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独立して3年経って思ったこと

5000円の領収書にドキドキ

最後の会社勤めを辞めたのは2018年8月でしたが、その前1年半ほどから幾つかの仕事をかけもちしていました。個人事業としてコーチングやリーダーシップ研修のファシリテーターなどをしていました

それまでは大企業ばかりに勤務し、約30年の会社勤めの中で最も小さな企業でも社員が6万人の規模でした。自分の地位が上がるにつれて秘書がつき、様々なことがブラックボックスになっていきます。請求や支払いなど面倒なことは全部秘書がやってくれます。

一方で最初にコーチングで発行した請求書は5000円のものでした。わずか5000円ですが、何度も何度も見直しをし、メールに添付し送信ボタンを押すときに感じたドキドキしました。あのドキドキはなんだったのかといえば、自分ゴト、責任感、そして新しいことを始めるワクワク感だったのだと思います。それに対して、企業の中に居た自分はいつの間にか自分ゴトの感覚が抜け落ちて他人ゴトになっていました。

副業経験は本業にも役立つ

個人事業の請求額が5000円だったとしても、その前段では契約を結んだり、また、確定申告に向けて帳簿への記帳や事業収支の報告の準備をしたり、そこにかかる経費と最終的な利益など経営に関わる様々なプロセスを体験することになります。自分で事業を回してみることによって得られる視点があり、実はそれが本業にも大きな気づきや、自分ゴト感などのポジティブな影響を与えることを身をもって体験しました

自分で事業をすることの面白さ、働く時間の自由さの魅力が上回り、そして何よりもクライアントからもらえる「ありがとう」のインパクトが決め手となって、高給であった仕事を辞めてしまうのですから、人生とは面白いものです。

子供にどんな背中を見せるのか

ところで、数千万の給与を投げ打って辞めた理由は「クライアントからのありがとう」や「事業の面白さ」だけではありませんでした。

当時大学生と高校生だった息子たちに父親が新しいことに挑戦する姿を見せたいと考えてたのです。一般的に優秀と言われる大学に入った長男はコンサルティングファームへの内定が決まっており、私が歩んできたような道を歩みだそうとしていました。もちろんそれは祝福すべきことですが、一方で世間的に有名な会社に入り、そこで頭角を著し、職位や給与をあげるだけが人生の喜びではありません

長男が社会人としてスタートを切ったその年に、私も会社を辞めて個人事業主としてのスタートを切りました。どちらもゼロからの「よーいドン」でした

私のように年収が10分の1になっても、やりがいがあり、周囲とのつながりの充実の中で働く楽しさ、50歳を過ぎても新しいことに挑戦する姿を彼らの中に見せたいという想いがありました。これが彼らの将来にどんな影響を及ぼすのかはわかりませんが、少なくとも自立して生きるという選択肢が存在することを覚えていてくれたら嬉しいなと思っています

楽しそうに働いていると事業が伸びる

さらに、こうして楽しんで事業を営むところには良き仲間とクライアントがつき、事業も安定してくるようです。1年目は会社員時代の10分の1だった収入は翌年は4分の1になり、その次の年には半分にまで回復しました。会社員時代の年収が大きかったので、年収を超えることはないかもしれませんが、働く時間は半分になり、生きていくのに十二分な収入をいただいているのですからこれ以上稼ぐということに躍起になる必要ないのです

そう思っているところに「相談に乗ってください」とさらに話が転がり込んでくるのがなんとも不思議なものです

お読みいただきありがとうございます! チョロ!です♪ たくさんの人でなくてもいいけど、「あなた」に届いたらいいなぁと思って書いています。