介護からの解放の兆し
_____________________________________________________________
[登場人物]
・私 (都会で夫と二人暮らし)
・夫
・お義母さん(夫の母・2023年秋から同居開始、要介護3)
・お義父さん(夫の父・地方でお義母さん、弟と3人暮らしだったが2023年夏前に他界)
・弟(夫の弟・お義父さんの死後、うつ病統合失調症を発症し保護入院)
・叔父さん(3人兄弟のお義父さんの弟・妻と同地方で2人暮らし・子供なし)
・叔父さんの妻
・叔母さん(3人兄弟のお義父さんの妹)
_____________________________________________________________
年末にイソイソと特別養護老人ホームに見学に行き、申し込んだ後、
毎年とは違う夫と義母と3人の正月を過ごした。
正月の三が日が終わり、お義母さんのデイサービスとショートステイのスケジュールが再開された1週目が終わる頃、
老人ホームのケアマネージャーさんから
○日にお義母さんがいるデイサービスの施設に調査に伺います、と電話があった。
普通、お義母さんの入所に関する調査は暮らしている家で行われて、私も対応するものだと思っていたが、そうではなかった。
デイサービスの施設で調査をする方が、職員からも聞き取りができて良いということと、お義母さんの施設内での行動や様子を確認するというものであった。
自分が対応しなくて良いのか、と思うととても安心した。
ではお願いしますと電話を切った。
老人ホームのケアマネージャーさんからは調査日当日の朝も電話があった。
「今から調査に伺いますので」
マメな連絡でとてもありがたい。
そしてその日の午後、またケアマネージャーさんから電話があった。
恐らく終わりました、という連絡だろうと私は電話をとった。
「今さきほど施設にお伺いして聞き取りなど終わりまして、
うちの方で会議させて頂きました結果なんですが、
入所可能ということで、決めさせて頂きました。」
え?もう決まったの?入所できるの??
調査まではスムーズに行っておいて貰えば、
すぐに入所できなくても入所の順番待ちには入ることができるから、
これであとは入所できる日が来るまでなんとか自宅介護を頑張ろうと
そんなことを思いながらその日は過ごしていたのに、
拍子抜けだった。
「え?あ、そうなんですか?ありがとうございます」
驚きながら返事をした。
要介護3のお義母さんはまだまだ入所が先だと思っていたのに、
飛び上がるほどうれしかった。
よかった!私の介助生活は意外とすぐ終わるのかもしれない!
急な生活の変化とお義母さんと突然一緒に暮らすことになったストレス、
介助と睡眠不足で気分が落ちたままの日々だったのに、
急に見えた光を逃すまいと話を続けた。
「で、今後はどんなスケジュールで入所まで手続きなどしていけば良いですか?」
入所当日に提携の医師に健康チェックをしてもらう必要があるらしく、
日程を調整して連絡しますとのことだった。
「お忙しい中すぐに動いてくださってありがとうございました、よろしくお願します!」
るんるん気分で電話を切り、その日のデイサービスから帰ったお義母さんを
私は今までで一番の笑顔で迎えたのを記憶している。
ごめんねお義母さん、あなたとの生活が終わることを喜んでごめんなさい。
ひどい嫁でごめんなさい。
私は冷たい人間です。