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週日記 2024.04.14 - 20

04/14 Sun.

唯と蒼空が楓芽を迎えに行ったので、今日のお昼までは家で大人しくしておくことにした。発注していた塩谷舞さんの本が届いて、ここ数日ままならなかった読書欲が湧いてくる。和美さんに借りていた読みかけの本を最後まで読んでしまって、それから『小さな声の向こうに』(塩谷舞)を読みはじめた。今回は読み終えたあとに言葉にできたらいいなあと思う。お昼を過ぎて、ランチを済ませて帰ってきた唯たちと一緒に夢彩都へ。たった2日家にいただけなのに、「外だ〜!」と身体が喜んでいるのが分かる。お出掛けでも仕事でも、何でもいいからたくさん外に出たいな。身体の調子も幾分楽になってきたから、もう闘病日記は終わろう。

04/15 Mon.

朝から唯に送ってもらって出社。帰りは社用車を借りて楓芽を迎えに行くことにした。机の上に溜まった書類の山を見て「机上が片付けられない人は仕事もできない」なんて言葉が頭をよぎる。まあ間違いないだろうけど、帰る前に整理することにして休んでいた間のメールを読み返す。急ぎの仕事はなかったけれど、それ以前に忙しくなってきていて瞬く間に夕方になってしまった。散らしたままのデスクから立ち上がって楓芽を迎えに行って、会社の近くにあるマックスバリュで楓芽が買いたいと言ったオレンジとおはぎを買って帰宅。家にあったバナナとオレンジのジュースを作ってあげると「おいしめだね」と言われた。どうやら「おいしくなさめ」もあるらしい。そんなことより僕が果物ジュースに夢中になる気がしている。

04/16 Tue.

定時後に楓芽を迎えに行って、それから2人でバスに乗って病院へ向かう。治りかけに油断したくないので軟膏を追加で出してもらって、唯の仕事が終わるまでえがわ運動公園で遊んだ。家に帰ってバタバタと夜ごはんを済ませて、それから自治会の代議員会に出席。来週はマンションの総会も控えていて、ああ、新年度の慌ただしさだなあと思う。いま読み進めている『小さな声の向こうに』(塩谷舞)では時の経過を移りゆく季節で表現していて、「あっという間に仕事が終わった」とか、そんなありきたりな言葉を使っていない。水の中にいるような美しさを感じた。もう少しでこの日記も書きはじめから500日を迎える。日記本を作ろうかと悩んでいるけれど、まだそれだけでアイデアは浮かばない。

04/17 Wed.

唯がお休みだったので車で仕事に行く。忙しいながらにどうにかこうにか働いているけれど、もう1人のエンジニアはもうあと数年で定年を迎えてしまう。どうにかこうにか、同年代の仲間が入ってほしいなあと思う今日この頃。家に帰ると唯が筍ご飯を作ってくれていて、これがすごくおいしい。旬のものをおいしく食べられることを、僕じゃなくて身体が喜んでいるような気がした。それから家事を済ませて、3日後に迫っている移動書店の告知画像を夜な夜な作りながら「楽しいけど、いつものことながらギリギリだよなあ」と反省したふりをする。本は売れてほしいのだけど、今週・来週と連続で出店するのは初めてのことで、今週売れちゃったらどうしようと急に心配になってきた。何気なく流れてくる令和の虎の切り抜き動画が、準備不足の僕を間接的に責め立てる。

04/18 Thu.

お昼休み前に「チラシとショップカードのデザインについて相談したい」と連絡がくる。昨日も別の人から同じような相談を受けていて、SNSで「デザインできます!」なんてひと言も謳ったことがないから皆目見当もつかない。いつだって他人のセンスを羨んでいるし、自分の洋服もまともに選べない僕は、どちらかというとデザインの分野には弱いと自認しているからだ。一方で「それっぽく」することは得意で、特に予算のない移動書店や市民活動では「それっぽく」つくってきた。ただ、言葉の力を軽く見てライターを名乗る人へ強烈な違和感を抱いてしまうから、同じように自らが畑違いの仕事を受けることにも違和感があった。だってその分野で頑張る人に失礼だと思うから……と考えていたのだけれど、必要とされて、それに応えて、何かしらの対価をいただくって、営みだよなあとも思うようになってきた。いつまでも器用貧乏なまま斜に構えてないで、誰かの何かを補えるような存在になれたらいいな。

04/19 Fri.

唯が復帰してから朝はドタバタすることが多かったのだけど、ここのところ少しだけ余裕が出てきた気がする。慣れてきたかなあと思いながらバイクに乗った。楓芽の送迎は僕がバイク、唯たちが車で保育園の近くまで行って、それから僕が楓芽を歩いて登園させているのだけど、その駐車場に入るところで右折をしなければならない。しかも香焼造船所の出勤ラッシュに逆行するからバイクの横抜けにも要注意。今日も先に車が譲ってくれたので横抜けがいないか確認していると、たまたま課長が通りかかって譲ってくれた……だけなら良かったのに、課長の後ろを走っていたバイクが課長のバイクに追突した。幸いバイクの傷もほとんどなくて、課長が「もういいよ」と言ったことで終わったけど気まずい。強面だけど優しい課長だから「長野ちゃんは悪くないよ」と言ってくれたし、「お前に譲ったばっかりに」とは言わない人で本当に良かった。会社についてからそれも全部言ったら笑ってくれた。笑い話に変えてくれる課長も、思ってること全部言った僕もえらい!

04/20 Sat.

無印良品でのつながる市に出店するために朝早くから家を出る。楽しみすぎて僕より早起きだった楓芽は開店と同時に眠たくなって、午前中は終始不機嫌だった。今回は挑戦的な意味も込めて中古の本を家に置いて、新本だけの販売にしたのだけど、これがまた予想外に売れる。思ってた倍は売れてしまって、来週の出店に向けて追加で仕入れなかったことを激しく後悔した(そして売上は隣で出店していたのもぐらガチャに吸い込まれていった)。ただ、これから中古の絵本は「販売」から「交換」にシフトしてみようかなと思っていたところだったので、いい検討材料にはなった。それに山崎家(楓太くん・ももさん・やまと・あんじゅ)も、こもたけ隊長も楓芽をかわいがってくれるから、子ども店長以上の楽しいがぎゅっと詰まった土曜日。帰りはヘトヘトになってご機嫌ななめだったけど、怒られながらも話を理解しようとする楓芽の姿が印象的だった。人生で乗り越えないといけないことは無数にあるけれど、大人の階段というものはきっとない。上るときに1人なのか、誰かと一緒なのか。手を引いているのか、引いてもらっているかのちがいだけだと思う。今日の僕は階段を上る楓芽を隣でただ見ていて、その一歩に後押しされるように一緒に上った気がする。これ以上うまく言語化できなかった。

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