取得した資格や競技会の成績などに点数をつけ、その合計点により全国工業高等学校長協会が表彰する制度です。

ジュニアマイスターゴールドは45点以上なので、ここまで取る必要はありません。しかし、特別表彰はSまたはAランクの資格を1つ以上取得し、上位8つの資格の合計得点が60点以上であれば表彰を受けることができるため、難しい資格を取得する必要がありました。また、校内で1人しか表彰できないと言われたため、校内で最も高い点数を取る必要がありました。

ジュニアマイスターゴールドを取得していると好印象になります。
高校生の内に技術的な勉強を頑張っていたんだと思われます。
しかし、金色の紙が貰えるだけです。割に合わないかもしれません。

実は英検2級を二回受験したものの二回とも不合格になっています。私のように英語が苦手であっても入試には合格することはできています。

5.1 資格の詳細

第二種電気工事士
一般住宅の屋内の配線や照明の工事、コンセントの設置や交換、エアコン設置工事など600V以下で受電する設備の電気工事が出来ます。
私が使っていた参考書は以下の本で、こちらは図や写真で分かりやすく試験でよく出る部分をまとめてくれています。この本とネットにある過去問だけで筆記試験は合格できます。試験は過去問と同様の問題が出題されるため、参考書を一通り読み、ちゃんと覚えているかを過去問を解いて確認する流れで勉強していれば大丈夫です。

当時使っていた工具たち

実技試験は、候補問題は全13問ありその中から出題されます。
私が使用していた参考書は以下の本で、
指定工具や候補問題など実技試験に必要な内容が記載されており、
結線の仕方も写真を用いて細かく説明してくれています。
まず初めに、複線図の書き方を覚えましょう。実技試験では、問題の配線図から複線図を書き、それを見て施工していく感じになります。施工で欠陥が一つでもあると失格です。練習から欠陥を意識することが大事になります。また、施工条件と異なっていても欠陥となるため、施工条件をしっかり確認しよう。
それらを踏まえた上で候補問題を2~3周施工を行い、時間配分や施工の流れを覚えましょう。

(※受験する年に合った参考書を選びましょう。)

第一種電気工事士
第二種電気工事士でできることにさらにビルや工場・病院など大規模施設の電気工事と高圧の送配電線路における電気工事にも関与できます。しかし、通算3年以上の実務経験がないと免状は取得できません。
基本的に第二種電気工事士と同じで、試験は過去問と同様の問題が出題されるため、参考書を読み、過去問を解いて勉強していれば筆記試験は大丈夫です。

実技試験は、候補問題は全10問ありその中から出題されます。
気を付ける点は第二種電気工事士と同様です。

第一種では第二種の作業範囲に加えて扱える作業範囲が増えるため、難易度が上がります。第二種の試験範囲も含まれるため、第二種と第一種の両方を挑戦したい場合は、あまり間を空けずに受験する方が良いでしょう。

(※受験する年に合った参考書を選びましょう。)

乙種第4類危険物取扱者
「引火性液体」が取り扱える資格です。ガソリンや軽油、重油、灯油などの身近な石油類が含まれます。そのため、ガソリンスタンドで働くと時給が上がることもあります。
試験は3つの科目で60%以上の正解率を得ないと合格できないため、満遍なく勉強する必要があります。
私が使っていた参考書は、以下の別称「赤本」と呼ばれるものです。
こちらは株式会社 向学院ホームページからの注文でのみ購入可能です。
説明がしっかりとあり、練習問題も豊富で人気な書籍です。
この参考書+過去問をしっかり解いていれば、合格することが出来ます。

基礎から最新問題までよくわかる 乙4類危険物取扱者 受験教科書

計算技術検定3級
工業高校の在校生または許可が出た者が受けることが出来る資格です。
紙に書かれた数式を関数電卓で打ち込んで、計算結果を求める問題です。
電卓の使用法しか知識は要りません。あとは、打ち込む速さと正確さがあれば受かります。
この試験の問題集は学校側から注文してくれます。

情報技術検定2級
工業高校の在校生または許可が出た者が受けることが出来る資格です。
プログラミング言語をJISFullBASICとC言語からお好きな方が選べますが、1級ではC言語のみなので、C言語を選ぶことをお勧めします。
試験内容は、数の表現と演算、論理回路、ハードウェアの知識、ソフトウェアの基礎、アルゴリズム、プログラム作成能力という感じです。
私が使っていた参考書は年度が違いますが以下の本で、
工業高校なら学校側から注文していただけると思います。

情報技術検定1級 
工業高校の在校生または許可が出た者が受けることが出来る資格です。
「基本情報技術者試験」の受験希望者を対象としています。
試験は試験I・IIのそれぞれ100点で合計200満点となっており、I・II共に70点以上が合格基準です。ITパスポートより難しく、基本情報技術者より易しい難易度となっています。

試験Ⅰはハードウェア関連の問題で、二級の応用知識+アセンブリ言語の知識が必要になります。試験Ⅱのプログラミング関連の問題では、アルゴリズムとC言語の問題がかなり難しくなります。
この試験で190点以上取ると特別表彰されます。その時、ジュニアマイスターの得点は20点貰えます。基本情報技術者試験と同じ点数なのでお得です。

私が使っていた参考書は年度が違いますが以下の本で、
工業高校なら学校側から注文していただけると思います。

ITパスポート
ITに関する基礎的な知識を理解していることを証明できます。
IT系の国家試験では入門レベルにあたります。
出題範囲が広く情報処理にあまり関係がない、経営学用語や企業会計の簿記の分野まで問われます。それなのに、3分野のそれぞれ一定以上の点数が必要です。
過去問をまとめた過去問道場というサイトがあり、解説もしっかりしているためそこで過去問を勉強すると良いでしょう。
しかし、試験では過去の問題も出題されるが新規の問題も出題されるため、正解以外の選択肢の用語や参考書の内容も勉強しておくべきでしょう。
以下の参考書は、最新の傾向を分析し出題頻度の高い分野を重点的にまとめおり、練習問題もあるため、お勧めします。

基本情報技術者試験 
情報処理技術に関する基本的な知識・技能を有していることを証明します。
ITパスポートよりレベルがあがった試験が基本情報技術者試験で、科目A(旧午前)と科目B(旧午後)試験に分けられます。科目B試験がかなり難しいです。
私が受験した頃と科目B試験が変更になっています
科目AはITパスポートと同様に四肢択一式で、科目Bでは多肢選択式になります。科目Bは一問5分で問題の意図や意味を読み取り、応用の知識が問われるため、科目Aの問題を問題なく理解できるほどの知識量が必要です。
こちらもITパスポートと同様に過去問道場があります。科目Aに関しては、ITパスポートと同様の勉強法で大丈夫です。科目Bに関しては、サンプル問題と過去問を解き、出題の傾向を知ることが大事です。また、問題を理解できる知識量が必要です。科目Aの対策がしっかりできている上で、科目Bに取り組みましょう。

第二級デジタル通信(DD第三種)
最高速度が1ギガまでのインターネット回線のデジタル伝送路設備に端末設備等を接続するための工事ができます。
この試験は電気回路や伝送理論などの基礎知識、接続や工事の技術理論、電気通信の法律知識が出題範囲となります。
過去問から多く出題されるため、過去問をしっかり解けるレベルであれば受かることが出来ます。
私が使っていた参考書は以下の本なのですが、年版が古いです。
最新の過去問とその解説が載った本がお勧めします。

数検準2級
当時通っていた塾で受けました。
高校一年生までの内容の問題が出されます。1次試験は、教科書レベルの問題が15問出題されます。全問正解したいところです。二次試験は、10問ありますが、そこまで難易度は変わりません。一度、過去問を解いてみてもいいかもしれません。

数検2級
当時通っていた塾で受けました。
高校2年生までの内容の問題が出されます。準2級と同様に1次試験は、教科書レベルの問題が15問出題されます。二次試験は、2題と選択5題から3題の計5題を出題されます。少し応用問題になってくるため、過去問を解いてみることをお勧めします。

6. 伝えたいこと

調査書や面接での内容を濃くするために課外活動にも力を入れてほしいと思います。
私は、先生に勧められてマイコンカーラリー競技に参加し、その大会で入賞したため、面接で話すことができました。
その他には、Unity合宿やハッカソン、大学のAI講座、川の清掃のボランティアに参加しました。大学側は高校でどのような活動してきたかを知りたいため面接で言えることを増やすことは重要で、またそれらの活動は自分の自信にも繋がると思っています。
それらの活動から私は将来したいことを見つけることができました。

もし落ちてしまった後や受かった入学後についても考える必要があります。もし落ちた後の進路も考えておきましょう。
私は、推薦入試に落ちた後は共通テストを受け一般入試で受けるために、
普通科の同様の勉強をしてきました。
いろんな場合を考え、準備しておくことが後悔しないコツです。

合格後は、特に数学Ⅲを勉強した方が良いでしょう。授業では、数学Ⅲの内容を当たり前のように使ってきます。また、すぐTOEICを受けると思いますので、550点以上取っていれば単位取得できます。勉強しましょう。
大学では移動に困ります。できれば、入学前に免許を取っておきたいです。

7. おわりに

工業高校から進学を選ぶのは凄いと思います。私の学校では1割程度しか進学希望がおらず、勉強に適した環境ではありませんでした。周りが就職先が決まる中で大変かもしれませんが、頑張ってほしいと思います。

大学では工業高校よりも勉強をしてきた頭がいい人がたくさんいます。
受験後も勉強の歩みをゆるみ過ぎず行ってほしいと思います。
止まるんじゃねーぞ…
大学生は楽しいこともあるから、精一杯楽しみましょう。

最後までご覧いただきありがとうございました。
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明日は、ぱすぱすさんの「ある日、利き手失う」です! お楽しみに。


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