F1世界選手権パーソナル・セレクション番外編②【知らない時代の名勝負】
本稿の①に記した通り、このセレクションは「ちゃんと見たものから」と考えてリアルタイムでテレビ観戦できたレースから選んできた。
ただ近年CSなどで昔のレースのフル映像を見られるようになったので今回はその中から心動いたものをセレクト。
1982年オーストリアグランプリ(8月15日)
真夏の危険な高速サバイバル。コースと観客の距離の近さが怖すぎる。F1史上4番目のクロスフィニッシュ。
1983年オランダグランプリ(8月28日)
ドライバーズチャンピオンの行方に影響を与えた一戦として語り継がれているがもっと踏み込めばF1の歴史そのものを左右したレース。
もしプロストがこの年ルノーですんなりチャンピオンを取っていたら色々な人間、チームの動きが変わったと思う。
1984年オーストリアグランプリ(8月19日)
F1世界選手権通算400戦目、ニキ・ラウダ悲願の地元優勝。プロストにとっては夏場の勝負所で2年連続の悪夢。ゲルハルト・ベルガーF1デビュー戦。
1986年スペイングランプリ(4月13日)
アイルトン・セナが速さ一辺倒からチャンピオン候補に脱皮し始めた頃。マンセル(とウィリアムズ)の状況の変化に対応する決断や行動の下手さがはっきり出た。この部分で相当数のレースを落としたし、チャンピオンにもなかなかたどり着かなかった。
1986年ハンガリーグランプリ(8月10日)
東西冷戦末期に初めて開催された東側国家でのF1。駆け引きに長けたピケの貫録勝ち。レース前の準備から優位に立ち、本番では台頭する後輩セナを力技で捻じ伏せた。ピケはツイスティなサーキットをあまり好まないがここぞという時はきっちり勝負を読んでくる。