クオリティを維持しながら執筆効率2倍。社内報運営の効率化を実現した3つの取り組み
こんにちは。株式会社ベーシックにて広報を担当しているちょるること鈴木諒(@chorururyo)です。
2020年6月より人事から広報へ異動し、現在は全社広報と社内広報を担当しております。これに伴い社内報「b-ridge」の編集長を担当することになりました。
この社内報は元々存在していたもので、前編集長の奧田(@OKYO000)が消滅の危機に瀕したところから様々な工夫を行うことで9割の社員に読まれるまでに成長を遂げさせたものです(詳しくは以下2つのnoteをご覧ください)。
僕が編集長になった2020年6月以降も、前任の奧田が作ってくれた運営方針や型を元に社内報を運営。安定して9割の社員が読んでいる状態は継続をしていたのですが、社内報運営チーム内で問題が起こりました。それはメンバーの離脱です。社内報「b-ridge」は社内横断プロジェクトで、事業部に所属しているメンバーが兼任という形で運営に参加しているのですが、所属部署での業務が多忙になることと、社内報執筆業務の負担が大きいことが重なり、立て続けにメンバーが離れてしまいました。
会社として社内報自体は続けていく方針ではあるものの、メンバーがいなくなってしまっては運営をすることができなくなってしまいます。気合や根性でなんとかできるというものでもなく、何か手を打たなければ今後もメンバーが離脱する可能性があると危機を感じた僕は社内報運営の中でも特に属人的になっていた記事執筆の部分での改善のために「型化、仕組み化、効率化」と日々叫びながら3つの取り組みを行いました。
今回はその3つの取り組みを具体的にご紹介していきたいと思います。この記事が社内報運営に関わる方の一助になれば幸いです。
①記事作成の型化・浸透
社内報で公開している記事は新入社員紹介や全社にアンケートをとってそれをまとめる記事、インタビュー記事など、記事の作成方法や構成が似ているものがあります。
前々から一部の記事テーマに関しては型化がされていたものの、全ての記事に対して型があったわけではなく、作成方法や構成や個人に委ねられている部分がありました。それにより、記事執筆の時間がある人は30分、別のある人は2時間とバラバラになっていました。
そこで、メンバーそれぞれの記事作成方法を整理して型として浸透させること、つまり早く綺麗に書ける人の書き方を全員が再現できる状態にすることで、記事執筆が効率化されるのではと考え、取り組みました。
例としてアンケート記事の進め方の型の一部をご紹介します。
このように型は「狙い」「ステップ」「ポイント」で構成されています。型において大切なことは「これ通りに行うことで滞りなく記事が完成できること」です。ですので、型を作成して終わりではなく、実際に型を使ってみてスムーズに記事執筆ができたのかをメンバーに確認し、フィードバックを元に型のブラッシュアップを行います。
また、型を作成しても、その存在が知られておらず使われないということもあるので、型を作成したばかりの時は、型が完成したことを伝え続けることが重要です(地味ですが、これがチーム全体の効率化にじわじわ効いてきます)。
型の作成やブラッシュアップを重ね、今では6つの型が用意されています。この6つで、現在執筆している記事テーマの9割を網羅できており、効率化ができたと考えています。
②執筆チェックリストの作成・運用
ベーシックの社内報では、誰かが執筆した記事を社内報運営メンバー全員で添削を行い、公開をするというルールにしています。
この取り組み自体は記事のクオリティを保つために大事なことであると考えていたのですが、記事執筆のルールが曖昧であったこともあり、添削する側は記事の確認に、執筆者側はその修正に大きな時間がかかっていました。
これを解決するために、記事執筆ルールを明文化し、それをチェックリスト化。チェックリストを執筆者本人が確認してからメンバーの添削に回すというフローにしました。
以下はチェックリストの一部です。「社内報記事を書く時にこのチェックリスト通りにやれば戻しがほとんどない状態」を意識して作成をしているので、かなり細かい表記までチェックリスト化をしています。
これにより今までは1記事あたり2回から3回、多い時は4回の戻しがあったのですが、1回から2回で修正が完了するようになりました。
③googleフォトで写真探し
これはメンバーとランチをしている時に教えてもらって気がついたのですが、記事に使用する写真を探すのに時間と手間がかかっていることがわかりました。
というのも、これまでは記事執筆のためにインタビューをした際や業務の合間に撮影をさせてもらって、それを記事に使用していましたが、新型コロナウイルス蔓延に伴いリモートワークとなったことで、撮影が難しくなりました。
そのため過去に撮影した写真を探して使用する機会が増えてきたのですが、googleドライブに保存している写真の数がとても多く、特定の人の写真を見つけるのが難しいという状況でした。
そこで写真の格納場所をgoogleフォトへ移行。googleフォトには、人の顔を識別し、人ごとに検索をかけることができる機能があるため、それを使用して写真探しの時間短縮を行いました。
googleフォトの仕様上、顔と名前で検索をかけることができるのは、その写真をアップロードした本人と他1名のみという状態なので、今は写真が必要な人を教えてもらって、僕が検索をかけて共有するという形をとっています(より良い方法をご存知の方は教えていただきたいです)。
執筆効率が2倍に
上記3つの施策を行った結果、記事執筆から公開までにかかる時間が1/2、つまり効率が2倍になりました。指標としているUU(ユニークユーザー数)も過去と変わらず、記事の質を担保した状態で効率をあげることができました。
現在では型が活用されており、メンバーからも執筆が楽になった。スムーズに書けるようになったという声が上がってきています。
今回の経験を踏まえて「読み手と書き手双方に目を向けることの重要性」を感じました。僕が編集長になったときにはもっと社員が喜ぶ社内報を作りたい!と読み手にばかり目を向け、理想を語っていましたが、その社内報を作るのは運営メンバーである書き手です。正直、書き手を置き去りにして考えていたと今となっては思います。
読み手と書き手双方の意見を汲み取り、それを実現できるための型や仕組みを作り、効率的に運用するためにどうすればいいのかを考え抜いて実行することで、社内報はより意味のあるものへと昇華すると考えています。
これからも社員に読まれる社内報を公開しつつ、より良い社内報運営のためにも内部の型化、仕組み化、効率化を進めていきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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