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楽元機械連合企業所

楽元ラグウォン機械連合企業所は重機等を生産する代表的な工場。かつては小規模な農業機械工場だったが、戦後間もない1945年9月1日には農機具を生産する新義州シニジュ機械製作所となり、1947年1月1日に楽元機械製作所に改称。1954年5月5日(1952年とも言われる)に楽元機械工場と改め、朝鮮戦争後にはクレーンや掘削機の生産を開始。1958年に最初の千里馬号チョンリマホショベルを生産した。1963年に長白号チャンベクホマイニングショベル、1980年にリープヘル製ショベルがベースと見られる楽元油圧ショベルの生産を開始した。

1985年4月30日に現在の楽元機械連合企業所に改称。同年10月には苦労の末完成した大型酸素分離器が千里馬製鋼連合企業所で組立と操業が開始された。また、当時の灌漑改善の動きに向けて、1989年に楽元1号という水量器も開発。金日成から労力英雄称号が授与され、1990年初頭までに多数の水量器を短期間で数千台生産して各地に供給した。1990年代の苦難の行軍の影響で生産は縮小したようだが、現在は立て直し引き続き操業が行われている。

工場はCNC旋盤を導入する等近代化が進んでおり、大型機械を生産する工場である為か重要視されているようで、過去に度々金正日が現地指導のため訪問している。所在地は中朝国境に接する平安北道ピョンアンブクトの新義州市内で、すぐ傍にある駅のほぼ真正面に位置する。中朝国境から10kmも離れておらず非常に近い。

製品の海外輸出もされており、RFAの報道によれば2014年1月に楽元のショベルが1台インドネシアに輸出されたという。これは発注された2台のうちの1台で、残りも完成次第すぐ引き渡されるとしている。また、この輸出が成功した場合フォークリフトの輸出も可能だろうとのこと。1台あたり5万ドルという安さで他国製に差をつけていると見られるが、現在も輸出が行われているかは不明。

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楽元機械連合企業所の衛星画像。座標は40°02’31”N 124°25’53”E (©Google Earth)
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工場の外観 (KCTV)
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工場内部 (KCTV、arirangmeari)
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楽元ホイールローダー (KCTV)

・主な製品

千里馬号ショベル

楽元 油圧ショベル

楽元/楽元-2500ホイールローダー

楽元-16クレーン車

長白号マイニングショベル

万景号マンギョンホブルドーザー

その他酸素分離器、ブラストホールドリル、揚水機等

・コンセプトのみ

バックホウ付きホイールローダー(二種類)、楽元2012、万里号マンリホ (楽元製と推測)

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千里馬号ショベル (わが民族同士、朝鮮の今日)
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1970年代末~1980年代初頭のものと見られるブラストホールドリル (ournationschool.com)
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2020年に公開された楽元製トラクター用油圧式除雪ブレード。トラクターはチョンリマ-28 (arirangmeari)
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2018年の太陽節祝賀国家産業美術展で展示された楽元のバックホウ付きホイールローダー。75馬力、最高速度30km/h、重量8700kgとある。翌年には下画像の同様のコンセプトのホイールローダーが公開された (KCTV)
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2017年に公開された楽元2012のイラスト (arirangmeari)
楽元-2500 (KCTV)
楽元-16クレーン車。KATOのNK160に似ているが、関連性含め詳細は一切不明 (KCTV)

参考文献、出典


http://www.arirangmeari.com/index.php?t=news&no=11913



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