薬剤師国家試験109-28解答解説
リスペリドンが高プロラクチン血症を
引き起こす機序として正しいのは、
5. 下垂体でのドパミン D2 受容体遮断です。
解説:
ドパミンは、通常、下垂体前葉の
ドパミンD2受容体に作用して
プロラクチンの分泌を抑制します。
しかし、リスペリドンは
ドパミンD2受容体拮抗薬であるため、
この作用を遮断し、プロラクチン分泌を
抑制するドパミンの効果が失われます。
結果として、プロラクチン分泌が促進され、
高プロラクチン血症が引き起こされます。
他の選択肢と作用機序
線条体でのドパミンD2受容体遮断
→ 線条体でのドパミンD2受容体遮断は、主に錐体外路症状(パーキンソニズムなど)を引き起こします。例えば、ハロペリドールなどがこの機序で運動障害を引き起こしますが、プロラクチン分泌には直接関係しません。線条体でのセロトニン5-HT2A受容体遮断
→ セロトニン5-HT2A受容体遮断は、主に抗精神病効果を示します。特に、オランザピンやクエチアピンなどの非定型抗精神病薬は、この作用により陽性症状を改善しますが、プロラクチン分泌とは関連が薄いです。前頭前野でのドパミンD2受容体遮断
→ 前頭前野でのD2受容体遮断は、主に認知機能や感情の調節に影響を与えます。例えば、クロルプロマジンなどがこの作用を持ちますが、プロラクチン分泌の制御には関与しません。下垂体でのセロトニン5-HT2A受容体遮断
→ 下垂体のセロトニン5-HT2A受容体遮断は、プロラクチン分泌にほとんど影響を与えません。セロトニン5-HT2A受容体の遮断は幻覚の抑制や精神症状の改善に関連しており、例えばリスペリドンやアリピプラゾールの一部の作用がこれに該当します。
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