薬剤師国家試験109-7解答解説
活性酸素種とは、簡単に言えば
通常の酸素より化学的に反応しやすい
酸素の形態を指します。
選択肢の特性をみていきましょう。
1.一重項酸素(1*O2)
酸素分子が励起している状態で、
基底状態の三重項酸素より反応性が高く
活性酸素種に分類されます。
2.三重項酸素(3*O2)
基底状態で安定している状態の
酸素の事です。
この三重項酸素以外の酸素種が
活性酸素です。
また、三重項酸素は
2つの不対電子(ビラジカル)を持つので、
常磁性を持ちます。
3.スーパーオキシド(·*O2*-)
酸素分子が1電子分の還元を
受けて、非常に反応性の高い
活性酸素種となった状態です。
また、生体内のスーパーオキシド
ジスムターゼ(SOD)によって解毒(不活化)
されます。
4.ヒドロキシラジカル(·*OH)
過酸化水素が1電子還元を受けて
-OH(ヒドロキシアニオン)と共に生成する
最も反応性の高い活性酸素種です。
脂質の過酸化反応を発生させます。
5.過酸化水素(H2O2)
過酸化物イオン(O2*2-)に
プロトン(H+)が2つ結合した化合物で、
スーパーオキシド(·*O2*-)の
1電子還元で生成されます。
解毒(不活化)には
生体内のカタラーゼが使われます。
今回の選択肢の内、三重項酸素以外は
活性酸素種なので、2番が正解です。
また、脂質の脂肪酸が過酸化物(ROOH)や
過酸化ラジカル(ROO・)に変化した
過酸化脂質も活性酸素種に含まれます。