薬剤師国家試験109-22解答解説
109-22
遺伝毒性発がん物質のリスク評価に
用いられる指標はどれか。1つ選べ。
1 許容一日摂取量
2 耐容一日摂取量
3 実質安全量
4 急性参照用量
5 無毒性量
許容一日摂取量(ADI)
ある物質について、人が生涯その物質を
毎日摂取し続けたとしても、
健康への悪影響がないと推定される
1日当たりの摂取量のことです。
通常、1日当たり体重1kg当たりの物質量
(mg/kg 体重/日)で表されます。
ADIは、食品添加物や農薬等、食品の
生産過程で意図的に使用されるものの
安全性指標として用いられます。
耐容一日摂取量(TDI)
環境汚染物質等の非意図的に
混入する物質について、
人が生涯にわたって毎日摂取し続けたとしても、健康への悪影響がないと推定される
1日当たりの摂取量のことです。
通常、1日当たり体重1kg当たりの物質量(mg/kg 体重/日)で表されます。TDIは、
重金属等に関する指標として用いられます。
実質安全量(VSD)
発がん性物質は低用量で投与しても
その発がんの可能性を否定することが出来ず、
最低投与量を特定することができない。
このため、動物試験から発がん確率の
10万~100万分の1の投与量を求めている。
このときの化学物質量を
実質安全量(VSD)という。
急性参照用量
人が食品や飲料水を介して、ある特定の
化学物質を摂取した場合の急性影響を
考慮するための指標です。
人の24時間またはそれより短期間の
経口摂取により健康への悪影響を
示さないと推定される
体重1kg当たりの摂取量
(mg/kg 体重)で表されます。
無毒性量(NOAEL)
ある物質について何段階かの異なる
投与量を用いて毒性試験を行ったとき、
有害な影響が観察されなかった
最大の投与量のことです。通常は、
さまざまな動物試験で得られた個々の
無毒性量の中で最も小さい値を
その物質の無毒性量とし、
1日当たり体重1㎏当たりの物質量
(mg/kg 体重/日)で表されます。
上記より正解は3番の実質安全量です。