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週日記 2024.05.05 - 11

05/05 Sun.

蒼空の初節句。母と義母を招いて吉宗のお弁当を食べた。3月の誕生日から続けて蒼空が主役なので、楓芽は寂しさから徐々にご機嫌ななめになっていく。お昼寝後に不満が大爆発したので、義母に迎えに来てもらって夕方まで気分転換させてもらった。迎えに行くとすっかり元気になっていて、「調子いいなあ」と思いながらも明日は楓芽の好きに遊ばせてあげようと決める。同じだけの愛を注ぐのは難しくないけれど、同じだけの愛を注いでいるように見せるのは難しい。

05/06 Mon.

霧雨のDEJIMA博。帰り道でスマオブ(アイドル)のリハーサルがちょうど始まるところで、1年半ぶりに切江さんと会った。「楽しくやれてる?」と聞かれたので近況を伝えると「よかった」と笑ってくれる。転職の要因はライフスタイルの部分が大きかったけれど、僕もスマオブの活動は陰ながら(とても)応援している。進む道が違えど、互いの活躍や幸せを願える関係が続けられるのなら、それは素敵なことだと思う。この日記を読んでいる人がいるのなら、ぜひ「スマートオブジェクト.」で検索してみてほしい。

05/07 Tue.

朝靄の中、連休明けの仕事へ向かう。半年前から通勤路で使っている旧道は、この季節になると草木や土のにおいがして「生きてる!」って感じになれるリフレッシュロード。さんぽをしているおばあちゃんが体操してて、一緒にやりたくなった。職場環境がいいと連休明けも別に苦にならなくて、気づけば定時。楓芽と先にお風呂を済ませてから晩ごはんの支度をした。前日に材料を買って、お昼休みに唯から指示を受けて、先に帰った僕が拵える。次の日のお弁当のおかずまで残せたら満点で、すごく合理的なルーティンを見つけてしまった気がする。

05/08 Wed.

定期検診のために夕方から楓芽を歯医者へ連れていく。治療が怖い子どもが多いのか、歯ブラシの色や歯磨き粉の味まで選ばせてくれるのだけど「楓芽はぜんぶ好きだからどれでもいいよ」と言って口を開けていた。「晩ごはん何でもいいよ」よりも困りそうで笑ってしまった。子どもの「子どもらしい」ところは微笑ましいけれど、僕はそれと同じくらい、子どもの「大人っぽい」ところも可愛くて好きだ。

05/09 Thu.

「寂しさを抱えた子どもたちを減らしたい」とフリーランスのシッターとして活動している有希さん。彼女から相談を受けていた文章が少しずつ整ったきた。有希さんも、それから有希さんと二人三脚でイベントを企画する野崎さんも「ライターさんの仕事の魅力が伝わってきた」と言葉をかけてくれた。これまで自分が書いた文章を褒めてくれる人はいたけれど、その文章を通じてライターという仕事の魅力が伝えられたのなら、これほどまでに嬉しいことはない。先週の日記で「共感しかねた仕事をお断りした」と書いたけれど、あのとき自分の気持ちから目を逸らさなかったおかげで、本当に応援したい人たちへ大切な言葉を贈ることができたのかもしれない。ほんの少しだけ、成長できたかなあ。

05/10 Fri.

日曜日は雨の予報。晴れているうちにお花を買いに行こうと仕事終わりに子どもたちを連れ出す。BULL FLOWERさんで楓芽が選んだお花たちのお金を払おうとすると「楓芽が払うからお父さん出さないで!」と言う。この子の財布には移動書店で自分が売ってきただけのお金が入っていて、4歳児には大金かもなあと心配もしていたのだけど、自分なりに考えて使おうとしているのが伝わってきて嬉しかった。待っている間もずっとお店の人と喋っていて「楓芽ここ前も来たことあるんだよ」と言う。すると花を包んでくれていたお兄さんが「楓芽くん常連さんやもんね、名前も覚えとるよ」と優しく笑ってくれた。子育てをしていると「この言い方はわるかったなあ」とか「こういうときにはどんな言葉で伝えたらいいのだろう」と思うことかよくあって、考えるほどまちがっている気がしてならない。けれども、楓芽の周りにいる大人たちがあたたかく接してくれるおかげで僕のまちがいはそっと染みて、それから薄く消えゆく。

05/11 Sat.

保育園の遠足の日。去年は兄弟揃ってRSウイルスに感染していたので、楓芽にとって初めての遠足。朝からご機嫌で、集合時間の1時間前に稲佐山についてたくさん遊んだ。保護者が一堂に会する場もそんなにないけれど、同じクラスの保護者から「気が弱いから苦労してるけど、楓芽くんが優しくしてくれてるみたいで、家では楓芽くんの話ばっかりなんです」「今年度から入って馴染めずにいたけど、よく声をかけてくれるそうなんです」と声をかけていただいた。当の本人も入園当初はなかなか馴染めなかったし、少し前まで「先生とばかり話している」と聞いていたのに。いつかの自分がそうだったからなのか、弟ができたからなのかは分からない。けれども、楽しそうに遊ぶ背中がいつもよりちょっとだけ頼もしく見えた。

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