北朝鮮の不審な燃費改善用品:燃油節約器
ネット上では「貼るだけで燃費が改善」等怪しいキャッチフレーズで売られているカー用品が多数存在する。効果など最初から期待出来ない詐欺的な商品ばかりだが、北朝鮮では国をあげて怪しい自動車用品を宣伝している。
それが燃油節約器 (연유절약기) と呼ばれる燃料節約装置である。具体的にいつ頃に開発されたかは不明だが、少なくとも2017年の朝鮮中央テレビ (KCTV) の報道にまで遡ることができる。
これは目測で全長15~20cmくらいの棒状の物で、燃油 (ディーゼル燃料) のタンクと高圧ポンプの間に設置される。2019年3月18日発の朝鮮中央通信 (KCNA) の記事では、これによって17~25%もの燃料節約が可能で、更に磁化処理で燃焼効率を向上させていることから経済的価値があり、ユーザーから好評を得ていると主張している[1]。運輸部門で燃油節約器は広く普及しつつあるそうだ[2]。
2020年にPyongyang Timesが報じた内容では、直径8mmと10mmの2種類があり、燃焼効率が98.4%まで向上したことが試験で実証されたという。また、将来的にはガソリンエンジン用も販売されるらしい[3]。
このような製品が貨物輸送を担うトラックで普及して運輸にかかるコストを削減できると謳われているが、実は磁化処理技術を用いた燃料節約製品自体が他国でも販売されており、ネット上で見ることができる[4]。これらを模倣したか、または独自に開発したかは不明だが、技術的に新しいか否かに関係なく宣伝内容に信憑性は皆無だろう。
出典
[1] 환경보호형제품-자화식연유절약기
[2] 북한 자동차운수부문, 연유절약기 널리 도입 효과
[3]
(元記事が削除された模様)
[4]
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