チョップリン西野

チョップリン西野恭之介という者です。相方は小林幸太郎という人です。知り合いの脚本家山上ちはるさんと、交互に物語を進める、「交換小説」をマイペースに書いていくつもりです。

チョップリン西野

チョップリン西野恭之介という者です。相方は小林幸太郎という人です。知り合いの脚本家山上ちはるさんと、交互に物語を進める、「交換小説」をマイペースに書いていくつもりです。

マガジン

  • 西野山上 交換小説

    • 18本

    チョップリン西野と脚本家山上ちはる が、交換日記の様に、交換小説を書いていきます。(なるべく)交互に物語を繋げていきます。主に短編。暇な時にでも読んでみて下さい。

最近の記事

【交換小説】 #遮断 1

私は今年で46歳になる独身の男です。高校までは順調な人生でした。いま思うと親元を離れ、あの進学校の寮生活が私の人生を大きく狂わせたのかもしれません。いえ、単に私には実力以上の高校だっただけなのです。高校一年の二学期には既に勉強で遅れをとっていました。その高校から東大や阪大に行く者も数十人いましたが、私は一浪し、結果、関大でした。同級生達からしたら考えられないレベルの大学ですが、この時はまだまだ自分は頭が悪いことに気づいてもいませんでした。頭が悪いというのは勉強に限らずのことで

    • 【交換小説】 #待ち時間7

      伊藤は先程までの涙や謝罪の言葉もなく、何事もなかったようにカップラーメンの汁を啜っている。 一体なんなんだこいつは? 「冷めてるけど、うめー!」「若い時はさ、余った汁でご飯食べたもんだよなー」 こいつはなにをほざいているのか? あの時レジで滞りなくカップラーメンを買い、ホテルへ戻り、部屋で食べているならばその感想もいいだろう。しかしいまこの状況でそのカップラーメンの感想は違和感でしかなく、且つまた不気味だ。恐怖の状況を作りだした?張本人はお前だろ伊藤?お前は三分毎に記

      • +8

        桃太郎 episode0

        ¥500
        • 昭和の女 シリーズ

          紫陽花 なんて綺麗なお花かしら 梅雨時は貴方に会うためいつもと違う道を通るのよ 公園通りに咲く貴方 紫色からピンク色に変わってる 私があんまり見てるから照れちゃったのかしら なんちゃって 雨に塗れる貴方の姿が とっても素敵だから 傘はさしてあげないよ 貴方を見るのは今日で最後 私荻窪に引っ越すんだ バイバイ毎年ありがとね 雨のせいでバスが少し遅れてる バイバイしたのに… バスはまだ来ない

        マガジン

        • 西野山上 交換小説
          18本

        記事

          【交換小説】 #待ち時間 5

          「 Kill him !!」 眉毛に殺せと命じたのか?殺される?抵抗?無理な話だ。レジであの理不尽な待ち時間にすら抵抗出来ないこの俺がどうしろというのか?レジ待ち同様、このあり得ない状況を打開する努力もせず、殺されるのを待つのみ。情けない。自分の命は残り1分もないだろう。それと…出るならいまだろ!走馬灯!先走りの走馬灯め…倒れこんだ景色から見えるのはアスファルトに落ちた砂浜のサラサラとした砂のみ。 「hurry up!」 顔を上げてみると、眉毛と伊藤がなにやら揉めている

          【交換小説】 #待ち時間 5

          【交換小説】#待ち時間 3

          トランクの中から、エンジンがかかる音が聞こえ、車は走りだした。エンジン音に混ざりながらラジオからうっすらと聴こえるハワイアン。本来ホテルでカップラーメンを出汁を啜っている筈なのに。体が震えている。まさか常夏に来て寒い思いをするとは思いしなかった。日本を経つ夜、CSで放送してたレザボアドッグス。荷造りしながら観てたけど、トランクに閉じ込められた警官のシーンとほぼ同じ状況だ。真っ暗なトランクの中、胎児の様に丸まり、私は死を感じた。眉毛の繋がった男は一体私をどこへ連れて行くつもりな

          【交換小説】#待ち時間 3

          【交換小説】#行きつけ 1

          いつもマスターのお任せコースを注文している。コースの内容は串10本、お茶漬けかおにぎり、最後に抹茶のアイスで締め。コースの値段は2600円。マスターは所謂、無口な人。料理人というイメージにしっかり収まっていて、客に安心と好感を一瞬で生んでいる。油を扱うお店ではあるが、カウンターから見る厨房はピカピカでいつも綺麗だ。なによりメレンゲを活かした衣がこれまで食べてきた衣の食感とはまるで別次元で、一見さんはそこで驚く。串カツであって串カツではないのです。新世界の串カツ、二度漬け禁止と

          【交換小説】#行きつけ 1

          【交換小説】#味付け 2

          「はい、これ飲みますか?」 そこには久枝の兄の同級生で、この病院に勤めている高橋先生が立っていた。兄は二つ年上で、先生は子供の頃よく家に遊びに来ていたそうだ。母の入院初日に声を掛けられた久枝はその時すぐ誰だか思い出せなかった。 「お母さん。お悔やみ申しあげます。」 と先生も硬い椅子に腰掛けた。久枝は渡させた缶珈琲のお礼を言った。二人は黙って珈琲を飲んだ。久枝は静寂に包まれた廊下で飲み込む音が聞こえないようにゆっくりと喉へ通した。 「あいつは元気にしてますか?」 兄

          【交換小説】#味付け 2

          【交換小説】 #ボーダーの服1

          ボーダーで真っ先に思いつくのが、「勝手にしやがれ」で有名な女優ジーンセバーグ。彼女に憧れ、オシャレを自覚した日本人女性も1990年代まではちらほら居ましたが、ベリーショート姿はただただ森昌子さんになるばかり。ベリーショートはとても危険。頭の形、髪質、顔と体のバランス、全て揃わない限り危険な組み合わせ。それがボーダーとベリーショート。ジーンセバーグ混ぜるな危険です。  もう一人思いつくのが、世界の天才画家、楳図かず…いや違います。あの方もボーダーですが…そう、パブロ・ピカソ。

          【交換小説】 #ボーダーの服1

          【交換小説】#待ち時間 1

          レジに並んで既に5分経過した。カップ麺、その一点を買おうと並んだこのレジ。私の前に並んでいる人は女性たった一人。なのに、もう5分経過している。普通ならレジでお金を払い終え、ホテルに戻り部屋で湯を沸かしている筈だ。レジの女店員と、前の女客が、知り合いであることはわかる。が、少しお喋りが過ぎませんか?私は列島から遥々、海を渡りし観光客ですよ?あなたのお店も観光客無しでは成り立たないことを知っているだろう?屈辱…。小さな私はこの巨尻サモワ女二人に見えていないというのか?真珠湾攻撃の

          【交換小説】#待ち時間 1

          【交換小説】

          始めまして。チョップリン西野と言います。このマガジンの説明にもありますが、知り合いである脚本家の山上ちはるさんと、交互に物語を進めていく交換日記のような小説(なるべく)を書いてみることにしました。遊びですので、更新が滞ることもありますが、頭の片隅にこのマガジンを置いて下さい。 ルール。 ・お互いにテーマとなるお題を出し合う。 ・その中のお題で600字程度で書いてみる。 ・その中の第一話で繋げれそうな話があれば2話目を繋いでいく。 です。ざっくりとしたルールになりますが