泣きっ面に蜂、のち晴れ【カミーノへ行こう：本編その23】

本日の歩行：20キロくらい、5時間くらい
（記録を忘れました）

朝起きると外は雨と風。
19キロほどの道のり、すでに心がべきべきに折れている。
足挫いたしなー、バスっちゃおうかなーと日和つつ、とりあえず荷物を下までおろしてみたら足が痛くなかったので、歩くことに決定。
ありがとう、タイガーバーム先生。

そんなわけでいつもより少し遅く、6時20分ごろ出発。
20キロ弱ならば、昨日と同じ速度でいけば5時間程度で着くはずだ！
ととにかく車道をさかさか歩く。
今日も今日とて道のりは車道の脇。
車道の歩行者側というか，側道の幅がけっこうあったので調子に乗って歩いていたら、アスファルトと土の境目に足を取られ、

ずべしゃ

という効果音が背景に太字で出る勢いで正面から転んだ。
咄嗟に手が出たから顔面は免れたけど、手のひらと膝と肘をがっつり打ちつける。
全身ガードしてるけどさ。
痛い。
あとで見たら、一番ガードが厚いはずの右肘のところ擦りむいてた。
とりあえず骨とか関節に異常がないことを確認し、もはや車道すら信用できずに疑心暗鬼マックスで突き進む。
普通に怖い。

まあそれもどうにか、2時間くらいで雨ながらも辺りが明るくなってきたので、そのあとは問題なくざくざく歩く。
途中の村をふたつほど飛ばしたので、一回だけ休憩して、本日の目的地レオンに到着。
レオン州、そしてレオン王国の首都だった場所。
ところでカミーノの矢印の看板に、「カスティーリャ＆レオン」と書いてあるんだけど、ここ数日落書きが多いなーと思っていたら、カスティーリャだけ塗りつぶされていることが判明した。
カスティーリャ嫌いすぎか。
レオン王国のプライドが許さないのか。

それはともかくとして、無事に10時半ごろに宿、の前にアウトドアショップに到着。
すでに死亡しているゴアテックスのレインパンツと、この間買ったばかりだけどマジで用をなさなくなってきたレインスーツを買い替え。
普通にコロンビアとかマーモットとか取り扱ってる店で助かった。
びしょ濡れの状態で試着させてもらってごめんね。
それから宿に到着。

チェックイン時間がまだだったので、とりあえずツーリストインフォメーションへ行って地図をもらい、そのへんで軽く昼ごはんを食べる。
調子にのってティントデベラーノ（ワインのカクテル）を頼んだら、全然酔った気がしない（顔が熱くならない）けど足にきた。
やばい。
足どりがふわふわしたまま、イグレシア教会のミュージアムへ。

この辺りで一番のお宝が集まった教会は、見どころいっぱい。
（でも英語読むの疲れたから、途中からわりと適当。）
とにかくいろいろあった。
アルフォンソ5世の姉妹？とかが持っていた聖杯？みたいなのとか。
あと最高にいい感じの図書室とか。
なんで写真撮影禁止なんだ、ぎー。
とてもテンションが駄々あがり、でも足元がふらついているので一旦宿へ。

ルーティン後に再度街へ繰り出す。
まずはアントニオ・ガウディの建築であるCasa Bonitesへ。
バルセロナ（というかカタロニア）以外でガウディの建築があるのは3箇所だけらしく、ここがそのうちのひとつ。
バルセロナのガウディ建築とはだいぶ趣が違うのだが、それは気候がバルセロナとは違いすぎるかららしい。
と、いうような説明のパネルがズラーっと並んでいて、実際の建物は1階部分しか見れないのだった。
ざんねん。
ガウディらしいスパイラルな感じの階層らしいのだが。
でもこんなところでガウディを見れたので大満足。

その後大聖堂に向かってふらふらと細い路地を歩いていると、何やらお店の中でカリグラフィをしている人がいるぞ……？
お店をみると、なんだか「Escribo」とか書いてある。
これ最近学んだスペイン語だ！
書くって意味だ！！
とりあえずお店に入る。
何かを書いていたおじさんは、わたしがお店に入ってきょろきょろと見回しているのをしばらく見守ったあと、また作業に戻っていった。
あのあれ、色のインクで、なんか中世っぽい書体で書いている。
ついつい書き終わるまでじっくり観察してしまい、それから「それなに書いてるの？」と聞いたところ、英語ができるおじさんで助かった。
近くの村の彫刻家で、イースターのためにキリスト像やら何やらを作った人（80歳おじいちゃん）への表彰状らしい。
作った人形も見せてもらったんだけど、等身大の彫り物で、しかも衣装も全部手作りとな。
すごい。

それから、このお店のものは全部書いたんですか〜？とかいろいろ聞いて、そうしたらさっき見てきた教会のミュージアムのほうの天井画がいかにすばらしいか（12世紀のものらしい）などを教えてくれた。
優しい。
絶対見なきゃダメだよ、というので、さっき見てきた！！
といっておいた。
見ておいてよかった（流し見だけど）。

なにか記念に買いたいなーと思って、でもカミーノの途中だから大きいものは買えないや、と言ったら、「このしおり、12ヶ月の分があるんだけど、名前とか書いてあげられるよ」というので、書いてもらうことに。
しかも動画も撮らせてもらったぜ！
イエイ。
少し乾くまで時間かかるよー、というので他のものも見ていたら、アルファベットの飾り文字のしおりも発見。
これもなにか書いてもらえるの？
と聞いたら、名前でもいいし、なにか好きな言葉でもいいよ、というので、けっこう真剣に考える。
自分の名前入りのしおりは１枚でいいしな……

考えた結果、好きな聖書の箇所をラテン語で入れてもらうことに決定。
ありがとう、バイブルアプ。
君はラテン語もカバーしているんだね。
これ書いてー、とお願いしたら、文字数多いから時間かかるよ、というので、明日の朝取りに来てもいい？
ということで、そういうことになりましたとさ。
やったぜ。

そのあとは大聖堂のミサに参加し、それからアッシジのフラシス教会で巡礼者用のミサに参加。
最近ミサばっかりだな。
同じカトリックのミサだけど、教会ごとにちょっとずつ違ってなんだかおもしろい。

そんな感じでわたしの1日は終了！
こんなにゆっくりできるのは、明日は休息日を兼ねてバスで次の次の街まで行くからだ！
足も挫いたし、転んで肘も擦りむいたし、ものもらいだし（薬は買った）、休息日入れておいてよかった！

明日はちょっとゆっくり起きて、大聖堂を見に行くぞー！！