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週日記 2024.04.28 - 05.04

04/28 Sun.

ココウォークで移動書店。上のフロアに市内で一番広い(と思われる)蔦屋書店があるので「今日は売れないだろうなあ」と思っていたのだけど、終わってみればしっぽ文庫はじまって以来の売上だった。本屋さんには本を買いに行く人しか行かないけれど、そうじゃない人の視界に本が入るのは移動書店の強みなのかもしれない。僕は一出店者だったけど、主催の武次さん、風海くんと同じ場所にいられたのも嬉しかった。子ども店長はというと、朝から武次さんと館内を走り回って、応援に来てくれたばあばと輪投げや射的をして、隣で出店していたちゃま(子ども服屋)さんとおしゃべりをして、ハッピーセットを食べて、お菓子をもらって、キャリーワゴンでお昼寝をして、〆にサーティワンのアイスを食べていた。帰りの車で「何が一番楽しかった?」と聞くと「本屋さん!」と言う。なんだかんだでしっぽ文庫が好きらしい。僕はその「なんだかんだ」が嬉しい。

04/29 Mon.

夕方まで今日が28日だと勘違いしていて、慌てて明日が締切のデザインの仕事に取り掛かる。専門外の仕事の苦しいところは「手を尽くしても理想には程遠い」ことだ。あくまで僕の場合は。だからと言って妥協するのは嫌で、日が回ったあとでもりきょんにデータを届けた。「前見たのよりも色を使わなくなってるけど、あえてかな?」と言われて「ゲシュタルト崩壊起こした」と返したけど、これは「あえて」でも何でもなくて、結果論だ。言い訳だ。文章を書くときはその言葉を選んだ理由を答えられるのに、畑がちがえばそうはいかない。必要とされることに驕らないように、ひとつひとつの仕事に向き合っていけたらいいな。目の前に転がっているおもちゃたちを見なかったことにして、布団に飛び込んだ。

04/30 Tue.

昨日の夜更かしのせいで6時半まで寝てしまう。慌ててお弁当を作って、洗濯物を干して、どたばたと家を出る。仕事を終えて帰ると浴室乾燥機のスイッチを入れ忘れていた。蒼空の病院のために大村まで行って、スシローで晩ごはんを食べて帰る。結局、今日までウニスカさんには行けなかった。仕事が忙しくなってくると、それに比例してやりたいことが増えていくのはどうしてだろう。書きたい物語も、作りたい本も、誰かとの食事も、部屋のお掃除も、やりたい気持ちがぜんぶ一緒にやってくる。だから選べない。

05/01 Wed.

もりきょんと一緒に進めているデザインの仕事で、夜更かしが続く。けれども、デザインの分野が僕の守備範囲を越えているのも理解して併走してくれているのでとても心地がいい。その直前に別件で相談されていたデザインの仕事の打合せをオンラインでしたのだけど、「いずれは運用を丸投げしたい」「この事業は単価が高いから還元できる」といった言葉を並べられた。継続的な仕事で、報酬もあるらしいから甘美に聞こえるけれど、いまの僕は報酬よりも心地よさを求めている。ここのところ、依頼者が自身の仕事や活動に対してどういう気持ちを抱いているのかを尋ねているのだけど、明確な答えが返ってこなくて共感しかねた。尖っているように見えるかもしれない。けれども、僕たちライターの「言葉」はお金で買えるものではないのだ。だからこそ、僕自身の言葉は僕が守らなければいけないと思っている……とは言え、どうやって断ろうかな。考えはじめると迷路に入った気がした。

05/02 Thu.

楓芽の体操教室に行かなければならなかったので、お昼までで仕事を切り上げる。少し寒気がしていたけれど、3時間近く余裕があったので浜の町のスタジオマリオまで蒼空の写真を受け取りに行った。体操教室を終えて、歯医者さんの予約を入れて、晩ごはんで食べる唐揚げを買いに2人でおさんぽ。その間にもみるみる寒気が増して、家に帰ると熱がぐーんと上がっていた。昨夜のモヤモヤが原因だろう。最近になって確信したけれど、突然現れてすぐに去っていく高熱は僕が精神的なストレスを抱えているサイン。ひとまず早めに眠って、明日断りの連絡を入れよう。

05/03 Fri.

夜中に着込んだおかげでしっかり汗をかいて、朝起きると熱もすっかり冷めていた。今日から義母の実家がある神集島まで行く予定だったけれど、楓芽も蒼空も咳こんでいたので断念。「せめて初日で治してしまおう!」と割り切った。夜になって、唯に文章も確認してもらいながら仕事の断りの連絡を入れた。それからすぐに僕を紹介してくれた楓太くんにも連絡を入れると「律儀やねえ」と言ってくれた。喋りも営業も上手じゃない僕は、小さなことを怠らないことくらいしかできない。その小さな何かが、いつか誰かの背中を押したり、支えられたりできるといいなあと、小さく願うだけなんだ。

05/04 Sat.

家族全員の体調が回復してきたので、朝早くに家を出て神集島へ向かう。10時すぎにはついたので、みんなで島をさんぽしながらシャッターを切った。5月にしては少々暑かったけど、この時期の気候が一番過ごしやすくて、海も空も綺麗。恭一とほなみちゃん(義弟夫婦)が子どもたちを見てくれると言うので、唯とバイクで海沿いを走った。駆け抜ける景色はどこまでも透き通っていて、それから僕たちの前髪はどこかに飛んでいった。帰りも佐賀のゆめタウンまで走って、家に着いたのは20時。子どもたちが生まれる前は日常茶飯事だった「朝早く出て夜遅く帰る休日」が急に帰ってきて、身体が慣れなかった。へとへとになった蒼空を担いでマンションのエレベーターに乗り込んでようやくひと息。連日の事故を告げるニュースにびくびくしていたけど、無事に帰ってこられてよかった。

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