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銚子の先端・外川 ~崎山治郎右衛門が作った港と街~
銚子電鉄の終着駅,外川(とかわ)。
1923(大正12)年から使われ続けている木造の駅舎は,とても風情があります。
駅から先に進んでゆくと,さらに風情ある景色が現れます。
狭い路地が碁盤の目のように行き交い,石畳の急な下り坂の向こうに港が見える漁師町です。
水揚量日本一を誇る銚子の漁業は,現在では利根川河口の銚子漁港が中心ですが,じつはそれよりも先にここ外川で江戸時代初期に港が開かれ
銚子の温泉 ~犬吠埼温泉郷~
いろんな方に私が銚子の魅力を話すと,「えっ? 銚子の犬吠埼に温泉があるの?」と,特に温泉の話題に驚いて興味を示す方が多くいらっしゃいます。
そうなんです。
銚子の犬吠埼には,温泉が湧いているんです。
犬吠埼温泉郷は,太平洋と灯台を一望できる露天風呂で心身が解放されるだけでなく,約1万年前の古海水を起源とした「化石海水型」温泉に美肌効果(保湿効果)があることも実証されています。
どうり
アマガミの聖地・銚子の巡礼
アニメの舞台の土地を訪れる聖地巡礼。
銚子も「アマガミ」の聖地として,広く知られるようになりました。
アマガミは,もとは2009(平成21)年に発売されたPlayStation2の恋愛ゲームです。
それが,2010(平成22)年と2012(平成24)年の二度にわたって,テレビアニメ化されました(アマガミSS,アマガミSS+ plus)。
アマガミスト(=アマガミファン)の皆さんが,聖
竹久夢二「宵待草」と海鹿島
まてど暮せど来ぬひとを
宵待草のやるせなさ
こよひは月も出ぬさうな
大正ロマンの叙情画家・竹久夢二の宵待草(よいまちぐさ)。
この詩にメロディがつけられた歌は,大正時代の誰もが知る有名な曲でした。
そして,この宵待草の舞台が銚子の海鹿島(あしかじま)だったのが明らかになったのは,夢二の死後のことでした。
山下アレンジ版もぜひお聴き下さい。
宵待草という名前は,マツヨイ
「犬吠の太郎」と高村光太郎
銚子の先端の町,長崎の墓地に,名のない墓があります。
高村光太郎の詩「犬吠の太郎」の,主人公(本名:阿部清助)の墓です。
犬吠の太郎は,旧会津藩士の家に生まれましたが,知的障害をもっていたため,成長後は曲芸団の旗持ちやビラ配りなどをしていました。
そして,曲芸団の人たちと共に来銚(銚子に来ること)し,彼だけがそのまま定住しました。
彼は曲芸団のメンバーのお染に恋心を抱いていましたが,
高崎藩の領地だった銚子~庄川杢左衛門の物語~
銚子の高台の道の脇,気付かずそのまま通り過ぎてしまいそうな場所に,ある頌徳碑がひっそりと建っています。
一見お墓のように見えますが,石碑です。
これは,高崎藩の代官・庄川杢左衛門(しょうかわもくざえもん)の遺徳を後世に残すために,1823(文政6)年に高神村の名主と村民たちが建てたものです。
杢左衛門は,天明の大飢饉(1782〜88年)の際,独断で高崎藩の米倉を開放し米を配給して多く