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狭く深く

人の数だけ考えがある ときく

まだ20代前半の私にとって今まで関わりを持った人の数なんてたかが知れてるんだけど
付き合いの長さ=仲の良さ
じゃないことはなんとなくわかってきた気がする

〈小学生の頃〉
感動で涙が出ることなんてなかった
いや、泣くとこを見られたくなかったのかも
好きだった先生が異動になっても
仲の良かった友達が引っ越しても
卒業式も悲しくなんかない。泣いている人を冷静に見つめるような、可愛げのない子どもだったと思う
5.6年生になった頃、気になる人ができた
好きな人だなんて言うのは恥ずかしかった

〈中学生の頃〉
家族とリビングでドラマを見ていたら泣きそうになって隠した
漫画を読んで感動して泣いた。見られるのは恥ずかしかったから隠れて読んだ。
小学生の頃から気になっていた人と付き合った
でもなんかそれがこそばゆくて、一緒に帰る誘いやデートを断ってしまった
今思えばなんだそれ、って感じだけどその頃の私にとっては大好きな人と付き合うという響きで気持ちがいっぱいいっぱいだったんだ
結局すぐに振られちゃった

この頃から何かに感動して泣くことが増えて、小学生の頃はケロッとしていたのに、卒業式で大泣きした

〈高校生〉
苗字で呼び合っていた中学生の頃とは異なり、下の名前で呼び合う男女の距離感に「これが高校生」とソワっとした
部活の友達、クラスの友達、バイト先の人たち
そして彼氏ができた
急に自分の人付き合いの輪が広がって、大事にしたいと思う人たちが増えた

〈短大〉
コロナ禍真っ只中の学校生活
思い返すと悔しいほど思い出がない

〈社会人〉
今までの人付き合いの中で、得意不得意は多少あってもそれとなく上手く関わってきたつもり。
誰かに嫌悪感を向けられることがあまりなかった私にとって初めて「何かはわからないけどこの人は私の何かが好きになれないんだ」と感じる。どう足掻いても受け入れてもらえない。嫌われていることを実感したのが社会人1年目
尊敬できる先輩に出会い、こうはなりたくないと思う先輩もできた

ここまで出会ってきた人たち、家族や友人、恋人を含めて私は狭く深く大切に関わってきたつもり

それでも年齢を重ねると同時に私と同じように周りの人たちにもいろんなことがあったんだろう。昔仲良かった頃とズレを感じるようになった。
きっと相手にもそう思われてるけどね

・時間にルーズになっていたり
・彼氏はいらないからセフレが気楽でいいとキスマークを見せてくるようになったり
・お店にご飯を食べに行った時に「もうお腹いっぱい」だと残すようになったのは正直悲しかった

昔に比べてプラスの面はたくさんあるはずなのに減点ばかりしてしまう自分の尺度も嫌だけど、どうしても気になってしまう

年々友達が減っている気がするのは、週に2日しかない休みをなにに、に使うかを考えるようになったのもあるだろう
なぜだか全ての主導権を自分が持っていると思い込んで私が意図して距離を置いたと思っているが、そんな私の姿をみて「変わっちゃったんだな」と思っている友達もいるかもしれないし、もしかしたら向こうも私と会いたいとまで思わないなんて思っていることもあるだろう

狭く深く大事にしてきたつもりだけど相手に期待せず広く浅く付き合うのも大切なのかもと思いはじめた自分は大人になってしまったのかもしれない
それでも、家族と恋人、一握りの友人
私の事を大事にしてくれる人達のことはぎゅっと離さず大事にしていきたい

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