何がやねん!

就職で仙台を離れるイシノハチ氏を仙台駅まで送り届けた。

11時過ぎ、二日酔いでゲロゲロ言いながら起きると昨日に頼まれた送迎の約束の時間が近いことを思い出し、あわてて適当な朝食をこしらえた。途中、掃除のおばちゃんがやってきて最近買ったクリスマスツリーを自慢した。
11時半頃、荷物とイシハチ氏を載せて郵便局と仙台駅へ。
車中、「いやー、実感ないわー」、「実感とか大体後から来るんじゃないすか」「知らない天井だ...w」などと適当な話をする。なんか俺もフワフワと上の空だったような気がする。
無事仙台駅裏まで送迎する。お世話になりました、お疲れ様でしたと挨拶をして別れる。

色んな先輩方や同期が仙台から離れるのを見送ってきたけど、こうやって最後の瞬間を見送りするのは初めてだった。

友達とかが日程だけ伝えてフッといなくなるの、見送りくらいさせろよと思ってたけど彼らなりの気配りだったのかもしれない。
俺のようなウェットな人間には心動きポイントが大きすぎるイベントだ。
動揺を隠せず、ずっと会話と感覚がフワフワとしていた。

イシハチ氏は色々あった人だが、いや色々あった人だからこそ、そういう人が仙台を離れることを自分のこととして想像すると心臓がキュッとなる。動揺してしまう。
毎晩浴びるように酒を飲んで、必死に遊び狂って、見るのを避けてきた現実が目の前に突き立てられてしまう。
いつでも仙台に遊びに来れるとか、友達ともいつでも会えるとか、そういうことではなくて、俺が大事にして愛おしくおもってきた空間や時間と別れる日は近いんだろう。

話は翻って、昨晩、飲みから帰ってくると地元の古い友人からラインが送られてきていた。
5年前に急に音信不通になった俺の親友と連絡がついたらしい。
手を震わせながら急いで電話をかける。
嬉しくなってこれまでの5年間あったことをまくしたてる。ヘンテコな学生寮に入って寮長して、好きなラーメン屋でバイトして楽しくて、サークルには仲間もできて、本当はお前とやりたかったようなパンクバンドやって、お前と中学高校の時よく一緒に聴いてたパンクやガレージやパワーポップや歌謡を全部混ぜた要は最高のバンドで、今度音源作るからお前にも聴いてほしくて、色々あって院進は諦めて来年から働きはじめて。
うんうんと聞いてくれる。
言いたいこと言うだけ言って、まあお前の積もる話は飲み会で聞くよと言う。
お前ちょっと声変わったか?とか聞かれる。親友の特徴的な口調と声は全然変わってなくて嬉しかった。
4月には東京に帰るからきっと飲み会をしようと約束して電話を切る。
そのあと嬉しくなってしこたま飲み直してあんまり記憶がない。

別れとか出会いとかそんなんもう散々だ。
昨日からそんなことが続いて俺の心は今めちゃくちゃだ。

めちゃくちゃの心で運転しながら駅から家に帰る。
窓の外はクソ綺麗な秋晴れ(もう冬か?)で、いいなと思い窓を開けると思いの外全然排気ガスの臭いがして辟易とする。
信号待ちで遠くの雑居ビルに目をやるとベランダにはカーディガン着たハゲジジイが煙草を吸ってるのが見える。青空のもと、やけに良い映画のカットみたいに見える。俺将来あーなるのかとか意味の無い妄想をする。
たまたま流してたドミコのブルージーさとサイケデリックさが、優しくてぐっときてしまう。
帰りにプリンとコーヒーと煙草を買う。世界的ソムリエ田崎真也監修らしい。ソムリエがプリンの監修?と心中ツッコミをする。そういえば親から聞いたけど幼少期に田崎さんと会ったことあるらしい。思考がまとまらない。全部投げ出して海に行くか温泉旅行に行きたい。

家に帰ると絶対出ないといけないオンライン授業の存在を思い出したり、中島と鬼山の期間限定ラーメンが美味しそうだとか雑談したりして現実に一気に引き戻される。

俺はもう現実も何も見たくないので今から全部投げ出して日帰り温泉旅行に行きます。
企画はまだ4曲コピー手をつけてないし書こうと思ってた曲は途中だ。みんなごめん!

行ってきます。みなさん良い火曜日を!

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