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右の足裏 左の膝【カミーノへ行こう:本編その6】

(十二国記みたい)

本日の歩行:26.2キロ、6時間40分

誰ですか、今日の道はレベル普通だって言った人!!

祭りの後のパンプローナは夜更かしした若者とゴミだらけの道で大変治安が悪く見える。
ヨーロッパの都市あるある。
宿では朝ごはんがなかったので、歩いてればなんかあるやろと思い、プロテインバーをもぐもぐしつつとりあえずスタート。
6:40。
小雨が降るかなー、どうかなー、という天気の中、30分ほど歩いたところで空いているカフェを見つけてパンオショコラで朝ごはん。
田舎道というか、巡礼の歩道に出るまで1時間ほどかかる。

ところでわたしの足、開始時点でHP70%。
一晩じゃ全然回復しないやばい。
今日は一日、痛い足を引き摺るようにして歩く。
足の裏が痛い。
筋がどうとかじゃなくて、純粋に重みがかかって足の裏が痛い。
あと筋肉痛も。

結局雨は降りそうでちょっと降っただけで済んだので、比較的景色を楽しむ余裕はあり。
広大な畑、枯れて下を向いたひまわり畑(かなしい)、ひたすら畑。
この辺になると森はなくて、放牧もしてなくて、ひたすら畑が続く。
想像している「スペインの景色」に近い。

3時間ほど歩いたところで、ちょうど町がありお昼ごはん。
念願のトルティージャを食べる。
うまし。
卵と芋と玉ねぎでなんでこんなに美味しいんだ。
飲み物はもちろんオレンジジュースを頼む。
相席したドイツ人とおしゃべりを楽しみ、そろそろ行くかー、と行程を再開。
30分以上休んだおかげで、足元はしっかりしたし、あと半分だし。
と言い気になっていたんだよ、この時は。

この先、今日の行程で唯一の山。
これまでの山に比べれば低いのだが、足元が砂利。
あの、つぶつぶじゃなくてごろごろの砂利。
ストックは石に埋もれ、踏み込んだ足は流され、休憩で回復したはずの足のHPは一気に20%くらいまで下がる。
回復薬をください。
登りに30分くらいかけてようやく山頂。
山頂からの景色は最高だった。
後ろも行く手も広がる大地。
ありがとうスペイン。

そして下り坂は、案の定ごろごろの砂利。
この辺りから本格的に、右足の足底筋膜炎と、それの副産物でできた小指付け根あたりの痛みがマックス。
庇おうとしたせいか、左足の膝にときたま走る嫌な痛み。
どないせいちゅーねん。
ストックを駆使し、馬鹿みたいにゆっくりゆっくり坂を降りる。
途中、うぇーい!みたいなノリでおじさん2人が駆け降りていった。
すごいなータフだなーと思ったけど、あれ多分違う。
おじさんが20代のノリでやるヤンチャムーブだ。
あれって世界共通なんだなぁ……

そんなおじさんを尻目に、生まれたての子鹿より頼りない足取りで進む我。
おそらく30分以上かけて、普通の坂道に到着。
ふーーーーっと一息ついて足のストレッチをしていたら、後ろからきたお兄さんが「大丈夫ー?」って声をかけてくれた。
ずっと後ろに人がいるなー、ごめんなー抜かしてなー、と思ってたら、おそらく見守っててくれたっぽい。
多分そのくらいやばい足取りだった自覚はある。
何度か転びかけたし。
ありがとね、お兄さん。

で、これで終わったと思うじゃん?
ここからまた2時間歩いたんだよ!!
よくがんばった!!!!
足のHPは0ですよマジで。
比喩ではなしに足を引き摺りながら宿に到着したら、「マッサージ 30分25ユーロ」って看板がある。
マジで!?と思って速攻予約。
アロマオイルマッサージで超気持ちよかった。
1時間コースにすればよかった。

その後自分で足のマッサージとストレッチをしたのだが、明らかに右足がヤバなんだよねぇ……
浮腫み方が左足と全然違う。
ちょっとこれは毎日本気のマッサージが必要だ。
膝の方は登り下りがなければ大丈夫なので、明日はたぶん大丈夫。
行程によっては荷物運搬サービスを使おうかと思っていたけど、たぶん大丈夫だろう。
一度使ったら戻れなくなりそうでさ……

そんなこんなで、足のメンテの後は軽く村を散策。
そういえば教会見そびれたな。
お腹が空いてたので夜ごはん前だけどカフェでクリームパンと紅茶を頼み、ゆっくり記録をつけるなどする。
川があって、橋があって、いい村だなぁ。
ところでこっちのプロテインバー、10gとかしか入ってないのに500円近くするのなぁぜなぁぜ?
アホらしくて買う気が失せた。
ヌテラバーが明日の糧食だ。

一昨日のほんこにーずと昨日のじゃぱにーずと、大所帯で夜ごはんを食べ、宿へ戻っておやすみなさい。

明日はもうちょっと楽な道のはずだ!
がんばろう。


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