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息子はセンター試験を3回受けた。

今日、明日は共通テスト。
全国の受験生の皆さん。
どうか体調崩さず平常心で、今までやってきたことを信じて頑張って!!


私の中ではこの日はセンター試験という名前がしっくりくる。
息子の話をしよう。


息子は、小さい頃は天真爛漫な明るい子だった。
そして、勉強がよくできた。
小学校の時から、学校から出された夏休みのドリルでは足りないから、他のドリルも買ってやっていたくらい。
勉強が好きだった。


小学5年の時いじめに遭って不登校になった。
その頃中学受験の進学塾に通っていたがそれも辞めた。
勉強は嫌いになった。
笑わなくなった。
話さなくなった。
天真爛漫さもなくなった。
7ヶ月休んで復帰した。
ただ卒業後、中学校は学区の違うところへ通った。


その中学で入学して初めての定期テストで500点満点を叩き出した。
その中学でも開学以来初めてのことらしい。
おかげで、他の学区から入学したにも関わらず、色々な方に声をかけていただくきっかけになった。
いじめにも遭わなかった。


中学校もたまに休んだりはしたけど、不登校にはならなかった。
その頃息子の行動から、アスペルガー(と今は言わないらしいが)っぽいところが感じられて、心理テストを受けたらグレーゾーンとのこと。


生きづらかったのはそのせいだったのか。
可哀想なことをした。
親の私もそれがわかってかなり楽になった。
小さい頃から難しいところがあり、こちらもイライラして結構な勢いで怒ったりしてしまっていたから。


地域で1番の公立高校なら、おそらくいろんなところからいろんな人がやってくるし、話が合う人もいるに違いないと思い、そこを目指し塾に通い一生懸命勉強し、合格した。


一年生の間は、小さな頃の息子が戻ってきたように快活になった。
これで安心と思った。
喜んでいたのも束の間、二年生に上がる頃に部活の部長になったことで、また学校に行けなくなった。

息子は小学校の時も児童会の会長とか、修学旅行の実行委員とか班長とかやりたいタイプだった。
高校での部活も先輩から指名されて嬉しかったのだろう。
張り切って引き受けたが、うまく行かなかった。


少し発達障害のある息子は、できることとできないことの差が激しい。
小学校の児童会会長は務まっても、高校の大所帯の部活の部長は荷が重すぎた。


部員から仕事ができないと突き上げられて、学校へ行けなくなった。
しばらくは行ったり行かなかったりしていた。
その頃の担任は若い男性の先生だった。
息子に親身になって寄り添ってくれ、なんと、単位が取れるために最低限出なくてはいけない日数を計算し、表を作ってくださった。


そして、その時に言ってくれた一言がいまだに忘れられない。

「〇〇くんは、あと何回休めます!


普通なら、あと何回来ないと単位取れませんよ、という話し方になるところを、息子の立場から言ってくださった。
感謝しかなかった。


とにかく息子の負担を少なくしようと、各教科の先生に掛け合ってくださり、できるだけレポート課題に変更したり、どうしてもテストを受けなくてはいけない教科は別室で誰もいない部屋で受けられるようにしたりと骨を折って下さった。


だが、3年に進級した時に完全に不登校となった。
このままでは通信制の高校への転学になってしまうギリギリの時期に、息子は高校へ行き出した。
だが、メンタルは最悪だった。
勉強はほぼしなくなっていた。
勉強できるようなメンタルではなかった。
2年の時は通っていた予備校も辞めていた。


そして、そんな状態のままセンター試験を受けた。
第一志望と思っていた国立大学には届かないが、地域の他の大学の2次試験を受けられる位には点数を取ってきた。
その頃の我が家の財政状況だと国立大学を目指してもらうしかなかった。


だが、第一志望しか考えてなかったので、他の大学では試験科目が合わず断念。
結局どこの2次試験も受けずに初めての大学受験が終わった。


高校も大変だったし大学へ行くのも大変だとは思うが、何にも属さない、属していないという状態は、息子をかなり苦しめた。
メンタルはどんどん悪くなり、中学の時から通っていた地元の心療内科の他に、東京のカウンセリングに通うことにした。


結局そこには2年間通ったが、私も毎回付き添い、カウンセラーの先生の助言を聞き、かなり助けられた。
カウンセリングの日は、息子と外でランチをし(息子の好きなラーメン屋さんが多かったが)
お店を開拓したりするのが楽しみでもあった。
大きくなった息子と定期的に外へ出かけることも、私にはご褒美みたいなものだった。


家にいる間は、苦しむ息子と向き合うことがとても辛い時間だったので、束の間の休息でもあった。


そして一浪の2回目のセンター試験の日。
なぜかすぐに帰ってきてしまった。
入室が遅れ、もう試験が受けられないと言われたとのこと。
もともとこの年はちょっと受けてみようかな、くらいの気持ちだったので、仕方ない。


そして、二浪目。
カウンセリングに通っていたある日、
「僕、大学に行こうと思う」と息子が言い出した。
行きたい大学があるという。
国立ではなくて私立だが、ニ部(夜間)なので学費がかなり安かった。


その頃少し進学にかけられるお金ができ、私立のニ部なら十分払える。
見学に行ったら、自宅からも電車でそんなに遠くなく、校舎も綺麗、職員さんも親切で素晴らしかった。
いいところ見つけたね。


そして3回目のセンター試験入試で、その大学を受けた。
国立大学を受けるためではなく、私立のセンター利用だ。
そして合格した。


進学には色々な形がある。
本人も親御さんも、志望のしているところがあるとは思いますが、どうか志望校に受かりますように。


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