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地方議員を目指す方へ(毎日加筆中)

こんにちは。
東京都墨田区議会議員の『長南貴則(ちょうなんたかのり)』です。

先ず、このnoteに来てくれて、ありがとうございます!
この記事を見てくれている人は『政治家』に興味がある、少なくとも『政治』に興味がある人ではないでしょうか?

今の日本の状況は、お世辞にも良いとは言えません。
良くないと断ずるには、様々な切り口がありますが、先にお伝えしたいのは日本の不況に対しては、諸外国から「日本は勤勉な国民を有しており、経済的にマイナスになっているのは政治の失敗が大きい」と評されていることです。

政治の目的は「国家と国民を豊かにすること」
だと、私は考えています。

今日までの政治家にその事実を突きつけた場合
「私は一生懸命やってきた」と言い訳をするでしょう。

言い訳と評したのは、結果として、国民生活が豊かになっていないのであれば、それはプロセスに問題がある=政治に問題があるからです。

「仕事は結果」です。
結果が出ないことは改めなくてはいけません。
この点は、多くの民間企業出身者の方は理解いただけると思います。

結論からお伝えすると、その現状を打破するために
私は ”多くのビジネスマンを政治の世界に引き込みたい" と考えています。

ただ、政治の世界はとても閉じています。
情報を得ようとしても、中々得ることができません。
この点は、私も苦労をしたところです。

議員になって約2年。
私が得た『知識』や『経験』をnoteに記すことで、1歩を踏み出すきっかけになることを願い、情報開示をしていきます。

毎日、子どもを寝かしつけた後に書き溜めて行きたいと思いますので、完成までの歩みはゆっくりであることはお許しください。
※知りたい事柄があったら、コメント欄に残してください。


1.概要編

問題意識を共有するために、日本の現状や政治制度について簡単に述べたいと思います。TVやSNSから得られる情報もありますが、何かを為すにあたっては『一次情報』を確認すること、事実(Fact)を押さえることが重要です。
取り分け公共分野では、各省庁がまとめている「◯◯白書」を私は情報源として大切にしていますので、そこからご紹介をしたいと思います。

(1)日本の現状

ここでは「人口」「GDP」「実質賃金」の3つの観点で、日本の現状を押さえます。特に人口は、出生数から未来の推計が可能なため、将来の日本を想像するにあたって、必須の情報です。
また、GDPでは日本全体(マクロ)の経済規模を、実質賃金では個人単位(ミクロ)の経済規模を知ることができるので、情報として押さえます。

ア.人口

ここでは「高齢社会白書」を引用する。

まとめ
令和6年現在
・日本の総人口は減少傾向
・日本の生産年齢人口(15歳〜65歳)は減少傾向
・日本の出生数は減少傾向
・日本の高齢者(65歳以上)の総数は増加傾向
・2070年には、総人口は現状▲約4,000万人の8,700万人(高齢化率は38.7%)になると推計されている

生産年齢人口(現役世代)が減るということは、国全体として稼ぐ力が弱まるということ。その上で、65歳以上の高齢化率が上昇するということは、国・自治体の支出の在り方=社会福祉の在り方の見直しが必要になることは明らかである。

データが示す未来に対して、どのような政策を展開するのかが今問われている。将来世代に対して責任ある政治とは何か、直視しなくてはいけない。

高齢者会白書(2024)高齢化の推移と将来推計

我が国の総人口は、令和5年10月1日現在、1億2,435万人となっている。
65歳以上人口は、3,623万人となり、総人口に占める割合(高齢化率)も29.1%となった。

65歳以上人口を男女別に見ると、男性は1,571万人、女性は2,051万人で、性比(女性人口100人に対する男性人口)は76.6であり、男性対女性の比は約3対4となっている。

65歳以上人口のうち、「65~74歳人口」は1,615万人(男性773万人、女性842万人)で総人口に占める割合は13.0%となっている。また、「75歳以上人口」は2,008万人(男性799万人、女性1,209万人)で、総人口に占める割合は16.1%であり、65~74歳人口を上回っている。

高齢社会白書(2024)https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/index-w.html

イ.GDP

ここでは「経済財政白書」と「通商白書」を引用する。

まとめ
・2023年度の名目GDPは5.0%の成長で約600兆円と過去最高水準
・2023年度の実質GDPは1.0%の成長で約560兆円
・名目と実質の違いは、価格変動(インフレ・デフレ)を加味するか否か。
 名目は変動を加味するが、実質は変動を加味しないため生産量の違いを
 あらわす。
・先進国よりも新興国・途上国の方がGDP成長率が高い

通商白書(2024)https://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je24/pdf/all_01.pdf
経済財政白書(2024)https://www.meti.go.jp/report/tsuhaku2024/pdf/zentai.pdf

ウ.実質賃金

日本の名目賃金(いわゆる、給料の額面)は24ヶ月連続の上昇。
実質賃金(いわゆる、手取り)は21ヶ月連続の減少。
物価の上昇に対して、給与の上昇が追いついておらず、国民生活の厳しさは日増しに強まっている。

名目賃金・実質賃金の変動要因の推移

第1-(3)-9図により、2023年の現金給与総額の変動について要因をみると、パートタイム労働者の増加により、パートタイム労働者比率が上昇し、マイナス寄与となっている。一方で、一般労働者の所定内給与、所定外給与、特別給与はいずれもプラスに寄与した。
実質賃金の変動要因について、同図(2)により、名目賃金と物価に分けてみると、2022 年以降は、円安や原材料価格高騰等の影響により物価高が続き 、物価要因によるマイナスの寄与分が名目賃金の増加の寄与分を上回り、実質賃金は前年に続き減少した。
加えて、第1-(3)- 10 図により、名目賃金と実質賃金の月次の動きをみると、名目賃金は、2023 年においても、年間を通じて前年よりも増加しており、24 か月連続の増加となったが、実質賃金は、年間を通じて減少しており、21 か月連続の減少となっている。

労働経済白書(2024)第3章労働時間・賃金等の動向 P73
産業別賃金の推移
就業形態別・産業別賃金の推移

産業別の賃金の動向をみてみよう。第1-(3)- 11 図は、2020 年を 100 とした後方 12 か月移動平均の推移を示したものである。2021 年以降、「運輸業,郵便業」「宿泊業,飲食サービス業」等で伸びている。「運輸業,郵便業」「宿泊業,飲食サービス業」は、経済社会活動の回復に伴い、人の移動が活発化する中で、サービス需要が好調となったことなどが要因と考えられる。

第1-(3)- 12 図により、就業形態別・産業別にみると、パートタイム労働者においては「建設業」「製造業」「情報通信業」等多くの産業で増加がみられており、一般労働者を上回る伸びとなった産業もあった。

労働経済白書(2024)第3章労働時間・賃金等の動向 P74

(2)日本の政治制度

(3)日本の政党政治


2.選挙編

政治家になりたい!
そう思った方は、立派な『立候補予定者』です。
目標とする選挙に向けて、具体的なアドバイスとしたいと思います。

(1)公職選挙法

公職選挙法は『立候補予定者』にも適用がされるため、選挙に出たい!
と思ったら、必ず法律の全文に目を通しましょう。

なぜなら、秘書やボランティア(家族や友人)が良かれと思ってやった行動が法律違反だった場合、その責任は『立候補予定者』である『自分』にあるからです。「知らなかった」は一切通じない業界ですので、とにかく『自分』を鍛えてください。

その上で、条文の具体的な例示が知りたい。
どういう行為は許されるのか? を知りたい方には選挙プランナーの松田馨さんが書いた「地方選挙 必勝の手引」をオススメします。

私も、選挙に挑もうと決めた時に信頼できる方からオススメをいただき、悩んだ時の指針とした一冊。この本だけで選挙の事前活動から本番まで臨めるという必携の本です。

(2)事前準備

法律も理解したし、いよいよ事前活動だ!
毎日駅に立って、挨拶するぞ!

と思った方は、一度止まってください。
民間企業の仕事と同じく、やるからには目標があり、そのための最適な手順を導き出す必要があります。今回でいえば『多くの人から支持を得て当選すること』です。そのために必要な事柄は何でしょうか?

『選挙はマーケティング』だと私は思っています。
よほどの有名人(今井絵理子さん・谷亮子さん・生稲晃子さん等)でない限り、立候補地であなたの名前と顔が一致する人は知り合いくらいでしょう。
その点で、知っている人は皆無であると考えることが適当です。

先ずは、選挙区の『現状分析』をしましょう。

現状分析でおさえる点
議員の仕事は「地域を豊かにすること、そこに住む人の生活を豊かにすること」です。自分が訴えたいことを実現することではありません。しっかりと地域の課題を把握し、解決するためにも、基礎となる情報を押さえるとともに自分の明確な軸(訴える政策)を作りましょう。
また、選挙にはライバルがいて、勝ち負けがあります。有権者に選んでいただくため(=より多くの有権者に自分と政策を知って貰うため)に、効率的な活動も求められるので計画が重要になります。
そのためにも、基礎となる現状分析は手を抜かずに行いましょう。

・総人口
 自分の選挙区には何人の人が住んでいるのか?
 総人口=自分が訴えることができる最大数です。
 自治体のホームページに掲載されているので、必ず確認しましょう。

・世帯数
 自分の選挙区には何戸の家があるのか?
 戸建てが多いのか?マンションが多いのか?
 今後、ポスティングなどを行う際に印刷物の枚数の目安になるので
 必ず確認をしましょう。

・有権者数
 投票権がある人の数を把握します。
 『選挙』は、有権者数のπの取り合いです。必ず把握しましょう。

・年齢別人口、構成比率
 
自分の選挙区には、どの年代の人が多いのか?
 年齢構成によって、その街の問題・課題は変わるため、街づくりに大いに
 影響する事柄です。『訴える政策』や『訴える手法』に影響があるので、
 必ず把握しましょう。

・前回の選挙の投票率
 多くの自治体選挙では、50%前後かと思います。
 (2005年の衆議院選挙・広島6区は約80%と、時折高いこともあります)
 有権者数×投票率が、得票の最大値になります。
 
・前回の選挙における当落ライン(得票数)
 具体的に何人の人に支持を得ることで当選するのか?
 何%の人に支持を得ることが必要なのか?
 数字を具体化するためにも、確認をしましょう。
 ※過去3回分程度は、確認することをお勧めします。

・現議会の政党別の議員数
 自分が目指す議会の政党構成を確認します。
 どの政党が強い地域なのかを確認することで、地域のイデオロギーを
 うっすらですが確認することができます。

・現職議員の住所
 どの地域に住んでいるかは、地図に落とし込むと現職議員の主の活動場所
 が明らかになります。

・投票所毎の投票実績
 投票所単位で見ると、投票率が高い地域、低い地域が明確になります。
 他のデータと掛け算することで、自分が活動すべき場所が見えてくるはず
 です。

・現職議員の公約
 
現職議員はどんなことを訴えていたでしょうか?
 当選した議員が訴えたこと=前回の選挙で有権者が期待したことだと
 私は考えています。ここはしっかり分析してください。

・鉄道駅毎の乗降客数
 どこに、どの程度、人が集まるのかの目安になります。
 ◯◯駅で1時間活動したら、◯人にアプローチできるということを
 想定できると、活動場所の優先順位がつけることができます。

・地域毎の主産業
 選挙区内でも地域によって、主となる産業が異なります。
 サービス業が多い地域、製造業が多い地域、企業規模も異なります。
 同じ内容を訴えるにしても、伝え方は無限大。
 例えば「手取りを増やす」という政策でも、相手が経営者であれば
 経営者のコスト削減(例:ガソリン代の減)に寄与する話を。労働者で
 あれば、所得税や社会保険料の減に寄与する話ができます。

・選挙区における政策の穴(他自治体と比較した際に不足している点)
 どの自治体でも全てにおいて満点ということはありません。
 なぜなら、財源は限られていて、必ず取捨選択をしているからです。
 できていること、できていないことを整理した上で、できていること
 の中からは評価し残すものを、できていないことからは真に必要なものを
 ピックアップすると、あなたの政策集作りが一歩進みます。

3.議会編

(1)議員の仕事

議員の活動は大別すると『議会活動(公務)』『政治活動』『政党活動(党務)』の『3つ』の活動に分けられます。

議員の『仕事(職務)』は『議会活動(公務)』のみですが、選挙対策のために『政治活動』『政党活動(党務)』は必要であり、ここに力点を置く人が多いのも事実です。

仮に無所属の議員の場合は、『政党活動(党務)』がないため、自分や有権者のために使える時間は増えると考えます。(この点は、実際に多くの地方議員が悩みを抱えています。)

・議会活動(公務)
 ・本会議
 ・委員会
 ・事前の情報収集
 ・会派内での打ち合わせ
 ・職員との打ち合わせ
 ・質問作成
 ・区政レポート作成
 ・陳情、請願対応
 ・現地視察
 ・式典への出席

・政治活動
 ・街頭演説
 ・ポスター貼り
 ・ポスティング
 ・SNS投稿
 ・組織団体対応
 ・イベント、懇親会出席(地元回り)

・政党活動(党務)
 ・政党内のイベント出席
 ・政党内の会議、勉強会出席
 ・政党内の委員会運営
 ・街頭演説会の運営
 ・街宣活動の実施
 ・ポスター貼り
 ・ポスティング
 ・組織団体対応
 ・党員集め

(2)議会活動


(3)政治活動


(4)政党活動


(5)政党に入るべきか?

立候補をする際には、多くの人がこの点に悩みを抱きます。
私自身のことを曝け出すと、政党に所属して良かったと思っています。

その理由は2点。
1点目は、党首が信頼できる人であること。
2点目は、政党の思想信条と自分の思想信条、またそれを実現するための手段が合理的であり、考えに齟齬がないこと。

裏を返すと、単に選挙に勝ちたいがために政党に所属をして、その風を一身に受け、当選したとしても、この2点がズレていると後々精神的に滅入ることになると思うので、おすすめはしません。

政党に所属することにはメリット・デメリットがありますので、その一例を記載します。(政党によって異なります)

メリット
・横の繋がりを得られる(他議会の情報を得ることができる)
・縦の繋がりを得られる(国会議員・都道府県会議員と連携できる)
・街宣車やポスターなどのツールを得ることができる
・選挙の際には人的、金銭的支援を受けることができる
・政党の評判を得ることができる(これはデメリットになることもある)

デメリット
・費用の負担がある(毎月一定の金額が徴収される)
 国民民主党(東京)の場合は、区議会議員は1万円/月です。
・時間の負担がある(政党のために労務の提供を求められる)
・党議拘束がある (組織の意向に沿うことが求められる)

(6)良い議員・悪い議員


4.その他

(1)応援したくなる人としたくない人の境目

政治というのは、生活に密着しています。
政治の腐敗は、必ず民の生活の質を低下させます。
だからこそ、私は我欲ではなく、全体の奉仕者としての決意を持って政治家を目指して欲しいと考えています。

・政治家になりたい
・国会議員になりたい
・総理大臣になりたい
という人をあまり信じていません。 応援もしたくなりません。
これは全て手段の話だからです。

・子ども達のために○○したい
・現役世代のために〇〇したい
・介護業界のために〇〇したい

しっかりと目的を持ち、そのために手段を選ぶというのが真っ当なプロセスではないでしょうか。

・誰のために
・何のために
が、とにかく重要です。

政治家になりたいという人には、必ず民間企業時代に得た「目的を確認する」このプロセスは怠ることなく続けています。

曖昧な回答や解像度の低い回答をする人は 必ずどこかで壁にぶつかり、抜け出すことができなくなります。そして、いつかは手段が目的化され、己の道が分からなくなるものです。

ここは、自戒を込めて記します。

裏を返すと…

・所属政党が違っても
・自分と考えが違っても

誰のために、何のためにを明確に語れる人は、尊敬しますし、応援したいと思っています。

私の目的は、次世代のために日本を良くすることであり、その手段は無限にあるから。同志は仲間です。共に頑張りましょう!

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