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ひみつ

季節は秋に入りかけた頃。さとしは白いYシャツにズボン。
はるは紺色の膝より少し上の丈のスカート、エメラルドグリーンの薄手のカットソーに白いカーディガン。
普段はジーパンにスニーカーだが、今日は滅多にはかないストッキングとかかとの低いベージュのパンプスをはいている。
はるとさとしは並んで土手の上の一本道を歩いている。50cmくらいの距離をおいて。
お互い前を向きながら、たわいもない話をしている。はるは時々下を向いて、スカートの丈を気にしている。

共通の知り合いとすれ違う。40代後半位の細身で黒ぶち眼鏡で頭はほどよく薄い。何か話しかけられたがよく覚えていない。


数分後、みかとその友達とすれ違う。
みかは色白のポニーテールで顔も小さく目も綺麗な二重。the美人。現在さとしと同じクラス。はるとは同じ中学で同じクラスだった。
みかは明らかに驚きとあまり嬉しくないような表情でいった。"二人知り合いなの?" 
さとしは答えた "行く方向がたまたま一緒なだけ" はるも続いてうなずく。
"そうなんだ。またね。"
さとしとみかがお互い少し遠慮したような素振りのためか、納得して去っていった。

さらに数分後、すれ違った2組の姿が見えなくなった。
さとしはきょろきょろあたりを見回し始めた。はるは気にせずたわいもない話をする。

あたりは草一色。既に土手を抜けて平坦な道に入っている。
辺りに誰もいないことを確認したさとしは、はるとの距離を縮め、その数秒後はるの肩を抱き寄せた。
はるは顔を赤らめながら言った "ばれちゃうよ?"
"誰もいない"とさとしは返した。

人通りがあまりないとはいえ、知り合いが通る確率は高いのに。とはるは嬉しい気持ちもありつつ、ちょっとあきれていた。

はるの予想通り、1分もしないうちに人影が見えた。すぐさまさとしははるを自分の肩の後ろに隠す。
人影ははるの元クラスメイトの女の子だった。はるはさとしの肩の後ろに顔を埋めて顔を隠した。
服装がいつもと違うためか、すれ違った男女の女子がはるであることは全くばれることなく事なきを得た。

再度さとしは腕の中にはるを寄せる。はるは恥ずかしそうにしながらも、嬉しそうにさとしの方に体を寄せる。

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