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【Level11】ウヴェ・ローゼンベルクとは?ウヴェのパズルゲームの世界 ―パッチワーク・ノヴァルナ・コテージガーデン―
前回まではウヴェ・ローゼンベルクが手掛ける壮大なスケールの大型戦略ゲーム、『オーディンの祝祭』や『カヴェルナ』、『アルルの丘』を紹介してきました。しかし、ウヴェの魅力は重厚なゲームばかりではありません。実は彼は、軽量から中量級のパズル要素が強いゲームでもその実力を発揮しています。
今回は、そんな「パズルゲームデザイナー」としてのウヴェ・ローゼンベルクにスポットを当て、『パッチワーク』、『ノヴァルナ』、『コテージガーデン』という3つの人気タイトルを中心に、その魅力を紐解いていきます。
1. パズルゲームへの転向?
重量級ゲームで有名なウヴェ・ローゼンベルクですが、近年ではポリオミノ(テトリスのようなタイル)を活用したシンプルなゲームも数多く発表しています。こうしたゲームはプレイ時間も短く、ルールも簡単で、幅広い層から支持を得ています。
背景には、「重たいゲームを作る合間のリフレッシュとしてパズルゲームをデザインしたら、思いのほか好評で、そのジャンルでも本気で取り組み始めた」という経緯があります。
2. パッチワーク:布をつなぐ二人の競争
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『パッチワーク(Patchwork)』(2014年)は二人専用のパズルゲームで、プレイヤーはキルト職人になり、ポリオミノ状の布片を自分のボードに隙間なく並べ、美しいキルトを完成させます。
特徴は以下の通りです。
布片の購入にはボタンが必要。ボタンが収入源でもあり得点源にもなる。
時間トラックを用いた行動順序の仕組みが斬新で、相手との駆け引きが生まれる。
2人専用でルールは簡単ながら、先読みが重要で戦略性が高い。
ボードゲームレビューサイトBGG(BoardGameGeek)でも高評価で、現在でも二人専用ゲームとしてトップクラスの人気を誇っています。
3. ノヴァルナ:月の満ち欠けを巡る美しいパズル
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『ノヴァルナ(Nova Luna)』(2019年)はパズル性と美しいデザインで注目された作品です。プレイヤーは月の満ち欠けを表現した円形トラックからタイルを選び、自分のボード上に並べて特定の条件を達成していきます。
タイルに記載された条件を満たすように隣接配置し、パズル的な連鎖を作る。
時間消費のルールがあり、手番管理の要素も楽しめる。
洗練されたルールと高い美術性が特徴で、2020年のドイツ年間ゲーム大賞にもノミネートされました。
BGGスコアも高く、多くのプレイヤーが「繰り返し遊びたくなる」と評価しています。
4. コテージガーデン:美しい庭を作り上げよう
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『コテージガーデン(Cottage Garden)』(2016年)は、庭師になって花壇を
美しく整える、穏やかなテーマのパズルゲームです。
中央の共通盤からポリオミノ型の花壇タイルを選び、個人ボードを完成させていく。
ボードが完成するたび得点を獲得。限られたスペースを効率よく埋めることが重要。
『パッチワーク』のシステムをさらに発展させ、最大4人まで遊べるように調整。
『コテージガーデン』はその穏やかなテーマと、深くなりすぎない絶妙な難易度が好評で、家族やカップルで遊ぶにも最適なゲームとして知られています。
5. パズルゲームにおけるウヴェのデザイン哲学
ウヴェがパズルゲームで特に重視するのは、「手軽さ」と「繰り返し遊べる奥深さ」のバランスです。重量級ゲームとは異なり、短時間でルール説明が終わり、誰もがすぐに遊べる敷居の低さを意識しつつ、プレイするたび新しい発見があるようデザインされています。
また、ウヴェは「日常にあるささやかなテーマ」を選ぶことが多く、ゲームを遊ぶ人が直感的にテーマを楽しめるよう心がけているようです。これは『パッチワーク』のキルト制作や、『コテージガーデン』の庭づくりといった身近で美しいテーマに現れています。
6. まとめと次回予告
重厚な戦略ゲームから、短時間で楽しめるパズルゲームまで、ウヴェ・ローゼンベルクのゲームデザインの幅広さを感じていただけたでしょうか。ポリオミノ要素を見事に操り、シンプルでありながら深みのある作品群を生み出したことにより、新しいファン層も獲得しています。
次回(第5回)は、ウヴェ・ローゼンベルク作品がボードゲーム業界全体に与えた影響と、他のデザイナーとの比較を通じて、その功績や独自性をさらに深掘りしていきます。どうぞお楽しみに!