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真夏のアンダルシアでバスケットをすることになり死にかけた話

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祥子はある思いを抱えて、真夏のアンダルシアに旅行に行きます。ところがそこは、想像を絶する暑さで……。読むだけで熱中症になる、救済の物語です。
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【最終回】真夏のアンダルシアに行ったら46度の炎天下でバスケをやるはめになり死にか…

ホテルに帰ってからのことはあまり思い出せない。思い出したくない。 表面も中身も丁寧に時間…

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真夏のアンダルシアに行ったら46度の炎天下でバスケをやるはめになり死にかけた話〈8…

ティムが横からアドバイスをくれる。 「リングに入る瞬間のことは考えなくていいんだ。そうす…

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真夏のアンダルシアに行ったら46度の炎天下でバスケをやるはめになり死にかけた話〈7…

痛い。痛みで意識が戻る。 見ると右手の人差し指の爪がはがれかけている。かばって放ったシュ…

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私は正直その日、浮かれていた。 なしくずしのように同棲していた部屋を引き払い、いよいよ結…

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真夏のアンダルシアに行ったら46度の炎天下でバスケをやるはめになり死にかけた話〈5…

暑い。死にそうに暑い。 酷暑のアンダルシアで、気温40℃超えの炎天下で、なぜかバスケット…

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真夏のアンダルシアに行ったら46度の炎天下でバスケをやるはめになり死にかけた話〈4…

西日の差し込むリビング。窓を開けてベランダへ出てみる。20階だての11階のマンションは、…

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真夏のアンダルシアに行ったら46度の炎天下でバスケをやるはめになり死にかけた話〈3〉|茉野いおた

光。光と熱。 白。光。光。熱。熱風。熱。 エントランス前の小さな通りに勢いよく出た瞬間、あまりの暑さと日差しにすぐに後悔する。 熱。白。白い壁。白い道。 反射。反射。熱。光。 後頭部がずんと重くなり立ちすくんでしまうが、もう引くに引けない。ニューバランスのスニーカーを石畳へ下ろす。 コルドバには昨晩着いた。 マドリッドから電車を5時間ほど乗り継ぎ、お目当てのホテルのお目当ての部屋にチェックインしたのは10時過ぎだったろうか。 夜の暑さは恐れたほどではなく、マド

真夏のアンダルシアに行ったら46度の炎天下でバスケをやるはめになり死にかけた話〈2…

部屋が暗いことも、気が滅入る要因のひとつかもしれない。 窓の外についている日よけ扉は閉め…

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真夏のアンダルシアに行ったら46度の炎天下でバスケをやるはめになり死にかけた話〈1…

ベッドからサイドボードに手を伸ばし、汗ばんだ指でスマホを開く。 世界地図の「東京」と書か…

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