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【感謝が増える】
久しぶりに恩師宅を訪問した。
〝H谷川先生〟中学の校長であった。
請われてスポーツ関連の役職を務められたがこの春退かれ
今は学校関係の相談役的な仕事と、もっぱらボランティアを
しているということだった。
ご自宅の近くに公園がある。
広い公園にその日の分の線を引いて、
春から秋にかけて一人でこの公園の除草をしたそうだ。
「いろんな草がある。背丈はあっても根っこが小さいのは
見かけだけだなとか、背丈はなくてもしっかり根を張って
たいしたもんだとか、勝手に思いながらむしっていた」。
流石、元教師、草まで擬人化していた。
草の茂っている時の写真と、除草後の写真を見せてもらった。
素晴らしい!草一本生えてないとはこのことか。
あるお寺の門前の黒板に書いてあった言葉を撮った画像も
見せてもらった。
『足りないことを数えたら「不満」が増える
あるものを数えたら「感謝」が増える』
*
商売の神様と言われる松下幸之助さんが、書籍「人生心得帖」で
書いている。
ある時、たまたま出会った友人に
「どうも最近は、何となく心さみしくて、時々世の中を悲観
するような感じにおそわれるんだ。どういう訳だろう?」
すると友人は松下さんに
「君は喜びを知らないんだ。ものの有難さを知らないんだ
今の君の境遇は、僕から見れば恵まれている。けれども
君はそう思っていない。たとえば空気といったものがこうして
ふんだんに与えられていることさえも有難いとは感じていないと思う。
だからそのようなさみしさに陥るのだよ。
そのことに気づいて、ああ、ありがたいという気持ちになれば、
この世の中は非常に楽しいものだということになって、
少しぐらい心を煩わすようなことが起こっても勇気凛凛ということに
なる」
松下さんはそれを聞いて「なるほど!」と思ったそうだ。
そしてこう書いてある。
「実際、私たちは、空気をはじめ、水、太陽など大自然の限りない恵みを受けています。また、親や兄弟、先輩、同僚などの周囲の 人や周囲の物、さらには先祖の遺産といったもののおかげで日々
を過ごすことが出来ているわけです。
ですから、そういう物に対して、感謝の気持ちを忘れてはいけない」
「お互いに不安や怒りで心が暗くなった時、感謝の心を忘れていないか
自問自答してみる。そのことも、人生を生きる大切な心得の一つでは
ないでしょうか」。
松下さんが友人に言われて、「ああ、なるほど!」と即座に
受け入れる心も素晴らしい。
私も自問自答してみよう。