木上竜二

ゆる体操、ゆるトレーニングをやる人を対象としたnoteです。達人調整やゆるトレーニングに関連したことを書いています。 本人は運動科学総合研究所認定の達人調整師でして、「身体調整室」にて施術を行っています。 https://lit.link/choseishitsu

木上竜二

ゆる体操、ゆるトレーニングをやる人を対象としたnoteです。達人調整やゆるトレーニングに関連したことを書いています。 本人は運動科学総合研究所認定の達人調整師でして、「身体調整室」にて施術を行っています。 https://lit.link/choseishitsu

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調整を受けるメリットは何か、お客様の感想から

身体調整室の木上です。 初回のnoteは「調整を受けるメリット」について、お客様から頂いた感想をもとに紹介していきたいと思います。 2010年。 私はそのころ、達人調整で開業しようと準備をしていました。不動産屋をあたって事務所を探したり、開業の手続きを調べたり。 開業にあたり、達人調整の創始者であり、私の武術やトレーニングの師範でもある高岡英夫先生にご報告と相談をしたところ、「運動科学総合研究所で個人施術をやらないか」と誘われ、運動総研での仕事が始まり、あれよあれよと言

    • 珈琲の神様 1

      「今の時代は本物がわかる人がいない」 東京の下町、入谷にあった珈琲店「入谷キャラバン」のマスター、諸岡實さんはときおりこう言って世を嘆いていました。 「珈琲の神様」こと諸岡實さんが亡くなって約10年。 マスターは間違いなく自分の人生に大きな影響を与えた一人であり、ときには暖かく、ときには叱咤激励しつつ、いろいろなことを教えてくれた人生の師の一人でした。 そのマスターについてネットで調べてもあまり出てこないので、追悼の意を込めつつ、何回かにわけて書いていきたいと思います。

      • 昔の人はすごかった、という話の身近なやつ

        高岡先生の著書には「江戸時代の人間はすごかった」「(先生の)小さい頃は達人クラスの身体能力の人たちがいた」とか書かれていて、「ふーん、なるほどそうだったのかあ」と読んだ当初は思っていましたが、トレーニングが進んで少しは人の身体を観る能力がついてきたころに、明治初期くらいの写真を見ると、確かにとんでもないレベルだなあと納得したものです。 その明治時代に生まれたのが自分の祖父です。 祖父は1900年、明治33年の生まれでしたが、本人いわく出生届を出すのが3年ほど遅れて戸籍では

        • やる気が出ない問題をどうするか

          調整を受けていてよくある相談事に、「トレーニングのやる気が出なくて困っています。どうしたらやる気が出るのでしょうか?」というものがありました(今はあんまりないですが)。 自分も20代後半から体調不良や脳疲労などで、この問題にぶち当たっていました。 「もっと上達したいのに、トレーニングに取り組むやる気が出てこない」 「時間はあるのについついダラダラと時間をすごしてしまう」 とかですね。 今考えると、一つの原因は脳疲労、もう一つは身体の疲労。当時はまだゆる体操がなかったの

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        調整を受けるメリットは何か、お客様の感想から

          後来習態にしがみつく

          十年くらい前でしょうか、あるとき高岡先生が「後来習態」という話をされまして、その内容は「生まれてから後天的に身につけた身体のクセ」というようなことだったと思います。それを取り去って行くことが必要なんだ、と。 長らく「後来習態」という言葉は高岡先生の造語だと思っていたんですが、先日気になってGoogle先生に聞いてみたところ、直新陰流剣術の言葉とのことでした。 Google先生すごい。 「後来習態の容形を除き、本来精妙の恒体に復す」(男谷精一郎) 生まれ落ちてから身につい

          後来習態にしがみつく

          ゆする、ゆれない、ゆるまない

          高岡先生が「ゆる体操」を発表する以前は、「ゆる」といえば今でいう「基礎ゆる」でした。 基礎ゆるとは皆さんご存知の通り、身体をパーツことにゆすり、ゆるめる揺動緩解法です。 自分が基礎ゆるを初めて習ったときに、骨をゆるめる「ほゆる」という方法に驚いたのをよく覚えています。 「筋肉をゆるめる、というのならわかるけれども、骨をゆるめるってどういうこと? そもそも骨ってゆるむものなの? 筋肉なら力が抜けるけど、骨の力が抜けるわけではないしな…?」というような感じで疑問だらけでしたが

          ゆする、ゆれない、ゆるまない

          「部屋が汚いとトレーニングしなくなる」?

          いつだったか高岡先生が、 「部屋が汚いとトレーニングしなくなる」 というような話をされたことがありました。それはどういうことなんだろう?と思ったんですが、その話はすぐに流れてしまったので、詳しいことはわからずじまいでした。 それがどういうことかわかったのは、何年もあとのことです。 2010年前後でしょうか、ようやく脳疲労の解消というものがトレーニングにとって重要なファクターだとわかってきたころ、トレーニング仲間で集まる機会があるときは調整などでできるだけ脳疲労をとるよ

          「部屋が汚いとトレーニングしなくなる」?

          苦手な運動がある、ということ

          長年、ゆるトレーニングをやっていて気になっていることの一つに、人によって苦手な動きがあるなあ、というものがあります。 わかりやすい例でいうと、クネクネ、モゾモゾ、クルクル、プラプラ、といった擬態語のある運動がそうでしょうか。 苦手な運動があるなんてそんなの当たり前じゃないか、と言われればそうなんですが、今回はちょっとそのへんを考えてみましょう。 例えば回転系の動きです。 ざっくり言ってゆる体操には、踵クルクルや手首から前腕、肩関節などの軸周りの回転運動、または、肩ユッタリ

          苦手な運動がある、ということ

          久しぶりに達人調整を受ける機会がありまして

          この年末年始、達人調整を受ける機会がありました。人に本格的に調整してもらうのは、もう何年ぶりかわかりません。今回はその感想です。 調整を受けて改めて感じたのは、脳疲労に関しては調整で解消してもらうほうが、圧倒的に楽で早いということです。 すでに脳疲労でトレーニング能力やモチベーションが低下しているのに、自分でそれらを解消していく、というのはたいへんな作業ですし、それに楽しさを見出すのはなかなか難しい。特に高度なトレーニングをしたあとは、より精度の高い疲労解消をしないといけな

          久しぶりに達人調整を受ける機会がありまして

          私と武術の話

          今回は今年最後の投稿ということで、「私と武術」について少し書いていきます。 私は小さいころから運動能力がそんなに高くない子どもでした。特に持久走など有酸素運動は苦手で遅く、中高のときに入っていた吹奏楽部での体力づくりのランニングでも、女子よりも遅いくらい。 ハンドボール投げなどの投擲や、懸垂などの腕をつかう種目も弱く、運動能力テストの成績は散々なものでした。 持久力はないもの球技などは人並みでしたので、特にサッカーと水泳は小中学生時代に好んでやっていました。 そんな感じ

          私と武術の話

          脳疲労と調整について

          「脳疲労」という言葉を最近よく目にするようになってきました。以前はそんなに脳の疲労については話題になっていませんでしたが、最近はよく雑誌や本で見かけるようになりましたね。時代が進んだものです。 ゆるトレーニングでは、今のように脳疲労が一般的に言われるようになる以前から、脳疲労の解消について体系的に用意されていました。 脳疲労は、老化を含む長期的なものと、年単位まで含む短期・中期的なものが考えられますが、今回は短期または中期的なものについて書いていきます。 脳の疲労は、デ

          脳疲労と調整について

          調整を受ける頻度と、トレーニングの関係

          はじめての調整を受けたお客様から頂く質問に、こういうものがあります。 「達人調整を、また来週にでも受けたいくらいなんですけど、どれくらいの間隔、頻度で受けたほうがいいんですか?」 これに対しての私の答えは、 ・健康目的の方、ほどほどトレーニングしたい方は一ヶ月に一回程度 ・トレーニングがメインで、とにかく上達したい方は、月1〜2回、ただし疲労でトレーニングが進まないときはなるべく調整を受けたほうがよい ・試合や舞台、仕事の山場などの、ハイパフォーマンスを発揮するイベ

          調整を受ける頻度と、トレーニングの関係

          動物に学ぶ

          調整やトレーニングについて直球の話ばかりしてるのもなんなので、今回は少し毛色の違うネタを。 私は大学生のころ、本当に武術、武道、格闘技が好きで、自分で武道・武術の稽古をするのはもちろんのこと、まだまだ少なかった武術関連の本を探して読んでは情報収集したり、手に入れたビデオを食い入るように見たりしたものです。 そのおかげで、当時は日本の古流武術(明治以前の伝統流派)がほとんど頭に入っていました。しかしながら、使わない知識は忘れるもので、今ではすっかり記憶から抜け落ちていますが

          動物に学ぶ

          ゆるトレーニングにおける「気持ちよさ」と調整の話

          ゆる体操をやっている人にはおなじみの、「気持ちよく、気持ちよく」という言葉。 特に、手のひらで手腕や身体をさする、「さすり」の動作では必ず言いますよね。 この「気持ちよく」という要素は、ゆるトレーニングをする上で、実にありがたく、重要なものです。この言葉のおかげで、楽しく、気持ちよく、快適に、どんどんとゆるんでいくことができるわけです。 その気持ちよさに乗ってゆるんでいける人がいる一方で、いまいちピンとこない、という人もいます。 そもそもトレーニング愛好者、特につらいト

          ゆるトレーニングにおける「気持ちよさ」と調整の話

          背骨とトレーニング能力の上達の話

          それは調整の仕事を始める2〜3年前、2009年ごろでしょうか。 当時はまだ時間的に余裕があったので、深夜、仲間で集まってトレーニングをしておりました。 だいたい集まるのが午前0時前後。 私が作っておいた晩ごはんを食べ、お茶を飲み、そこからトレーニングが始まります。 そのころ研究していた課題はたくさんありましたが、最も重要なもののひとつは「背骨」の開発でした。 今でこそ高岡先生が『背骨が通れば、パフォーマンスが上がる!』という本を出版され(非常に面白いので、まだの方は是非

          背骨とトレーニング能力の上達の話

          調整と手のお話

          達人調整について、という話は一旦置いておいて、今回は手の話です。 ゆる体操を習い始めると、「手で身体をさする」という体操がたくさん出てきます。 この、「手でさする」という技術はいまや、自分をゆるませるのに必須不可欠の手法であると同時に、達人調整の入口にもなっています。 現代社会では、科学技術の進歩とともに身体接触という文化が急速に失われつつあります。「さする」という体操は、その豊かな身体接触の世界を取り戻す体操でもあるわけです。 私は大学から武道や武術の稽古をはじめたわ

          調整と手のお話