帰国後雑感(カミーノへ行こう:おまけ編その1)
無事に日本に帰国。
久しぶりの日本に違和感を覚えるかと思いきや、全然そんなことがない。
普通に電車に乗って帰宅し、荷物を片付けた。
まずは何より白米と梅干しである。
これぞ日本人のソウルフード。
巡礼中、中国人は中華を作り韓国人は韓国料理(というか辛ラーメン)を作って食べていたが、日本食を作っている日本人はついぞ見かけなかった。
自分の感覚と、聞いて回った感じは一緒で、「どうせうまい米は食べられない」の一択である。
もちろん醤油味噌味醂を持ち歩いているわけでもないので、煮物や味噌汁も以下略。
日本人は日本食にこだわるあまり、海外旅行で日本食を作ろうとは思わないのだろう。
あと現地の食が食べたい。
そんなわけで白米がうまい。
そしてお風呂が至福。
湯船に浸かることでしかとれない疲れというものがある。
なによりも自分のベッドがいい。
変わったこともある。
朝起きて、着るものに困った。
何を着るのが正解なんだろう。
1ヶ月半、明日着るものを着て寝て起きたらそのまま出発する、という生活をしていたせいで、「着るものを考える」ということに割かれる脳のリソースが多いことを知った。
ジョブスとかそういう人が、着るものを制服化している、というのがわかる気がした。
煩わされないというのはいい。
着るもの制服化、してみようか。
まずは制服を揃えないといけないか。
電車に乗る。
人混みに揺られるのが普通の感覚。
だけどふと、この距離、歩いたら何時間だろう、と思う。
1日で歩ける距離をあっという間に追い越して、電車で移動する。
移動手段が徒歩と、せいぜい馬しかなかった時代の世界の狭さと、電車や自動車ができてからの世界の広さを感じる。
体はまだあちこち痛くて、というか足の痛みが全然抜けなくて、痛いなあと思いながら歩く。
痛いのだけど、これまでずっと痛いまま歩いてきたから、痛いなあと思いながら歩ける。
早く痛くなくなるといい。
朝起きて、布団から出たくなくて困った。
布団が離してくれない。
やはり巡礼中は仮泊まりだから、さっさと起き出して動けたんだろうと思う。
家だとアレだけ機敏に動けない。
そんなもんだと思う。
お土産を分配しつつ、もっと買ってこれればよかったなぁと思う。
必要最低限しかないので、あまり配れない。
残念だ。
でも荷物の絶対量に限界があるからなぁ。
観光に1週間ほどかけたせいか、歩いていたのが遥か昔のことのような気がする。
広告と看板だらけの街を歩きながら、何もなかったメセタの台地を思う。
情報は適量がいい。
多すぎても少なすぎてもよくない。
まだ思考がふわっとしている。
歩いているあいだ、思考から解放されていたせいで、まだ脳内がふわふわしている。
いつになったらわたしの脳内は戻ってくるのだろう。
とりあえず、ぼちぼち巡礼の振り返りやら何やらをしていこう。
そんなわけで、しばらくおまけ編が続きます。