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週日記 2024.03.31 - 04.06

03/31 Sun.

朝早くに4月の予算を立てて、どたばたと身支度を整えてから鳥栖まで走る。2日前に決まったアウトレット行きの車内で「来月は節約しようと思う」と宣言をしていざ降り立つと、やっぱり洋服がほしくなった。最初に入ったお店で気になるものを見つけたけれど、ほかのお店にもっといいものがあるかもしれないとステイ。見ているうちに楓芽のサッカー用のシャツとパンツを買ってあげたくなって、結局自分には何も買わなかった。試合に負けて勝負に勝ったとはこのことだろうなと思う。長崎に戻ってからは駐車場もないくせにセカンドカー候補を見て回って、夜は和美さん・快さんと土井首夜会。教育に携わってきた2人はアプローチがまるでちがうなあという感じがして、だからお互いにとって刺激的な存在なんだろうと思う。快さんとはここ4ヶ月くらいでかなり話し込んできたから共通言語みたいなものがあったけど、和美さんの知識量と、まだ見ぬ「知」への貪欲さが凄まじくてワクワクした。話しながら自分自身の中にある本棚から引っ張り出して語り出す光景が自分と大きく重なって(実際の本棚にも何度も行き来していたけれど)、この人ともっと話したいと思うほど時間が過ぎた。僕の中にある少しばかりの丁寧さ、慎重さは後天的なものだから結構な確率で投げ出しがちだけど、それを本能でできちゃう人に出会ってしまった気がする。

04/01 Mon.

社会に飛び込んでから12回目の春、楓芽は年中さんになった。仕事帰りに迎えに行くと「お母さんに桜の花びらを取ってあげる!」と言うので「買い物が終わったら桜を見に行こう」と伝えてダイヤランドへ向かった。コスモスで会計を待っていると「楓芽は桜の花びらを取りに行くんだよ、だってお母さんに喜んでほしいから」と店員さんに一生懸命伝えている。ひと通り聞いてくれた店員さんが「話す言葉がすごいしっかりしてますね」と僕に言うと、隣にいた楓芽が「どうしてこんなにお喋りかって聞かれたらね、楓芽はお口から生まれたからだよ」と言う。彼はどこのお店に行っても店員さんに話しかけるのだけど、ここのところ「お口から生まれた」が決めゼリフ。出産には立ち会ったはずなのに、なぜか本当にそんな気がしてしまうから不思議だ。それから仕事終わりの唯と合流して、僕と楓芽しか知らなかった桜並木の下をくぐった。

04/02 Tue.

いつもより1時間早くに出社して、門司まで日帰り出張。毎度のことながら助手席で眠気と戦って、白目を剥きながら抵抗を続けたけれど結局負けた。いつもと比べてのんびり現調を終えて、帰りのサービスエリアでメロンパンを買った。高速道路を走っていると桜スポットがいくつもある。立ち止まって花見をするのが面倒な人は、高速道路を走ればいいとさえ思うほどに。「泣かないで待ってる 散らないで待ってる ラジオから流れる 花びらが流れる」。星野源の『桜の森』がラジオから流れてきて、ちょっとだけハッピーな気持ちになった。

04/03 Wed.

そう言えば学生の頃は「読書タイム」なるものがあったよなあと思い出して、和美さんから借りた本を通勤バッグに入れる。あの頃は指定された時間じゃなくても本を読む時間がごまんとあったはずなのに、大人はやっぱり窮屈だ。結局頭も休めたくて朝も昼も数ページしか進まなかったのだけど、ここで大切なのは「続きが気になる!」というもどかしさを感じられることだと思う。夜になって、子どもたちが寝静まったあとの家事を終えると23時。ここから読書をするには他の誘惑をシャットアウトしないと寝る時間を削る羽目になる。それはそれでもったいない気がして、高校生の頃から毎日チェックしていたスポーツニュースのアプリと決別した。これからは日本代表の試合も、海外サッカーの速報も、JリーグやBリーグの勢力図も読めなくなる。寂しさがないと言えば嘘になるけど、残された時間が50年先なのか明日なのか分からない。後先ばかり考えていると何もできないから大丈夫。

04/04 Thu.

3日前くらいからある病気(メンタル的なものではない)に悩まされていて、仕事に集中できない。というか暮らしに集中できない。半年前に治ったはずなのに、ここに来てまた……という感じ。夜も仕事は断念して、おとなしく和美さんから貸してもらった本を読み進めた。明日は4年前の単身赴任以来、お弁当をつくろうと思う。

04/05 Fri.

朝からご飯を炊くという逃げ場のない状況を作ってしまえば、起きるのは難しくなかった。お弁当をつくる、と言っても半分は冷凍食品なので大きな声じゃ言いにくいんだけど、楓芽や蒼空が大きくなったとき、唯の働き方がどうなっているのか想像がつかない。ただ、僕がつくることになったときに慌てふためく様子は容易に想像できたから、今日の玉子焼きからはじめようと思う。唯が子どもたちを寝かしつけてから、1人で物置の部屋(使ってない部屋にあれこれ放り込んでるからそう呼んでる)のお片付け。夜な夜な散らかっている部屋を片付けていると、楓芽が保育園からたくさんのプリントをもらってきてるとか、唯が蒼空の誕生日のために買ったであろうパーティーグッズとか、立ち止まらないと見えなかったものばかりが目に入る。楓芽は楓芽なりに小さな社会で一生懸命生きてるんだなあとか、蒼空はどこに行っても愛されてて嬉しいなあとか、言いたかったことはそんな綺麗なものじゃなくて、唯に任せっきりにしていた部分が可視化されていく。一方の僕はと言うと、洗い物とか、掃除とか、洗濯とか、まあ誰の目にも見えることばかりをこなしてはそれなりにやった気になっていて、傍から見ればその方が「協力的な夫」に見られることもあるだろう。それなのに「いま忙しいから待って!」と子どもたちにさも正しいような言い訳してるの、かっこ悪いな。

04/06 Sat.

朝から唯を職場に送り届けてからle'pangに行くと、先月まで楓芽の担任だった先生とばったり会う。いつものようにお店の人と世間話をしていたので「保育園ではもっと大人しいですよね?」と聞くと「う〜ん、でもだいぶ(喋るようになりました)!」と言ってくれた。たしかに、ここのところ先生よりも友だちの名前がよく出るようになってきている。それから子どもたちを連れて伊王島の子ども向け屋内施設(名前は忘れた)に遊びに行って、それぞれが遊びたい遊びに興じて、あっという間にお昼になった。蒼空は3時間半もお昼寝をしていたから、相当疲れたんだろう。仕事を終えた唯はほなみちゃん(義妹)と飲みに出たので、楓芽は義母の家にお泊まり。蒼空はあれだけお昼寝をしたのにもう寝てしまった。2人とも聞き分けがよくて、すんなり眠って、よく食べる。メンズ3人で過ごす1日が順風満帆だったのが僕の子育ての技量じゃないことだけはたしかだ。楓芽も蒼空もありがとう。

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