もう一度カメラの話をしないか? その8. アンリカルティエブレッソンのブラックテープが貼られたライカM3それと彼が人生の最後に使ったペンタックスのコンパクトカメラ。
ブレッソンはスナップ写真の天才である。高校生の頃に朝日新聞社が発行した安いほうのブレッソンの写真集を手に入れて非常にびっくりした。そのブレッソンのスナップショットのテクニックにびっくりしたのではなくて、そこに写っている戦前の本物のヨーロッパにびっくりしたのである。私は実際にはパリに行かないでオーストリーのwinに7年と半年ほどいたのであるが、最初のヨーロッパのカルチャーショックというのは実にブレッソンによって私にもたらされた。言い換えればブレッソンはいきなり私の後頭部を手にしたライカで殴りつけたわけだ。言い換えれば私はブレッソンにドンキのようなもので殴られたわけである。
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?