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3月新マガジン 9ライカM3のファインダーの構造は素晴らしい。しかし50ミリのフレームの角がぐにゃりとマルク切り取られているのが変である。90ミリと135ミリのブライトフレームは現実に張り付いたようなクリアである。

スナップ写真の天才アンリカルティエブレッソンは人生の後半の彼のポートレートを見るといつもライカのM3を手にしている。さらにもっと後の彼のポートレートになるとライカエム6を手にしている。戦前のブレッソンのポートレートを見ると当然のことながらシンプルなクラシックライカを手にしているのである。私が思うにブレッソンの決定的瞬間と言うのは彼の行動の世界の軸と時間軸が一瞬で交差したところを撮影するのであるから、あまり構図とかそういうことに神経は払っていなかったのではないかと私は考えているのである。だからブレッソンの場合ファインダーはそんなに正確でなくても傑作を撮影することができたと言うそういう天才の領域に生存していた写真家と言うことができる。

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