長南町 多様性の森プロジェクト 第3シーズン突入
「長南町 多様性の森プロジェクト」と題して、毎冬、荒れた杉林の整備・間伐をして、今年で3年目。
先月から新規の杉林の整備に入る。ヤブ化して倒木だらけになると、伐倒するまでの整備が一手間と二手間もかかる。
そして今週、新月伐採に入り始める。
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戦後の日本、『拡大造林政策』というのがあった。苗木を植えるだけで補助金がもらえたという。
その政策にのり、こぞって植えられたという杉が、長南の里山にも、これでもか!ってくらい、たくさんある。
時代が変わって、杉は必要とされなくなり、地主さんたちは負の遺産と感じている人が多い。杉は売れないし、手入れできない。
でも、外国産木材は普通に安価に買えるので、困らないし、すぐに解決すべき問題という社会認識はあまりない。
さて、では、何が問題かというと、そんな杉林は、生き物の気配が少ない。ここに獣たちのエサはあまりないだろう。
土はネチョネチョしてたり、乾燥してたり、浸み込みの悪そうなところが多い。これだと土壌生物や菌類も少なく、土が育たず、杉山の保水力・涵養力が弱いと言われるのもよく分かる。
里山は、水を蓄える力(=緑のダム機能)を失い、大雨は浸み込まず、表層を流れ、一気に川に流れこみ、川は溢れ、川沿いや下流の街の洪水の原因にもなっているのはではないかと想像できる。
この行き詰まりを、どうしたら良いかというのは、杉林を適度に間伐しながら、空いた所に多種多様な木々を育て、根っこの階層構造を増やし、地中深くまで水が染み込む森を育てるのが良いと分かってきた。
※良い森林は裸地の約3倍、草地の2倍もの水分を吸収してくれるという。皆伐すると、裸地になり、地面が乾燥し、ヤブになるので、よくない。
ただ、それをリアルで実行するには、なかなかの作業量・コストだという現実でストップしているのが現代。
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そんな実情に・・・途方に暮れていてもしょうがないので、何より木が好きだから「とりあえずやってみるの精神」で、今年もやり始める。今まで見向きもされなかった長南杉、良い木です。