時間管理に命を削ってきた自分は間違いだったのか?
オリバー・バークマン著「限りある時間の使い方」を読んで
時間を有効に使えていますか?
私は「7つの習慣」が好きで、過去15年以上も第2領域(緊急ではないが重要なこと)の時間をカウント続けて改善に努めています。
そんな自分がこの本に出会ってしまいました。
まさに「出会ってしまった」という表現がぴったりです。
今まで自分がやってきた時間管理への努力は正しかったのか、自分の脳を揺さぶられる内容でした。まだ答えは出ていませんが、まずは書籍のレビューを書いてみたいと思います。
あなたの一生で使える時間はあまりにも短い
あなたが80歳まで生きる場合ざっくりと80年×50週=4,000週間しか時間がないと言います。
ネットで調べたら日本の平均寿命から計算した私の余命は11,218日=1,602週間でした。この時間を長く感じるでしょうか?短いと感じるでしょうか?
この本が伝えているのは、人生はあまりにも時間が短いために、あなたがやりたいと思うことを全て達成するのは無理ということです。
そもそも時間をコントロールできると思うこと自体が思い上がり
「7つの習慣」で最も感銘をうけたのが【時間管理のマトリックス】です。多くの人は第1領域(緊急かつ重要)に1日の大半の時間を費やしているが、人生を効果的に生きるためにには第2領域(緊急でないが重要なこと:例えば人間関係つくりなど)を増やす必要があるというものです。
私は人生の成功はコントロールできないけど、自分の時間をどう使うかはコントロールできると信じて第2領域を増やす努力を15年以上続けて来ました。
その為に日々研鑽してきた自分には、時間が支配できない…という考え方はとても受け入られるものではありませんでした。
どれだけ多くのタスクを1日の中でこなしていくかの挑戦は全く無駄のように感じてしまいました。そんな私に、本書はこのように伝えます。
つまり、計画通りにスケジュールをこなす人生ではなく、その時々の状況を楽しむ生き方を薦めています。アイデアとしては理解出来ますが、まだ受け入れるとこもまでは達していません。
まずは2つの固定観念を壊せ
本書では問題提起するだけでなく、2つの解決策を提案してくれています。
「目標志向」からの脱出
何かの達成を目標とするのではなく、ただ活動そのものを楽しむこと。
瞑想をするのは瞑想を楽しんでいるのではなく、「いつか訪れる心穏やかな自分」を目標に瞑想している…あるいは、旅行に行くのも旅行を楽しむわけでなく、「より豊かな経験をした自分」への手段であったりする。そうじゃないだろうと本書は言います。
将来のために今を犠牲にすると言うことは必ずあると思いますが、生活の全てが将来のためであることは違和感を感じます。noteを書くのも将来何かになる為でなく、純粋に自分の考えを発信しフィードバックをもらうことが楽しい…その理由を間違えないようにしたいと感じました。
「生産性重視」からの脱出
本書では「生産性は罠」だと言きります。
生産性を上げても次から次へとタスクが降ってきて、全ての重要な計画を成し遂げることは不可能だと伝えています。結果、コントロールできないことで不安を抱えつづけることになっています。
実際にメールやスマートフォンにより仕事は圧倒的に効率的になったにも関わらず、私たちの生活は全くさらなるタスクが増えて楽になっていません。
私たちがすべきことは、全てのタスクをクリアすることは出来ないと認め、意識的にタスクを選択するとの事です。選択肢は増やしていはいけません。どうせできないのだから。そうではなく、今ある選択肢から選ぶことが大事だと感じました。
人生でもっとも大切なことは誰と時間を共有するか
時間は「ネットワーク財」だと本書は言います。それを使う人が増えれば増えるほど、その財から自分が得られる利益が増えるそうです。
これはものすごく共感です。
時間の価値はその量で決まるのではなく、大切な人と過ごせるかどうかで決まってくるのです。
そのために最も効果が高いのがコミュニティだと思っています。
会社や家庭も大切ですが、血縁や地縁が崩壊する社会で、これかれは価値観でつながるコミュニティがより重要になると思っています。
価値観の近い人と同じ時間を過ごすことにより、人は幸せを感じます。個人主義が幅を利かせる現代だからこそ、私たちは意識して「誰と大切な時間を過ごすのか」を選択していかなければならないと本書を読んで感じました。
大切な人との関係性が幸せに影響することは科学的にも証明されています。詳しくはコチラをご連絡ください。
目標をたて計画し実行する事で成果を出してきた自分が変われるかどうか自信はありませんが、本書の言葉ひとつひとつはとてもインパクトがありました。まずは「今を楽しむ」を意識してみる所から始めてみます。