薬剤師国家試験109-15解答解説
主要組織適合遺伝子複合体(MHC)の
クラスⅠ分子とクラスⅡ分子の両方で
抗原提示できる免疫担当細胞はどれか。1つ選べ。
1 樹状細胞
2 キラー T 細胞
3 好中球
4 巨核球
5 制御性 T 細胞
1 樹状細胞
免疫系において非常に重要な役割を
果たす細胞で、代表的な
抗原提示細胞(APC)です。
樹状細胞は、その成熟過程で、
MHCクラスⅠ分子とクラスⅡ分子の
両方を使って抗原提示をします。
これにより、CD8+ T細胞(キラーT細胞)と
CD4+ T細胞(ヘルパーT細胞)の
両方に抗原提示をすることで、
免疫応答を調整する
ことができます。
2 キラー T 細胞
主にMHCクラスⅠ分子を介して
細胞内抗原を認識します。
自らが抗原を提示する役割はありません。
3 好中球
感染した場所に迅速に移動し、
病原体を食べる(貪食作用)役割を
持つ白血球の一種ですが、
MHCクラスⅡ分子を使って
抗原を提示する能力は非常に
限られています。
4 巨核球
これも免疫応答に関わる細胞の一つですが、
主に血小板を産生する役割を持ち、
抗原提示は行いません。
5 制御性 T 細胞
免疫応答を抑制する役割を持つ
T細胞で抗原提示の主体では
ありません。
よって、1番の樹状細胞が正解です。