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日本語で日本語を教える。 日本語教師ってどんなお仕事??
こんにちは。皆様いかがお過ごしでしょう。
こちらハノイは台風の影響で天気が大荒れ、アパートが倒れたらどうしようと思うほど、昨日は強い風が吹いていました。
さてさて、今日は日本語教師らしく、日本語教育についての話をしたいと思います。
日本語教育のほとんどは、直接法といい
"日本語で日本語を教える方法"が使われています。
これについて話すと、よく友人に
「どうやって教えるの?」や
「じゃあレベルの高い人に教えているんだ。」
ということをよく言われますが、
言語は直接法で初級から学ぶことができます。
おそらく多くの人が不思議がるように、日本語学習者に、日本語を使って日本語を教えることは、そう簡単なことではありません。
いえ、そもそも言語を教えることは、たとえ自分の母国語でも、とても難しいことです。
これを読んでいる、皆様の多くは日本語話者でしょう。
皆さん、日本語教えられますか?
私も正直、日本語教師になる前は日本語を教えることのハードルはそんなに高くないものだと思っていました。
しかし、その言語が話せることと、教えられることは全く別物。
言語を"話すこと" "書くこと"が違うように、言語を"教えること"はまた別のスキルなのです。
ちなみに直接法の日本語教師は、基本的に学習者が習った言葉意外の言葉を教室内で発することはできません。
つまり、この章ではここまで勉強しているから、この単語は使えるが、この文型は使えない。など
教師が歩く教科書のように、内容、習った単語を把握し、使える語彙のみで授業を進めなければなりません。(私はまだできていませんが…汗)
この語彙コントロール、鬼大変です。
私が日本語教師養成学校で学んでいる時も、ほとんど全てのセリフを教案に書き、この章は、この語彙は使えるのかなど毎度確認していました。
そして、模擬授業後は必ず、養成学校の先生から
私が授業で使用した未習語彙(まだ使ってはいけない語彙)を全て指摘していただいていました。
初級になればなるほど、使える語彙が少ないので絵カードであったり、ジェスチャーであったり、色々な道具や表現力で授業を工夫する必要があります。
日本語教師の養成学校では420時間をかけて、これらのスキルを学びます。
難しくも聞こえますが、これがなかなか面白いのです。
養成学校では、それぞれがそれぞれの道具を使い授業を行い、フィードバックをもらいます。
まるで、お笑い小劇場にいるかのように
養成学校の模擬授業の時間は笑いで溢れていました。
寸劇チックな授業を行う人もいれば、手作りの紙芝居や絵カードを使って、学習者を楽しませる授業を行うひともいます。
また、中級以上になれば、
「きれい」と「美しい」
「〜てもらいました。」と「〜くれました。」などの違いを説明する授業もあります。
日本人としても考えたことがなかった、言葉の小さいけれど大切な違いに気づくことができ、言語の奥深さを感じることができました。
日本語教師という仕事は少し哲学者に近いなと感じることがあります。
言語は私達の脳内を整理するための道具です。
私達がどのように、その言葉を選び、気持ちをどのように処理しているかのメカニズムをより明確にし、感覚としてではなく論理的に分解し理解し伝えていく仕事です。
日本語教育を学んでから、初めて気がついた日本人の感覚や日本語のもつ雰囲気はとても興味深いものでした。
言語は芸術であり哲学でもあると私は思います。