「勉強やダイエット、そして家事から整理整頓まで、なにかをやろうとしたとき、あなたは次のような壁にぶつかっていないでしょうか?」
あなたは直前徹夜派ですか?それともコツコツ積み重ね派ですか?
本田直之著「なまけもののあなたがうまくいく57の法則」(大和書房、2009年)
この本は、「怠け者」(「めんどくさがり屋」ではなく)がどうすれば物事を達成できるかという、工夫が書かれている本です。
ちなみに、序章で「なまけもの」と「めんどくさがり」はこのように定義されています。
・なまけもの:やらなければいけないことを少しずつ貯めていってしまうので、長期的な影響がでる>ダイエットが成功しない、部屋が散らかる、など
・めんどくさがり:物事を先送りにしたしっぺ返しがすぐに現れる>明後日までの期日の仕事を先送りにするため、前日徹夜をする、など
わたしはどちらもですが、どちらかといえばなまけものです。
後でいいや、明日でいいや、また今度やろう。
そんなことが実はものすごく積み重なっています。
ほんと、どうすればいいんでしょう、この性分は。
著者の本田さんは、なまけものの人が何かを実行して達成するためには、ありとあらゆる工夫が必要だと言います。
「工夫が必要」なんて言われると、「それができたらなまけものじゃないやい」とわたしの中の天邪鬼が発動するんですけどね。
でも本当、ちょっとした工夫、ちょっとした心構え、そのほんの「ちょっとした」ができるかできないかで、なまけものでもうまくいくかどうかが決まります。
なまけものが何事かを成すためには、二つの力が必要だといわれています。
ひとつは、内的な動機。
これは「これをやりたい」「楽しそう」「欲しい」などの、自分の内側から起こる感情や動機です。
痩せておしゃれな服が着たいとか、海外旅行のために語学を身につけたいとか、流行りのカフェに行きたいとか、そういうものです。
そしてそれを達成するのに必要なのが、外的な強制力です。
ダイエットのためにパーソナルトレーニングに行くとか、お金を払って外国語のコースを受講するとか、カフェに行く予定を友達と決めるとか、「この日にやらないといけない」という状況を作ってしまう、ということです。
例えば語学の学習。
わたしはこれが一番「なまけものかどうか」が出ると思っていて、自分で教材や無料動画や回数無制限のコースを受講してうまく行く人は、怠け者ではありません。
逆に、語学スクールに通うなど、「日時」を固定した方がうまく行く人は、なまけものです。
ちなみにわたしは後者。
とはいえ、最近は学習系のアプリでも「ログインボーナス」的なものがあるので、ある程度それを続けていけば「連続記録を逃したくない」と躍起になるので、学習アプリ系でもなまけものに適したものはあると思います。
この「ログインボーナス」系は、法則6で紹介されている、「最初の10日」に力を入れる、に相当します。
とにかく最初は根性で(ここは工夫という仕組みではなく根性で)10日やれば、それが運動であれ学習であれ、なんらかの成果が見えてきます。
成果が見えてくると、脳みその報酬スイッチが入るので、「やればリターンがある」というのが内的動機づけにもなり、外的強制力とうまく噛み合って、継続がしやすくなるし、1日2日サボっても平気で戻って来れます。
この本にはこういう工夫が57個書かれています。
なかには、「これは自分には無理だよ」というものもあります。
逆に、「これくらいは普通にやってるな」というものもあります。
全部やろう、と思わなくてもいいのです。
またやっていないことを、ひとつでもふたつでもやってみること。
そうすれば、なまけものの性質を保ったまま、工夫でラクに動けるようになるのだと思います。
そんなわけで、なまけものの皆さん。
少しでも楽をして生きようじゃありませんか。
そのためのちょっとした工夫、のぞいてみませんか。