私とBlenderの1週間〜Blender初心者がパーティー帽を作る〜
12月某日、私はPC上に異形を作り続けていました。
Blenderがやりたい
こんにちは。ちょっと株式会社デザイナーのモです。
12月に入ってあっという間に半ばを過ぎましたね。この忙しい師走、私もクリスマスの準備やM-1三連単予想、冬休みへと想いを馳せているところです。ああ忙しい。でも、私にはやり残したことがあるのでした。
そう、Blenderです。
そもそも皆様はBlenderをご存知でしょうか。
なんのこっちゃ分かりませんがとにかくこちら3DCGができちゃうフリーソフトです。
3Dが扱えるようになったらかっこいいですよね。仕事中にさ、デザインに使う素材とかこれで自分で作っちゃってさ、それで「エッ❗️ここに差し込んであるイラスト、素晴らしいですね〜❗️ナニッ❓モさんが作ったんですか❗️❓」とかなっちゃってさ、すごいチヤホヤされるかもしれない。最高、最高…。
というわけでこの記事はよこしまな考えのCG素人がBlenderを触ったらどうなるかの検証記録です。ちなみに私はY軸・X軸・Z軸の認識も曖昧です。
(初心者なりのtipsを知りたい方は各項目の小見出しに飛んでもらえればと思います)
1日目:百鬼夜行
まずは手始めに作りたいものをイラストで描いてみようということで、こんな感じのものを用意しました。
さて、それではこやつらを作っていきますかねと開いたらこれ。
とにかくヒントがない状態の画面と立方体が表示されているのみ。
何か書いてあると思い右のツール(と思わしきエリア)を見てみても馴染みのない言葉が並ぶだけでさっぱり分からず。
それでも私はめげませんでした。PhotoshopだってIllustratorだって似たようなもんです。分からないけど触ってみたらどうにかなってきたじゃない。
………。
そしてしばらく経って出来上がったものが冒頭のアレです。
異形パーティーとしては上出来かもしれませんが、こういうことを望んでいるんじゃないんだよ私は。
早々に苦痛を感じ始め、そっと画面を閉じました。
2日目:気付きを得た初心者
一晩経ち、もしかして事前知識ナシにこれを扱うのは無理なのではないか?とふと気付きました。睡眠をとって一旦リセットすることはいかに大切かがよく分かります。
そして手始めにチェックしたのがYoutube。Blender初心者向けの動画が次から次へと出てくるので感謝で画面が滲みます。
そしてこちら。
名の付けようもない物体を量産していた昨日とは比べ物にならない飛躍ぶりです。しかし、ここまでやって気付いたことがありました。
Blenderはテンキーとマウスがあること前提で語られているのです。
私はというと全ての作業をMacBookとペンタブレットとトラックパッドで完結させている身でして、次々と繰り出される「テンキー1を押します」「マウスの中ボタンを押します」などの解説に「😅💦💦💦💦」と困惑するばかりでした。
しかしこの広大なインターネットです。調べれば割となるようになりましたので忘れないようここに書いておきます。
備忘録_数字キーをテンキー化
備忘録_ペンタブをマウスと同条件化
3日目:カッパは無理
カッパを作ることは無理です。たっぷり9時間睡眠をとって気付きました。
と言うのも、今の私にはオブジェクトを積んだり並べたりでしか物体を作ることができないのです。
胴体なんかはザッと調べたところ脳が本能で拒否するレベルの多工程を踏まねばならないことが発覚したため、「パーティー帽を被り笑顔で踊るカッパと雪だるま」から「パーティー帽と雪だるま」にテーマを変更。
もはやどんな状況か分かりませんが、これならギリ今の段階でもいけそうなのでこれで進めることにしました。最初から用意されているオブジェクトだけでできらぁ!
9時間寝ると初心者でもある程度作業の見当がつけられるようになるので睡眠はおすすめです。
4日目:作業時間<検索時間
パーティー帽は円錐、雪だるまは球2段重ねとパーツは円柱を使えば…?などと小一時間ゴソゴソして作ったものがこちら。
イラスト通りとまではいかないけれど、おおむね要点は満たしているのかもしれない気になってきました。まああのイラスト自体があんな感じなのでこっちの方が良いまである。精神の安寧を保ちたいが故にものすごい勢いでハードルが下がっていっています。
さてここまでやったものの、パーティー帽に欠かせないあのピロピロの作り方が全く分からずまた黙々と検索。
もはや何を調べているのか分かりませんが、なんときしめんでヒット。ベジエ曲線+図形の押し出しを使うことでやりたいことはできるようでした。
じゃあついでに雪だるまの鼻にニンジン付けちゃおっかな〜などと欲が湧きこれも検索。
てっきり円錐から作るのかと思っていましたが球体から作るらしく、というかどの要素も基本球体から作るのが割とポピュラーのようです。ヘ〜ッ。
ところで初心者ならではなのかもしれませんが、まあとにかく画面内迷子が多発します。
今自分は雪だるまの顔を見ていたつもりが突如虚空に放り出されていた…。みたいなことが5分に1回は起こる。視点切り替えを理解しないまま感覚で操作しているからなのですが。
こちらも戻し方を忘れないよう書いておきます。
備忘録_画面迷子になったら
5日目:忘れるなcommand+S
無事パーツが揃い、ウキウキの色付けです。
こんなんもう好きに塗るだけなので完成間近も間近ですなと私は浮かれていたのです。
色と影がつくと途端に完成度が上がります。
それに加え質感なんかも思いのまま。ほうこれは面白いですねとメガネをクイクイさせながら訳も分からずあれこれ付け足していく私にはフォーンと鳴り始めるファンの音が聞こえていませんでした。
えっ…?
Blender落ちちゃった。
慌てて再起動をかけるもファイルを開き直すもそこにあるのはツルツル色なしオブジェクト。しかもよりによって雪だるまを一旦消去した状態で最終保存をかけていたようで、画面にはパーティー帽とスザンヌのみの世界の終わり状態。
この時完全に戦意喪失していたので調べる気も起きなかったのですが、Blenderには自動保存機能がデフォルトでONになっておりまして、2分間隔でまめに保存をかけてくれているようでした。復元方法は以下の通り。
備忘録_自動保存機能のON/OFF
備忘録_データ復元方法
ほんとこの時ちょっとでも調べれば良かった。
Blenderくんは元々ユーザーを気にかけてくれていたんだ…(なら再起動した時にイラレみたいに復元の提案してくれと思ったけどそれは望み過ぎなのか…)。
ていうかもう寝よう。
6日目:モ、怒りの巻き返し
1日経ってもやるせなさは変わらず、もうこの記事を”ちょっと株式会社に入って数ヶ月経った感想”とかそういう内容にしちゃおうかなとか3度ほど思ったのですが怒りに身を任せ巻き返しを図ります。
そもそも落ちた原因というのがレンダリングエンジンをフォトリアル寄りのCyclessというモードにしていたからなのでした。
高精細の出力になるけどその分負荷がすごいでっせといった感じ。
でも他の軽量型エンジンよりも出力の質感がかなり好みの感じなので、よっぽどの時だけこのエンジンを使うことで処理落ちを回避することにしました。
7日目:そして完成へ
紆余曲折を経て完成したのがこちら。
作ったオブジェクトが微妙でもライトの当て方でそこそこに見えるかもしれないです。あとやっぱこの独特のなめらかさ面白いですね。現実味はないけど重みはきちんとありそうな感じと言うか…。
全くの何も分からない状態の人間でも数日で一応何かしら出来上がる検証結果となりましたので、皆様もこの冬休みぜひBlenderで遊んでみてはいかがでしょうか。ほなね〜。