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DOLLエピソード0~ジャン~「光崩闇堕」


0・はじめに

この記事を読んで頂き誠にありがとうございます。もう時期的に「DOLL」熱は冷めてると思いますが、私は冷めてません。ロスってやつでしょうか?
このストーリー、完全に語るというか小説仕立てにしてしまうと絶対集中力を下げてしまいますので、端的にプロット仕立てでお送りします。
本公演劇団めでたし「DOLL」のジャンが好きという方はより好きになれるのではないか…そんな気持ちを胸により共感を頂きたい所存です。
予めお伝えしますが、あくまで私の解釈と妄想であり公式の設定ではありません。台本を基に自分なりに考えて作ったストーリーです。

お茶のお供に軽い気持ちで読んで頂けると幸いです。それでは、どうぞ。
あ、ちなみにタイトルですが「こうほうやみだ」と読みます。これは自分なりの造語で、意味に関しては本文を読めば分かることかと思います。

1・出生そして幼少期

・母の不倫相手との間で生まれる。妊娠している間は病人の振りをして、看護婦の友人の協力を得て出産まで入院していた。
その不倫相手は妊娠と知った途端失踪したが、母はどうしてもその男が忘れられないほど大好きだった。故に、その男と血の繋がった子をどうしても産みたかった。

・ジャンはしばらく家の倉庫で、血の繋がらない父に内緒で育てられることとなる。母は常にご飯は夫の隙を見てこっそりジャンに与えていた。
しかし、ジャンが3歳のときその様子が義父にバレてしまい、今までの隠し事を忘れるを条件にジャンは義父に川へ投げ捨てられてしまう。

・流されたジャンは必死に泳ごうとし抜け出そうとするが、それも叶わずただ川へ流される。もがき疲れ溺れそうになったとき、DOLL国直属の騎士団の兵に助けられる。
助けられて以降騎士団長の下で育ち、6歳なったジャンは騎士団の見習いとして入団する。

2・新しい家族

・ジャンは生まれつきながら抜群な運動神経とセンスを持ち、訓練においては周りの兵士たちそして団長から一目置かれ、わずか12歳にして1番隊隊長を任命される。
が、戦争とか争いごとをしたくないということからそれを断る。

・隊長にならない代わりに、バリー国王直属の護衛を任命される。そこでジャンはしばらくバリーから施しを受ける。国王の娘であるマール(当時6歳)を妹のように可愛がり、ジャンにとっても心地良い居場所となった。
・この頃にはもうジャンは自分を捨てた義父への恨みはどこかへ消えていった。

・やがて、マールは新しいお友達と言いパリスを城へ迎える。このパリスもジャンと同じく拾われた子だったのだ。ジャンにとっても新しい妹が出来たと思い、マールと同じようにパリスを可愛がっていた。

・ジャンはやがてパリスに「国に守ること」の使命を教え、それが自分たちの出来る恩返しとも思い、騎士団長の下で剣術を教わる。(剣が似てる理由は、剣術の流派が同じということから)

・ジャンが15歳のある時、異国の軍団がDOLL国を攻め入り城内まで攻め込まれてしまう。ジャンとパリスは国王と姫を守るため、それに応戦する。

・戦いは無事勝利を収めたが、ジャンは人を傷つけたことに心を傷める。それから戦いから距離を置こうとバリーとパリスに別れを告げ城を離れる。
マールはジャンの失踪と守られることに対する不甲斐なさから、パリスに剣術を教わり共に国を守ろうと約束する。

3・新しい光

・城を離れたジャンは再び孤独になってしまい、路頭に迷うこととなる。

・城下町を彷徨いていると、ジャンは武器・防具を作る加工屋の作業の様子に興味を持つ。城を離れたが違う形で国に恩返ししたいと思い、加工屋で技術を学ぶ。それから騎士団たちに武具を提供し、国に貢献する。

・加工屋の仕事を通して新しい出会いが増え、それまで国や騎士団関係としか繋がりがなかったが、今では市民たちとも繋がることができジャンに新しい居場所が出来る。

・ただ武具を作るだけじゃ物足りなさを感じ、加工技術の延長線で人形を作りそれを町の子どもたちに売っていた。

・以降かつて騎士団仲間であったニック(後の騎士団長)のお願いで妹のマリアに誕生日プレゼントとして人形を作ってあげたり、飲み仲間であるリオルの恋人ケイトへのプレゼントのネックレスを作ってあげたりと、仕事で人に喜ばれることにジャンは生き甲斐を感じた。

4・光から闇へ

・ジャンは加工屋を9年続け、加工屋の人たちとはすっかり家族のように馴染み、ジャンは生涯この店に身を捧げようとまで考えた。

・仕事では技術をより磨き人々から感謝され、休日ではにニックやリオル、グレンたちと飲みをしたりと順風満帆な日々を送っていた。リオルとケイトのノロケを聞き、グレンが毎回それに対抗する様子をニヤニヤしながらを見るのも一つの楽しみであった。

・しかしそんな明るい日々は永遠ではなかった。
一部の民衆がDOLL国への不信感か謎のクーデターを起こし、DOLL国は内乱状態へと陥ってしまう。

・国側も自らを守るため応戦するも、その内乱で多くの死傷者を出してしまう。ジャンは友人や家族を必死に探すも、ニックやリオル達は無事であったが加工屋の店長がクーデターに巻き込まれ命を落とす。

・しかしそのクーデターは後に無意味なものだったと判明する。それを知った民衆は意気消沈し、活気を失い町の雰囲気が暗くなる。一方王国側も不信感を抱かせたことによる申し訳なさから、士気を失い立ち直れない状態でいた。

・ジャンはこれに対し人を恨むことはなかった。というよりは、このDOLL国そしてその町の明るかった日常を取り戻したいという気持ちが先行した。
確かにクーデターを起こした人は憎い、けれどもそれよりも"仲間"を取り戻したかった。

・打開策はあるか、ジャンは必死に探した。町の人々、騎士団、王国の者とにかく聞き回った。そして辿り着いた答えは、ある儀式を行うことだった。

5・人柱

・ある儀式の情報を知ったジャンは、早速バリー国王のもとへ行きお願いをする。あのクーデター以来、明るく優しかったかつての雰囲気を失い変わり果てひねくれたバリーであった。

・バリーは初めは断っていたが、ジャンは諦めずバリーが了承するまで何度も頭を下げた。
そのジャンの必死な説得に負けたバリーはジャンにその儀式への秘密の場所へ案内してもらう。

・そこにあったのは、埃まみれの一体の女の子の人形だった。人形の名前は「サーヤ」という。
その儀式とはサーヤと契約を交わし、人柱になることで人々の記憶を吸収しサーヤに取り込むというものである。
実はこの契約の儀式は、このDOLL国の裏の伝統儀式らしい。

・まずサーヤを動かすには決まった文言が必要である。「私がDOLL国の人柱になります。どうかお目覚め下さい。」という。

・埃を被ったサーヤは目を覚まし、ジャンに名前を尋ねる。ジャンは自らのフルネームを名乗るが、長いという理由で一蹴され「そしたらジャンでいい。俺のことはジャンと呼んで」とサーヤに言う。
それからサーヤはジャンと呼ぶこととなる。

・当時のジャンはまるで生きているような人形に違和感を感じ、サーヤと仲良く接することに抵抗を感じた。
・それでもサーヤとの契約で人柱になったジャンは、「人々の辛い記憶を消す」という念と共にクーデターにより暗くなったDOLL国の明るい未来を願った。

・翌日、人柱の力で疲れ果てたジャンは広場でうっかり寝てたことに気付きハッと目が覚める。しかし傍にはそれまで一緒にいたサーヤの姿がない。

サーヤの行方よりもまず気になったこと…それは町の、国の活気が戻ったこと。効果は確実にあった。
まるで昨日までのクーデターの跡が夢だったかのように、明るい日常が戻っていた。

・嬉しさのあまり、町の知り合いや友人に声を掛ける。…………が、様子がおかしい。声を掛けられた者は皆ジャンを見てこう言う。


「……誰?」


後編へ続く。


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