背骨とトレーニング能力の上達の話

それは調整の仕事を始める2〜3年前、2009年ごろでしょうか。
当時はまだ時間的に余裕があったので、深夜、仲間で集まってトレーニングをしておりました。

だいたい集まるのが午前0時前後。
私が作っておいた晩ごはんを食べ、お茶を飲み、そこからトレーニングが始まります。

そのころ研究していた課題はたくさんありましたが、最も重要なもののひとつは「背骨」の開発でした。

今でこそ高岡先生が『背骨が通れば、パフォーマンスが上がる!』という本を出版され(非常に面白いので、まだの方は是非読みましょう)、講座でも様々なトレーニングを指導されていますが、当時はそこまでの情報や指導がありませんでした。

なのでとりあえず、「背骨を一本一本ゆるめて使えるようにしよう!」という話になり、深夜の背骨トレーニングが始まることになったのです。

というわけなのですが、仕事のあと、しかも食後、そして深夜。
当然、トレーニングに向けてのやる気なんて出ません。

しかし、二人以上揃ったらやると決めていたので、どんよりとした気分のまま「さあ、やるかあ〜」という感じで、私がリードしつつ、トレーニングを始めます。

内容はシンプル。
仰向けに寝て、脊椎をひとつひとつ、モゾ系のゆるでゆるめていくだけです。


「はい、脊椎の○番〜、モゾモゾ、モゾモゾ、モゾモゾ…」と。


しかしこれがつらい。

ゆるを進めていくうちに、脳疲労が進んできます。モゾモゾと口ではいうものの、狙ったところにフォーカスできなくなったり、脊椎の何番をやっているかわからなくなったり、息が苦しくなるような感じでつらくなったり、一瞬寝落ちしたり。

始めのころは背骨全部をやるのに40分以上かかり、終わったときにはみんな疲労困憊。

ゆるトレーニングをしている皆さんならおわかりでしょうが、そもそも背骨をはっきりとらえるのが難しく、一本一本どうなっているのか実感としてつかめていません。
そこで、触ったり叩いたりいろいろな方法を駆使しながら、ここが腰椎の○番かな、違うかな、ここの椎間板はどういう角度かな、脊椎の湾曲具合はどうかな、とかやりながら進んでいくわけです。

そんな感じで進めていっても、最後まで行ったら2個ぶんくらいズレてたり。

そりゃ脳疲労もしますよね。

始めはそんな感じで悪戦苦闘していましたが、そのうちにどんどん背骨の形がくっきりとわかるようになり、操作性も高くなって、今では同じような内容のトレーニングが5分くらいでできるようになりました。

もちろん、早く短くできればいいという話ではありませんし、焦ってやるのは逆効果ですが、トレーニング能力というものは、適切に行えばどんどんと上がっていくものだなあ、と思いましたね。

こういった地味〜なトレーニングを行える時間があったことは、のちの上達に非常に役に立っています。

まあ当時は、自分たちでやると決めておきながら、「なんでこんなことしてんだろう…」とたまに思ったりしたものですが…(笑)。


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