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PJCSがとてもよかった

PJCS(ポケモンジャパンチャンピオンシップス)がとてもよかった。特にポケモンユナイト部門。自分が解説をやらせて頂いているという理由のポジショントークでは……ない……とは言い切れないかもしれないけれど、それにしたって、ものすごい盛り上がりを見せていた。

どれくらい盛り上がってたかと言えば、同会場で行われている別部門の配信にユナイト部門の歓声が轟くくらい。ものすごかった。それだけ熱量のあるファンを、選手達や大会を開き続けた人達が一からこの三年間で集めたということだと思うし、あらゆる人はこのことを誇ってほしいと思った。本当に素晴らしかった。

個人の視点としては、歴史あるPJCSの場に一緒にいれたことが嬉しかった。歴史あるタイトルに囲まれて、並んでやれたことが嬉しかった。PJCSはすごい。ポケモンを好きな人間がどれだけ多種多様で、どれだけ愛されているかを改めて感じさせてくれる。冒険心をくすぐられる入口の演出であったり、そこに登りたいと思える舞台がある。つい最近はオンラインで完結する大会も多かったから、改めてオフラインでやるイベントの力強さを感じた。もちろん、オフラインだからこそ大変なこともいっぱいあったけれど、大変さを上回る盛り上がりや、感動がそこにしっかりあった。

ゲームに一年間をかけるというのは、重い。ゲームで生計を立てているわけでもない(少なくとも直近まではそうではなかった)5人が集まって、真剣に世界を目指して他人と競うというのは、それだけでも想像よりもずっと大変なことだ。練習は大変だし、コミュニケーションの問題もあるだろうし、いくらやりこんだって何も保証されていない。賞金はあるけれど、選手たちが人生を捧げた熱量と時間に比べたら微々たる金額だ。そんな中でも彼らは各々の理由を抱えながら鍛え続けて、限られた日本代表の枠を争う。心を動かされるに決まっている。ある種で残酷だとも思うが、だからこそ面白い。しかし忘れてはならないのは、そんな過酷な条件でも日本代表を目指したいと思わせるだけの魅力が、このゲームの競技シーンには詰まっているとも言える。それはコミュニティの力であり、ゲームの力であり、運営の力だ。

僕が(勝手に)選手が報われて欲しいと思えば思うほど、試合に心を動かされる。それは彼らの三年間の積み重ねであったり、あるいは僕が子供の頃にゲームとは忌避すべきものと教えられながらも、好きで好きで仕方がないから隠れてやり続けたこととも繋がっていたりする。もちろんそんなことは選手にまったく関係ないのだが、それでもゲームを真に取り組む人たちが報われているところを見ると、どうしたって心が動かされてしまう。

それらは何もかも、続けたから起きている。ゲームがサービス終了せずに続き、大会が開かれ続け、僕がいかなるときもゲームを続け、選手がいかなる時もゲームを続けているからこそ、感動することができている。なんだって大事なのは続けることだと思う。どんな形でも飛び続けていれば、きっとどこかで何かが起こるはずと信じながら僕は生きている。

やたらと抽象的なのはあらゆる配慮の結果である。とにもかくにもPJCSを見て欲しい。僕から言いたいのはそれだけだ。

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