雪の日の思い出
あの日のことは、今でもとってもよく覚えている。
曇った空の上からどんどん舞い降りてくる、真っ白な雪。
広い広い空き地に聞こえる笑い声。
雪の上に転がり、雪玉を受けて、必死で走り回ったあの日。
その映像はとてもリアルに覚えているのに、
どうしてあの場所で、クラスの半分以上の人数で雪合戦をすることになったのか。それが、小学校何年生のときの記憶かもまったく覚えていない。
ただただ、楽しかった。あの瞬間だけが身体に残っているのだ。
こんな記憶に出会うと思うのだ。
記憶って、最後は楽しくて美しいものだけになるのかもしれないと。
私は、雪合戦の次の日、熱を出して学校を休んだ。
そして、また皆で雪合戦を!と期待していたのに、私が休んでいる間に何かあったのか、それきり雪が降ってもあの空き地には誰も集まらなかった。
私の通っていた小学校は、東日本大震災で有名になった石巻にある。
北上川沿いにある住吉小学校というところで、家からは20分くらい歩いて通っていた。今、家から学校までの通り道を思い出しても、そんな空き地があったのか、もしかしたらあれは、私が熱にうなされていた時にみた幻だったのか?と思うほどに、地理的な記憶はかなり曖昧だ。
まぁ、たとえ幻だったとしても、私の身体の中に今でもしっかりと残っている雪の日の一番の記憶に間違いはない。
こうして、一番最初の嬉しかった記憶、一番最初の苦しかった記憶、、、のような最初の記憶を手繰り寄せてみると面白い。
それは、匂いや皮膚感覚といったものと一緒に、断片だけれども鮮やかに甦ってくるから。
雪は、大雪ににはならず、
私の暮らす東京は、曇り空で、時折雪が舞うキンと冴えた空気が心地よい1日だった。私は長い間暮らした仙台の、2月頃の蔵王おろしと呼ばれる、キンと凍るような空気がすきなのだ。
そして、その風に吹かれながら鼻を赤くして、東の空に輝くオリオン座を眺めるのはもっと好きだ。
今日は、仕事しないとと囁く声をやりすごし、オーディオブックの原稿から離れて、味噌を仕込んできた。
そして、あとはずっとグダグダな私であった。(笑)
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