1, 翻訳家 Michelle Herman
経済的に困った家庭に育ったわけでもなく、学歴がないわけでもない。そんな主人公を描く村上春樹が好きなレイモンドカーヴァー 。彼の描く主人公は、春樹のそれとは違い、憂鬱な雰囲気がある。それに、彼の初期の翻訳本を読んだ時、話がぶつ切りで終了して、「なにこれ?」。
意味が分からない本だな、と思ったし、なんか不気味だった。
「体感するけど、言葉も欲しいな」というのが、私の感想だった。それに、即断的、ましては、短絡的とも思える主人公の行動に唖然とした。
レイ(レイモンドカーヴァー )のバイオグラフィーによると、編集者の意向で、書いたものをガンガン削っていったらしい。なかには50%も削らねばならなかったものもあったらしい(パン屋と息子を亡くした両親の話)。
それを知り、今、手に取ったのは、この本。
20 Under 30-Best Stories by American New Young Writers (1986)
レイモンドカーヴァー の子供達。
これを読み終えたら、レイのオリジナルのビギナーを読んでみよう。
翻訳家は、これでもかっていう位、問題が起こる。他人の問題に巻き込まれる。そういえば、そうだったかもしれない。私も。。カオスだった。私の言葉に、不機嫌になる彼。女友だちは、彼の気持ちを確かめるために、私に嘘をついて欲しいと言う。「もう!イヤ!」って言いたくなっちゃう。叫びたくなっちゃう。こんな事を思い出した。
追記
ぶつ切り小説について。
何故?というプロセスがないと、怖いのだ。理解できない行動を取る主人公はただ怖い。理由が分からないだけで、ホラーになる。