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旅はまだ終わらない!スペイン最西端の地へ!【カミーノへ行こう:本編その36】

本日の歩行:4.3キロ、1時間10分

もはや1時間程度の歩きなど、なんでもないのである。

朝は7:15に起床。
7:30からのミサに出るつもりで6:50にアラームかけたはずでは??
と思ったら本日は消音トラップだった(あるある)。
一瞬、このまま飛び出すか考えたものの、バスの時間と荷造りの時間を考慮して、結局見送ることに。
残念だが仕方がない。
実際、荷造りして途中のカフェで朝ごはん(チュロス)食べてたら、バスの時間結構ギリギリだった。
ま、朝のミサは明後日に回せばよろしい。

今日はバスでスペイン最西端の地、Finisterraへ。
バスからは左手に海がずっと見える。
日差しを警戒して右側の席に座ったのがやや悔やまれるが、ま、帰りに海側に座ろう。
バスの中では数日放置されていた諸々の案件をネットで色々やったので、まあ作業時間だったしね。

そしてFiniaterraに到着。
宿にチェックインし(とてもかわいい)、近場でサクッとお昼ごはん(ガリシア牛のバーガー)を食べて、いざ岬へ!
Googleマップ先生によると3.5キロほど、50分。
これまで毎日数時間歩いてきた身からすれば、もはや散歩である。
足取りも軽やかに、教会やら何やらに寄り道しながら歩く。
海が見える道にこのすごくテンション上がる。
日本人の性やな。
岬への矢印もあって、最後は地点0キロの矢印。
それからマジで岬のほうへ。

と、岬に十字架。
Finsiterraでさよならしようと思っていたおメダイをふたつ、石にくくりつけて十字架の足元に置く。
どちらも、巡礼の道の途中の教会や修道院の宿でもらったもの。
道中はずっと着けていたのだが、「帰ったらゴミ箱だしな……」と思っていたので、置き土産にすることに。
ここまで無事に来られたことに感謝を。
そしてたくさんの人の親切と助けに感謝を込めて。
そのあと岬のいい感じの岩に座って(もちろんどこにも柵などない。行きたい人はいくらでもいける)、ぼへっと海を眺める。
照りつける太陽、左から正面から右へと広がる大洋。
この海を右のほう、西のほうにずっとずっと進んでいくと、アメリカ大陸に着くのか。
この先があるなんて思えないくらい、まっすぐに広がる水平線。
全然丸く見えない。
これじゃ世界テーブル説当然だよってくらい、海がまっすぐ。

日本でも海は見えるけど、ここまでなんにもないところって、今まで見たことあっただろうか。
いやあるんだろうけども。
でも視界に岬も入らず、小島も見えず、遠くにうっすら大陸や島や、別の陸地の影さえも見えないって、なんかすごいな。

30分くらいボヘっとして、帰りはバスにしようと待ってみるが、来ない。
お土産屋さんに聞いたら、市バスはないよって。
グーグル先生のばかーー。
バスを待ってるっぽいアジア人二人連れがいたから(カミーノで見たことはある)、「バスないんだってよ」って言ったら、バスがないからタクシーを呼んだとのこと。
一緒に乗る?と誘ってもらったのでお言葉に甘える。
ラッキーラッキー。

せっかくの海なのにワイン飲まないのもったいないなと思って、港の見えるバルで白ワインを一杯。
相変わらず飲んだら赤くなるけど、さすがに多少の耐性はついたかな?
帰国したら速攻で消えるやつだけど。

宿に帰る前に、夕方の予習と思って西側の海岸に出た。
思ったよりちゃんと道が作られている。
日が差し始めた空は明るくて、波に色は緑で、真っ平な浜辺なのに波がそこそこ高い。
とてもいい。
ふと思い立って、足だけ波につけてみた。
思ったほど冷たくなくて、もう一歩踏み込んだら、次の波が大きくてレギンスまで濡れて、危うく靴まで持ってかれるところだった。
セーフセーフ。
そんなことをしていたら、一旦宿に戻ってミサに行かないといけない時間で、大急ぎで宿に戻る。
足と靴下を洗って、防寒の準備をして、ミサへ。

ミサ、すごくよかった。
これで巡礼のミサは終わりだな、と思った。
サンティアゴでもう一度ミサに行こうと思っていたけど、もういいや。
わたしの巡礼はここで終わり。
そのあと、日が沈むのを見にもう一度浜辺へ。

日没までの30分くらい、ぼーっと海と沈みゆく太陽を見ていた。
なにも感じなかった。
水平線に雲があるのが残念だったけど、最後の最後、雲と水平線の間にわずかな隙間があって、日が沈むのがちゃんと見れた。
なかなかない体験。
そういえば、日本の海の歌では、海は「月は昇るし日は沈む」場所なんだなぁ、なんて思ったり。
日本海なの?
「行ってみたいな、よその国」
来ちゃったなぁ。
いや、よその国行きまくってるけど。
世界の果てまで来ちゃったなぁ。

日が沈んでも海を去りがたくて、波と遊んだり(今度は濡れてない)、寝転がって波の音を聞きながら空を見上げたり、そうやってまた30分くらいジリジリして、ようやく背を向けた。

海に背を向けて歩き出したとき、あ、わたしの旅は今終わったな、と思った。
ここから先は帰り道。
おうちに帰ろう。
そう思った。

そんなわけで、カミーノへ行こう本編は今日で終わり。
明日からは帰り道。
おうちに帰ろうね。
日常に戻ろう。

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